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更新日:2024.11.20 / 掲載日:2024.11.20

車検証は電子化に!メリット・デメリットや情報の確認方法を解説

2023年1月から始まった車検証の電子化は、スマートフォンで確認できるようになるなどのメリットがある一方で、注意点もいくつかあります。「紙の車検証はどうなるのか」「電子化で車検はどう変わるのか」など、さまざまな疑問を抱いている人もいるでしょう。

この記事では、電子車検証の概要からメリット・デメリット、注意点、情報の確認方法まで、わかりやすく解説します。電子化によって変わることを把握して、スムーズな移行に役立ててください。

1.車検証の電子化とは

車検証の電子化は2023年より開始されており、従来の紙ベースから、ICタグ付きの小型の車検証に情報を記録する方式に変わりました。紙の車検証は廃止され、すべて電子車検証に移行していきます。

電子化の開始年月・普通自動車:2023年1月4日~
・軽自動車:2024年1月~
対象車種
※2024年10月時点
・登録車(普通車、小型車、特種自動車、大型特殊自動車)
・小型二輪または軽自動車

電子化されるようになった背景には、自動車を活用する個人や自動車関係の事業者のさらなる利便性向上に向けて、国土交通省が自動車登録手続きのデジタル化に取り組んでいることがあります。

従来の車検証では交付を受けるために運輸支局などへの出頭が必要でしたが、車検証の電子化によって整備事業者等の事業所などで車検証の有効期間が更新できるようになったことで、運輸支局などへ出頭しなくてもよくなっています。

なお、車検ステッカーについては「前方から見やすい位置」であったのが、2023年7月より「前方かつ運転者席から見やすい位置」に変更となりました。運転者席側のフロントガラスの上側部分に貼るようになっています。

2.紙の車検証との違い

従来の紙の車検証と電子車検証では、サイズや記載情報に違いがあります。どのような仕様になるのかイメージできるよう、詳しく紹介していきます。

(1)サイズが小さくなった

出典:電子車検証について丨国土交通省

電子車検証になると、A4サイズだった紙の車検証より小さくなります。

紙の車検証電子車検証
210mm × 297mm(A4サイズ)105mm × 177.8cm(A6サイズ相当)

電子車検証は、A6サイズである文庫本を30mmほど長くしたような大きさです。また、電子車検証はICタグが付いているため、紙の車検証と違い、厚紙になります。

(2)記載情報が少なくなった

紙の車検証に記載されていた情報は、電子車検証でそれぞれ以下のように分けられます。

電子車検証(イメージ)

【A】車検証に記載:変更登録などで変わらない車両の基礎的情報
【B】ICタグに格納:車検証の有効期間や所有者情報など
【C】二次元コード:バージョン情報など、従来とほぼ同じ(「自動車検査証の有効期間」のみ確認不可)

券面に記載される情報とICタグに格納される情報の一覧は、以下のとおりです。

券面記載情報ICタグ格納情報
・自動車登録番号/車両番号
・車台番号
・交付年月日
・使用者の氏名または名称
・車名や型式
・型式
・自動車の種別
・長さ/幅/高さ
・車体の形状・原動機の型式
・燃料の種類
・総排気量または定格出力
・自家用か事業用か
・用途
・乗車定員/最大積載量
・車両重量/車両総重量
・軸重(前前、前後、後前、後後)
・初度登録年月/初度検査年月
・車両識別符号(車両ID)※車両ごとに変わらない番号として電子化に伴い付与
・自動車検査証の有効期間
・所有者の氏名と住所
・帳票タイプ
・使用者の住所
・使用の本拠の位置
参照:電子車検証について丨国土交通省

ICタグに格納された情報は、ICカードリーダーとつなげたPCや読み取り機能付きスマートフォンで確認できます。

3.電子車検証のメリット

車検証が電子化されると、サイズが小さくなることで携帯しやすくなります。さらに、車検証情報の確認が容易になり、車検や各種手続きもスムーズにできるようになるでしょう。

電子車検証のメリットをそれぞれ解説します。

(1)車検証を携帯しやすくなる

紙の車検証はA4サイズの用紙であり、折って収納する人も多くいました。車検証を電子化すると、文庫本サイズでコンパクトになるため、従来と比べても携帯しやすくなります。

(2)車検証情報の確認が容易になる

電子車検証ではICタグに車検証情報がすべて記録されており、スマートフォンやICカードリーダーがあれば、いつでも必要な情報を確認できるようになります。

また、電子車検証には専用アプリがあり、そのプッシュ通知を利用すると、有効期間の満了する日の事前通知などを受け取ることが可能です。1カ月前・2カ月前・1日後で、数回に分けて通知を受け取れるため、忘れずに更新手続きを行えます。

(3)車検や各種手続きがスムーズにできる

国土交通省では、記録事務代行サービスを新たに構築しており、車検証の電子化により、車検や各種手続きもスムーズに行えるようになります。

記録事務代行サービスとは、運輸支局長などから委託を受けた記録等事務代行者(指定整備事業者や行政書士など)であれば、電子車検証の記録更新や検査標章などの印刷が可能になるサービスのことです。2024年9月15日時点では、8,630もの記録等事務代行者が委託を受けています。

車検証を電子化すれば、このサービスを通じて国の審査を通った車検証の情報書き換えが可能になります。

委託を受けている事業所は、国土交通省が作成した「記録等事務代行者一覧」で確認が可能です。

(4)リコールの情報を確認できる

メーカーからリコールの届出が出された場合に限り、車検証閲覧アプリで自分の車が対象になっているかを確認することができます。対象車種に乗っていた場合、すぐにディーラーへ連絡し、対処を図ることが可能です。

4.電子車検証のデメリットと注意点

電子車検証を効果的に活用するためには、閲覧環境を整える必要があります。また、取り扱い方法や自動車検査にかかる手数料の引き上げなどの点にも注意しましょう。

それぞれ詳しく解説します。

(1)電子車検証の閲覧環境を整える必要がある

電子車検証を閲覧するには、ICカードリーダーを搭載したPC(Windows)やNFC対応のスマートフォン(iOS、Android)に、専用アプリ「電子車検証閲覧アプリ」をインストールする必要があります。

電子車検証閲覧アプリが対応しているデバイスの動作環境は、以下のとおりです。

デバイス動作環境
PC・Windows10 バージョン22H2(64bit版)
・Windows11 バージョン22H2、バージョン23H2+ICカードリーダー
※Windows10はMicrosoft社のサポート終了後(2025年10月の予定)は動作確認の対象外
スマートフォン・iOS16、17
・Android10、11、12、13(NFC対応機種に限る)
参照:車検証閲覧アプリについて|国土交通省

なお、iPadはNFC機能を搭載していないため、動作対象外となります。

また、PC版アプリのインストールには、Microsoftアカウント登録が必要です。基本的にはMicrosoft Storeからインストールしますが、企業内PCの制限などでMicrosoft Storeが利用できない場合には、サイドローディング版をダウンロードして利用します。

インストール元については、国土交通省の電子車検証特設サイト「車検証閲覧アプリについて」をご覧ください。

(2)取り扱いに注意が必要(折り曲げ厳禁など)

電子車検証はICタグが付いているため、取り扱いに注意が必要です。ICタグが破損すると、車検証の情報が正しく読み取れなくなる可能性があります。

特に、以下のような取り扱いに注意しましょう。

・折り曲げ厳禁
・高温になりやすい場所に長時間放置しない
・水に濡れたときは自然乾燥
・コピーの際は自動原稿送り機能(フィーダー)を使用しない

万が一、水に濡れてしまった場合には、必ず自然乾燥してください。電子レンジで乾かしてしまうと、ICタグの破損や発火の原因になる可能性があります。

また、電子車検証はコピーすることも可能です。ただし、自動原稿送り機能(フィーダー)を使用するとICタグが折れ曲がる原因になるため、ガラス台に置いてコピーしましょう。

(3)自動車検査の手数料が引き上げられている点にも注意を

車検証の電子化をはじめとした車検手続きのデジタル化推進に伴い、2023年1月1日より、自動車検査で国や軽自動車検査協会に支払う法定手数料が引き上げられました。

手数料が引き上げられた理由は、デジタル化推進によって経費が生じ、各手続きにかかわる実費についても変動が生じてしまったためです。そのため、実費を踏まえた手数料額に見直されています。

例えば、普通自動車・小型自動車・軽自動車で見てみると、完成検査終了証の提出にかかわる新規検査や、保安基準適合証の提出にかかわる継続検査は以下のように変わりました。

車種完成検査終了証の提出にかかわる新規検査保安基準適合証の提出にかかわる継続検査
普通自動車1,600円→1,900円1,600円→1,800円
小型自動車1,600円→1,900円1,600円→1,800円
軽自動車1,500円→1,900円1,500円→1,800円
参照:車検手続きのデジタル化のお知らせ|国土交通省

上記の金額は、OSS申請(自動車の保有に必要な手続きをインターネット上で一括して行うサービス)を除く場合です。

ディーラーなどの指定整備工場は基本的にOSS申請で手続きを行っており、その場合は200円安くなります。

従来と比べて手数料が数百円上がっている点についても、把握しておきましょう。

5.電子車検証になったあとの情報の確認方法

電子車検証の情報は、ICタグに記録されており、車検証閲覧アプリを通じて、スマートフォンやICカードリーダーで読み取れます。閲覧するには、アプリをインストールしたあと券面に記載されているセキュリティコードを入力し、ICタグを読み取りましょう。

車検証閲覧アプリで、以下のような機能を活用できるようになります。

・車検証情報の確認
・車検証情報ファイルの出力(PDFなど)
・車検証情報以外の情報(リコール情報など)の確認

国土交通省では「電子車検証動作確認済みICカードリーダーの一覧」を明示していますので、こちらも必要時、確認してください。

なお、スマートフォンやPCを持っていない場合には、2023年の制度開始から最低3年間渡される「自動車検査証記録事項」で情報を確認できます。こちらは、従来の車検証と同等の情報が記載されている書類ですが、車内に備え付けなくても問題ありません。

自動車検査証記録事項を入手するには、運輸支局の窓口に行く必要があります。もしくは、スマートフォンやPCを持っている知人に協力してもらうなどで、車検証閲覧アプリでPDFデータをダウンロードする方法があります。

6.電子車検証に関することはグーネットピットにご相談ください

現在、車検証は電子化に移行しており、紙の車検証は発行されなくなります。電子化により車検証はコンパクトになり、情報確認や車検・各種手続きがスムーズになるでしょう。

ただし、閲覧環境を整えることや、取り扱い方法、自動車手数料の引き上げなどの点にも注意が必要です。

車検証の内容や電子化に関する疑問、車検や整備に関することなど、お困りのことがございましたら、お気軽にグーネットピットにご相談ください。お客様のカーライフをサポートするために、車に関して知識豊富なスタッフが的確にアドバイスいたします。

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