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車検・点検・メンテナンス
更新日:2024.12.19 / 掲載日:2024.12.19

CVT車の変速ショックの原因と改善策をプロが解説|費用相場も紹介

CVT(無段変速機)車は、プーリーと呼ばれる部品の直径を変化させて変速を実現している車です。ギアのような段階がないため、変速時にCVTショックと呼ばれる振動が起きにくいのが特徴です。しかし、CVT車でも振動を感じることがあります。

この記事では、CVT車における変速ショックの原因と症状、その改善策を費用相場を含めて詳しく解説します。

1. CVT車なのに変速ショックが起きる……考えられる2つの原因

CVT車で変速ショックが起きるときによくある原因として、主に次の2つが挙げられます。

(1)CVTフルード(オイル)の劣化

変速ショックの原因のひとつが、CVT内部の油圧制御や潤滑の役割を持つ「CVTフルード(オイル)」の劣化です。

CVTフルードの粘性や潤滑性は、CVTの熱による酸化や、CVT内部の部品の摩耗によって生じる金属粉の混入、雨などの水分の混入などによって少しずつ失われていきます。粘性や潤滑性が弱まると、油圧のコントロールがスムーズにいかなくなり、プーリーと金属ベルトの摩擦も大きくなるため、変速ショックを感じやすくなります。

CVTフルードの交換時期の目安は、車種や走行環境によりますが、走行距離20,000~40,000kmです。もし超えている場合は、CVTフルードの劣化が変速ショックの原因である可能性が高いでしょう。

(2)バルブボティの劣化もしくは動作不良

もうひとつが、バルブボディの劣化もしくは動作不良です。

バルブボディとは、トランスミッション内に流れるフルードの油圧をコントロールする部品をいいます。多数のバルブと複雑な油路で構成されているのが特徴です。このバルブボディが劣化したり動作不良を起こしたりすると、油圧制御が不安定になり、変速ショックが生じる可能性があります。

バルブボディの劣化や動作不良の要因としては、前述のCVTフルードの劣化のほか、バルブボディ内へのスラッジ(ホコリや燃えカスなど)や異物の混入、経年劣化などです。

また、タービン回転センサーやソレノイドなど、バルブボディを動かす電子部品の不具合が原因の可能性もあります。

2. CVTの変速ショックを放置していると走行不能になる可能性も

CVTの変速ショックは、CVTフルードやバルブボディの劣化などが原因で発生します。

変速ショックを放置すると、部品の損傷がさらに進行し、最終的にはCVTが完全に故障してしまう可能性があります。CVTが故障すると車は動力を失い、走行できなくなります。

3. CVT車の変速ショックを改善する方法

変速ショックを強く感じる場合は、早めに症状を改善することが重要です。方法としては以下が挙げられます。

(1)CVTフルードの交換

CVTフルードの交換は、変速ショック改善における最初のステップです。

CVTフルードの交換方法は、エンジンオイルと同様、上抜き・下抜きの2種類があります。上抜きでは、オイルチェンジャーと呼ばれる吸引装置を使い、上から古いオイルを吸い上げた後に新しいオイルを注入します。下抜きでは、車の底にあるドレンボルト(オイル漏れを防ぐ栓の役割を持つ部品)を外し、オイルを自然落下させて抜いた後に、新しいオイルをチェンジャーで注入します。

なお、CVTショックをより緩和させるために、CVTフルードを交換した際にDレンジやRレンジで回転させ、古いオイルをギアの細部からできる限り抜き、新しいオイルをなじませる作業(ギアのあたり付け作業)が行われることもあります。

CVTフルードの交換やギアのあたり付け作業は、エンジンオイルの交換と違ってやや手間がかかり、手順を間違えるとCVTの故障につながるため、整備業者に依頼するのが一般的です。

CVTフルードの交換費用は、普通車の場合、排気量が大きいほど高くなります。排気量に比例して変速機が大きくなり、交換量が増えるためです。交換費用の工賃は1,500円程度となります。

条件CVTフルードの交換費用相場(工賃含む)
軽自動車8,000~9,000円
普通車(~1,500cc)10,000~13,000円
普通車(1,501~2,000cc)13,000~15,000円
普通車(2,001~3,000cc)15,000~18,000円
普通車(3,001cc~)18,000円~

上記はあくまで目安です。実際の交換費用は、お近くの整備工場に問い合わせてみましょう。

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(2)CVT自体の交換

CVTの変速ショックがCVTフルードの交換で改善しない場合は、CVT自体の交換が必要になるケースがあります。CVTの交換は、CVTフルードの交換よりも高度な技術力が求められるため、業者に依頼します。

CVTの交換費用は、車種や交換するCVTの種類によって異なりますが、高額になる傾向にあります。CVT自体が高額であるだけでなく、本体自体が重いのに加え、取り出すのにさまざまなパーツを外さなければいけないなどで、工賃が高め(50,000~70,000円程度)に設定されているのが理由です。

条件CVTの交換費用相場(工賃含む)
軽自動車350,000~370,000円程度
普通車450,000~870,000円程度

こちらもあくまで相場となりますので、実際の費用については業者に確認を取りましょう。

なお、中古品や分解・修理(オーバーホール)したリビルド品であれば、比較的費用をおさえられる可能性があります。交換費用を確認するときに、あわせて聞いてみるのもひとつです。

(3)バルブボディの交換

CVTの変速ショックの原因がバルブボディにある場合は、新品交換によって改善を図ります。

こちらも高い技術と専用の道具が必要になることから、費用相場は車種やバルブボディ本体の値段、依頼する業者によりますが、120,000〜160,000円(工賃2~30,000円程度含む)が相場です。

(4)新しい車に乗り換えることも視野に

CVTの変速ショックが頻繁に発生する場合、修理ではなく新しい車への乗り換えも検討したほうがいいかもしれません。

特にCVT自体の交換費用は高額になることがあり、場合によっては車両価格の1/3~半分程度の費用がかかるケースも見られます。新しい車への乗り換えは、初期費用や手続きの手間が最初に生じるものの、のちのメンテナンス費用が安く済み、トータルの負担額が減る可能性もあります。

もちろん、まだ修理のほうがよい場合もありますので、見積もり依頼する業者にどちらがいいか相談してみましょう。

4. CVT車の変速ショックにお悩みでしたらグーネットピットをご活用ください

CVT車の変速ショックは、CVTフルードの劣化やバルブボディの不具合といった原因が考えられます。

変速ショックを放置すると、最悪の場合走行不能に陥る可能性があります。人の病気と同じように、早めの対処が必要です。

グーネットピットでは、お近くの整備工場の検索・問い合わせができます。複数の店舗の比較検討も簡単にできますので、ぜひご活用くださいませ。

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グーネットピット編集部

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