車検・点検・メンテナンス
更新日:2025.04.25 / 掲載日:2025.04.25
外車の車検費用はなぜ高い?国産車との違いや相場・安くするコツを徹底解説

憧れの輸入車。洗練されたデザイン、力強い走り、所有する喜びは格別です。しかし、いざ購入を検討すると、どうしても気になるのが維持費、とくに車検費用ではないでしょうか。
「外車の車検費用は国産車より高い」とよく聞きますが、実際どれくらい違うのか、なぜ高いのか、具体的な数字や理由を知らない人は多いでしょう。
そこでこの記事では、外車の車検費用が高くなる理由と具体的な費用相場を解説しています。費用を安く抑えるコツも紹介していますので、外車の車検は高いから不安という人も、ぜひ最後まで読んでみてください。
1. 外車の車検費用はなぜ高い?国産車との違い
外車の車検費用が、国産車より高くなる理由は以下のとおりです。
1. 部品を輸入するコストが高い
2. 整備に専門的な知識や技術が求められる
3. 予防整備が重要視されている
順にご紹介します。
(1) 部品を輸入するコストが高い
外車は国産車と異なり、多くの部品を海外から輸入する必要があるため、輸送コストが高くなります。輸送費や関税などのコストが部品価格に含まれてしまうためです。
また、国内で保管する場合は、保管費用も価格に上乗せされる場合があります。海外と比べて日本は湿度が高いため、部品の劣化を防ぐために適切な保管環境が必要だからです。
なお、部品によっては国内に在庫がなく、海外からの取り寄せに時間や手間がかかる場合もあります。
(2) 整備に専門的な知識・技術・設備が求められる
外車の整備には、国産車とは異なる専門的な知識・技術、そして設備が求められます。対応できる整備工場が限られることもあり、整備士の人件費や設備維持費が高くなるのです。
また、新しいモデルが発売されるたびに研修を実施するため、講師の費用や教材費など、多額の費用がかかります。研修費用は車検基本料などに反映されるため、さらに車検費用全体が高くなります。
(3) 予防整備が重要視されている
外車は、国産車と比べて予防整備が重要視されています。外車の部品が国産車よりも高価で、故障した場合の修理費用も高額になるためです。
そのため、車検時に予防整備を進められるケースが多く、部品交換や追加のメンテナンスが発生しやすくなります。早期に問題を発見して整備しておけば、大きな故障や高額な修理費用を防ぐことにつながるのです。
2. 外車の車検費用の内訳は国産車と同じ

外車だからといって、車検費用の内訳が国産車と異なるわけではありません。どちらも法定費用と非法定費用が発生します。
(1) 外車も法定費用と非法定費用に分けられる
車検費用は国に支払う「法定費用」と、業者に支払う「非法定費用」に分けられます。
分類 | 費用 | 概要 |
---|---|---|
法定費用 | 自賠責保険料 | すべての自動車に加入が義務付けられている保険です。車検時に次の車検までの保険料(24カ月分または25カ月分)を支払います。 |
自動車重量税 | 車の重量に応じて定められている税金。エコカー減税の対象か、新規登録時からの経過年数によって金額が変動する。 | |
印紙代 | 車検を受ける際に必要。受検する工場が指定工場か、認証工場かで金額が異なる。 | |
非法定費用 | 車検基本料 | 点検・検査作業、代行手数料などの費用。業者によって技術料や人件費などが異なるため、価格差が生じる。 |
部品交換代 | 消耗部品や劣化部品を交換する際に必要な費用。車の状態や走行距離によって交換する部品は異なり、費用も大きく変わる。 |
法定費用は法律で金額が定められているため、どの業者で車検を受けても金額は同じです。非法定費用は業者が価格設定するため、依頼する業者や車の状態などによって大きく異なります。
(2) 外車の非法定費用は高い?
外車の車検費用が高いといわれる理由は、主に非法定費用の部分です。
上記でお伝えしたように、国産車と比べて車検基本料や部品価格が高くなるため、結果として車検費用の総額が高くなってしまいます。過走行や経年劣化などで状態が悪く、部品交換点数が多い場合は、50万円近くの見積もりとなるケースもあります。
なお、車検基本料の相場は以下のとおりです。ディーラーはほかの業者より車検基本料が高いため、非法定費用を抑えたいなら、ディーラー以外の業者を検討しましょう。
・ディーラー: 50,000~100,000円
・車検専門店: 10,000~30,000円
・カー用品店: 20,000~40,000円
・ガソリンスタンド: 20,000~40,000円
・民間の整備工場: 20,000~60,000円
このように、車検基本料だけでも業者によって大きな差があるため、車検が近づいたら必ず複数業者から見積もりを取りましょう。
3. 外車と国産車の車検費用相場

ここでは、外車と国産車を比較しながら、車検費用の相場をご紹介します。
なお、あくまでも一般的な相場であり、部品交換代は含みません。外車と国産車では、部品交換代が大きく異なるため、くわしくは車検業者に見積もりを依頼しましょう。
(1) BMWの1シリーズとトヨタの86(1.5t以下)
BMW 1シリーズとトヨタ 86は、車両重量が1.5t以下のコンパクトカーに分類されます。
項目 | 1シリーズ | 86 |
---|---|---|
自賠責保険料 | 17,650円 | 17,650円 |
自動車重量税 | 24,600円 | 24,600円 |
印紙代 | 1,600円 | 1,600円 |
車検基本料 | 10,000〜60,000円 | 10,000〜50,000円 |
合計 | 53,850〜103,850円 | 53,850〜93,850円 |
※2025年2月現在の情報
※エコカー対象外(13年未満車)の場合
※部品交換代除く
※指定工場でOSS申請した場合
※参照:自動車損害賠償責任保険基準料率丨国土交通省
※参照:自動車重量税額について/フローチャート・税額表/【継続車検を受ける場合】丨国土交通省
※参照:登録・検査手数料一覧表丨国土交通省
車検基本料の違いから、車検費用の総額はBMW 1シリーズのほうがトヨタ 86より高額になります。
(2) ベンツのCクラスとスバルのレヴォーグ(2.0t以下)
ベンツのCクラスとスバルのレヴォーグは、車両重量が2.0t以下に分類されます。
項目 | Cクラス | レヴォーグ |
---|---|---|
自賠責保険料 | 17,650円 | 17,650円 |
自動車重量税 | 32,800円 | 32,800円 |
印紙代 | 1,600円 | 1,600円 |
車検基本料 | 10,000〜80,000円 | 10,000〜50,000円 |
合計 | 62,050〜132,050円 | 62,050〜102,050円 |
※2025年2月現在の情報
※エコカー対象外(13年未満車)の場合
※部品交換代除く
※指定工場でOSS申請した場合
※参照:自動車損害賠償責任保険基準料率丨国土交通省
※参照:自動車重量税額について/フローチャート・税額表/【継続車検を受ける場合】丨国土交通省
※参照:登録・検査手数料一覧表丨国土交通省
(3) ボルボのXC90とトヨタのアルファード(2.5t以下)
ボルボのXC90とトヨタのアルファードは、車両重量が2.5t以下に分類されます。
項目 | XC90 | アルファード |
---|---|---|
自賠責保険料 | 17,650円 | 17,650円 |
自動車重量税 | 41,000円 | 41,000円 |
印紙代 | 1,600円 | 1,600円 |
車検基本料 | 10,000〜80,000円 | 10,000〜50,000円 |
合計 | 70,250〜140,250円 | 70,250〜110,250円 |
※2025年2月現在の情報
※エコカー対象外(13年未満車)の場合
※部品交換代除く
※指定工場でOSS申請した場合
※参照:自動車損害賠償責任保険基準料率丨国土交通省
※参照:自動車重量税額について/フローチャート・税額表/【継続車検を受ける場合】丨国土交通省
※参照:登録・検査手数料一覧表丨国土交通省
(4) ランドローバーのレンジローバーヴォーグとトヨタのランドクルーザー300(3.0t以下)
ランドローバーのレンジローバーヴォーグとトヨタのランドクルーザー300は、車両重量が3.0t以下に分類されます。
項目 | レンジローバーヴォーグ | ランドクルーザー300 |
---|---|---|
自賠責保険料 | 17,650円 | 17,650円 |
自動車重量税 | 49,200円 | 49,200円 |
印紙代 | 1,600円 | 1,600円 |
車検基本料 | 10,000〜80,000円 | 10,000〜50,000円 |
合計 | 78,450〜148,450円 | 78,450〜118,450円 |
※2025年2月現在の情報
※エコカー対象外(13年未満車)の場合
※部品交換代除く
※指定工場でOSS申請した場合
※参照:自動車損害賠償責任保険基準料率丨国土交通省
※参照:自動車重量税額について/フローチャート・税額表/【継続車検を受ける場合】丨国土交通省
※参照:登録・検査手数料一覧表丨国土交通省
4. 車検費用を安く抑えるコツ5選
外車の車検費用は高額になりがちですが、いくつかの工夫で費用を抑えられます。ここでは、安く抑えるコツ5選を具体的に紹介します。
1. 相見積もりを取り最適な業者を選ぶ
2. 交換部品をかしこく手配する
3. 車検前に自分で部品交換する
4. キャンペーンや割引制度を活用する
5. 自分で車検する(ユーザー車検)
(1) 相見積もりを取り最適な業者を選ぶ
車検費用は業者によって大きく異なります。
たとえば、ディーラーは安心感がありますが、費用は高額になりがちです。少しでも費用を抑えたいなら、ディーラーだけでなく、車検専門店やカー用品店など、複数の業者から相見積もりを取るのがおすすめです。
価格だけでなく、整備内容、対応のスピード、口コミなども確認し、あなたのニーズに最適な業者を選びましょう。
以下は各業者のメリットとデメリットです。業者選びの参考にしてください。
業者 | メリット | デメリット |
---|---|---|
ディーラー | ・安心の純正部品を使用する ・専門知識と技術力を持つ整備士が対応する ・保証期間内の部品は無償交換の対象となる | ・費用が高い ・過剰な整備をすすめられる |
車検専門店 | ・費用がディーラーより安い ・手続きが迅速で、待ち時間が短い ・要望に応じて、柔軟な対応してくれる | ・メーカー特有の知識、技術はディーラーに劣る ・純正部品を使用しない場合がある ・店舗ごとのサービス内容に差がある |
カー用品店 | ・費用が比較的安い ・幅広いサービスを提供している ・キャンペーンや割引サービスがある ・土日祝日も営業している | ・メーカー特有の知識、技術はディーラーに劣る ・純正部品を使用しない場合がある ・店舗ごとのサービス内容に差がある |
ガソリンスタンド | ・手軽で便利 ・費用が比較的安い ・キャンペーンや割引サービスがある | ・整備能力に差がある ・純正部品を使用しない場合がある ・整備工場を併設していない場合がある |
民間整備工場 | ・費用が比較的安い ・親身で柔軟な対応 ・過剰な整備をすすめない ・車検以外の相談もできる | ・メーカー特有の知識、技術はディーラーに劣る ・設備が最新ではない場合がある ・土日祝日は対応していない場合もある |
グーネットピットの一括見積もりを利用すれば、一度の情報入力で複数の業者から見積もりを取得できるので便利です。
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(2) 交換部品をかしこく手配する
外車の部品は、輸入車特有の輸送費や関税などが上乗せされているため高額になりがちです。交換部品を賢く手配することで、費用を抑えられます。
① 部品持ち込み
自分で用意した部品を業者に持ち込み、整備してもらう方法です。
部品代は抑えられますが、業者によっては持ち込みを断られる場合や、持ち込み料が発生する場合もあるため、事前に確認しておきましょう。
また、持ち込んだ部品に不具合があった場合、自己責任となる点にも注意が必要です。
② 純正部品以外を検討する
純正部品にこだわらなければ、社外部品とリビルト部品(再生部品)という選択肢があります。
社外部品は、純正部品と同等の性能を持つにもかかわらず、価格が安いというメリットがあります。
一方、リビルト部品は、使用済みの部品を分解・洗浄・検査し、摩耗した部品を交換して再組み立てした部品です。品質は高く、純正部品よりも安価に入手できます。
純正部品にこだわらなければ、社外部品とリビルト部品の選択肢を検討することで、車検費用を抑えられます。
③ 信頼できる部品販売サイトを利用する
ディーラーで買うよりも安く交換部品を手に入れたい場合は、海外の通販サイトや国内の輸入車パーツ専門店を利用しましょう。
ただし、購入前に部品の適合性や品質を確認することが大切です。適合しない部品を取り付けると、車に不具合が生じます。粗悪な品質の部品は、すぐに故障してしまうかもしれません。
購入する際は評価や口コミなどをチェックし、信頼できる業者を選びましょう。
(3) 車検前に自分で部品交換する
ワイパーゴム、エアフィルター、オイル、バッテリーなどの交換は、比較的簡単な作業です。必要な工具をそろえて手順をしっかり確認すれば、自分で交換できるため、工賃を節約できます。
ただし、輸入車ならではの精密な構造のため、作業を誤ると故障や不具合につながるリスクがあります。自信がない場合は、無理せず専門業者に依頼しましょう。自分で交換する場合は、整備マニュアルやYoutubeなどで交換手順を確認してください。
(4) キャンペーンや割引制度を活用する
車検費用を抑えるためにぜひ活用したいのが、車検業者が提供するキャンペーンや割引制度です。
早期予約で割引適用される場合や、Web予約限定の割引などがあります。
また車検に必要な点検・整備項目をパッケージ化したお得な車検パックなどもあるため、積極的に情報を集めて、かしこく車検費用を節約しましょう。
(5) 自分で車検する(ユーザー車検)
ユーザー車検は、自分で運輸支局へ車を運び、検査を受ける方法です。車検業者に支払う非法定費用がかからないため、費用を大幅に抑えられます。
しかし、検査を受ける前の点検整備、必要な書類の準備、検査手続きなどはすべて自分でする必要があり、ある程度の知識と技術が求められます。
もし検査に不合格だった場合は、再度検査を受けなければならず、かえって時間と費用がかかってしまう恐れもあるでしょう。
そのため、整備に自信がない人や時間がない人は、車検業者に依頼することをおすすめします。ユーザー車検をご希望の場合は、事前にしっかりと準備し、リスクを理解したうえで実施しましょう。
5. 外車の車検はグーネットピットにお任せください
外車の車検費用は、国産車に比べて高額になりやすい傾向があります。部品代や輸入コスト、専門的な整備、人件費などが要因です。
しかし、車検を受ける場所や整備内容を工夫することで、費用は抑えられます。とくに、複数の業者から相見積もりを取り、費用とサービス内容を比較検討することが重要です。
グーネットピットでは、外車の車検にも対応している整備工場を多数掲載しています。お住まいの地域や車種から、最適な工場を探せますので、外車の車検でお困りの際は、お近くの整備工場にお任せください。
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