オイル交換
更新日:2023.04.26 / 掲載日:2023.04.26
オイル交換の費用はいくら?交換費用の目安から注意点を解説

1.はじめに
車のオイル交換、きちんとしていますか?
エンジンオイルは、エンジン各部の動きをなめらかにしたり、燃焼室の気密性を保ったり、エンジンの熱を冷却したりと、様々な役割を持っています。
交換目安を無視して走行し続けると故障の原因となりますので、早めに交換するようにしましょう。この記事ではエンジンオイルの交換費用について、詳しく解説していきます。
2.どこで交換するのが安い?オイル交換費用まとめ
一般的なオイル交換の価格は、1リットルあたり1,000~1,500円程度。
軽自動車のオイルが2.5~3リットル、普通自動車が3〜4.5リットルとなりますので、2,500円~7,500円+工賃を費用の目安とすると良いでしょう。
ここにオイルフィルター(エレメント)の交換が加わると、さらに追加費用がかかります。
(1)お店別のエンジンオイル交換費用まとめ
エンジンオイルにも様々な種類があり、ディーラーでメーカー純正のオイルを入れるのか、それとも汎用オイルを入れるのかといった違いで価格も変わってきます。
あくまで目安ではありますが、お店による交換費用の目安についてまとめました。
【交換費用相場の早見表】
交換場所 | 費用相場 | 備考 |
---|---|---|
カーディーラー | 4,000~10,000円程度 | メーカー推奨規格のオイルを入れてくれるので安心。オイルをボトルキープすることで工賃が安くなるといったサービスも。 |
ガソリンスタンド | 4,000~6,000円程度 | ガソリンスタンド純正のオイルを入れてくれる。持ち込んだオイルを交換してくれる場合もある。 |
整備工場 | 2,000~4,000円程度 | 信頼できる行きつけの工場があるなら任せるのが安心。他の整備も合わせて行うのもベター |
カー用品店 | 1,000~2,500円程度 | 価格帯としては最も安い。会員になれば割引&工賃無料というお店もあるため、よく使うショップがあるならおすすめ |
※相場はあくまで概算です。実際の価格はお近くの店舗や整備工場におたずねください。
カーディーラー
各カーディーラーでは、メーカー純正のオイルを交換してもらうことができます。
カーディーラーでオイル交換をするメリットとしては、メーカー車の知識が豊富な整備士に愛車を見てもらえることなどがあります。
一方で、メーカー純正のオイルは汎用的なオイルと比べると、やや価格は高めとなります。ただ純正以外のオイルを入れると、メーカー保証(消耗品以外の部分を無料で交換・修理してくれる保証)の対象外となることがあります。
車の購入時にメーカーのメンテパックなどに加入している場合、純正オイルの定期交換費用が無料となるため、もし加入済であれば活用するとよいでしょう。
ガソリンスタンド
各ガソリンスタンドでオイル交換をする場合、各スタンドが用意しているオイルとの交換になります。
カーディーラーよりはやや安価となることが多いほか、給油のついでに交換できる点がメリットと言えます。
またスタンドによっては、自分で持ち込んだオイルでの交換を受け付けている場合もあります。工賃はかかりますが割安でオイル交換を済ませることができます。
整備工場
近くの整備工場で交換をしてもらう方法です。価格帯は工場によってピンキリですが、場合によってはかなり安価で交換が可能です。車検時期が近付いている場合などは、検査と合わせてオイル交換をしてもらうとよいでしょう。
一方、持ち込み交換の可否や予約が必要かどうかなど、条件は整備工場によって色々と異なるため、お近くの工場のウェブサイト等を見て判断するようにしてください。
カー用品店
カーグッズを販売するチェーン店などでもオイル交換が可能です。他の場所と比べて工賃が安く、また会員に加入していれば工賃が無料となる店舗もあります。
ただ、カー用品店では、多種多様なオイルが用意されています。オイルに関してあまり知識がない、特に希望のオイルがない、という人の場合は別の手段のほうがよいでしょう。
(2)自分でオイル交換するのはOK?
工賃などを浮かせるために、エンジンオイル交換を自分でやるという人もいます。
車に詳しい人であれば一つの手段ではありますが、オイル交換に必要な器具を揃えるにはそれなりのコストが必要です。
また交換時にはジャッキを使って車体を浮かせたりもするため、安全に注意しないと怪我をするリスクもあるでしょう。ほかにも、最近の車にはエンジンの下側にアンダーカバーという泥除けが付いていることが多く、交換がより難しくなっています。
交換後の廃油処理の手間なども合わせて考えると、自分で手間暇かけて愛車をメンテナンスしたい!と言う人でない限りは、素直にお店で交換したほうが簡単です。
3.エンジンオイルの役割って?オイル交換の重要性
エンジンオイルは、だいたい3~6カ月前後のスパンで交換する必要があると言われています。しかしそもそもなぜ、交換が必要なのでしょうか?
エンジンオイルの役割などと合わせて、解説していきましょう。
(1)エンジンオイル=車の血液
エンジンオイルは普段、「オイルパン」と呼ばれる部分に溜められています。
車のエンジンがかかると、オイルポンプが動いてエンジンオイルを汲み上げ、フィルターやストレーナーという部品を通じてろ過してから、エンジン各所へと送ります。
エンジンに送り込まれたオイルは再びオイルパンに戻り、またポンプに汲み上げられてエンジン内部を循環します。このような仕組みから、エンジンオイルは車の血液にも例えられます。
エンジンオイルの役割には、以下のような様々なものがあります。
名称 | 意味 |
---|---|
潤滑作用 | エンジン各部の摩擦を減らし保護する |
密閉作用 | エンジンピストンなどの隙間を油膜でふさぎ、燃焼ガスが漏れるのを防ぐ |
緩衝作用 | 各部品にかかる圧力を分散し、破損を防ぐ |
冷却作用 | エンジンからの熱を冷却し、エンジンの焼き付きを防ぐ |
作用 | スラッジ(ガソリンの不完全燃焼によって発生する”すす”)や、エンジンパーツの摩耗による金属粉などを吸着する |
防錆・酸中和作用 | パーツを油膜で覆って錆を防いだり、エンジン内の酸性ガスを中和し腐食を防ぐ |
(2)劣化したオイルは燃費悪化や故障の原因に…。
このように様々な役割を持つエンジンオイルですが、使用するにつれて、エンジン内の熱や圧力によって変化したり、エンジン内の水分やスラッジと呼ばれる汚れ、排気ガスなどの影響によって徐々に劣化していきます。
劣化したオイルは粘度を失い、エンジンの部品を油膜で覆う力が弱くなっていきます。汚れはストレーナーやフィルターで除去されますが、限度を超えるとフィルターも目詰まりを起こしてしまい、ろ過ができなくなります。
この状態が続いていくと、エンジンのコンディションが悪化し、「燃費の低下」「パーツ寿命の減少」、最悪の場合は「エンジンの焼き付き」に繋がります。
こうしたリスクを避けるため、定期的なオイル交換が必要となるのです。
(3)オイルと合わせてフィルターも定期的に交換を
また、オイルの汚れをろ過するフィルターについても、合わせて定期的に交換するようにしましょう。フィルターはオイルエレメントなどとも呼ばれ、オイルの寿命を長持ちさせるための大切なパーツです。
フィルター交換の時期については、オイル交換2回につき1回が大まかな目安です。
4.オイルを買う場合に知っておきたいエンジンオイルの種類
お店にオイルを自分で持ち込んで交換してもらうと、費用が工賃のみとなるため、割安で交換できる場合があります。
ディーラーによってはエンジンオイルをボトルキープできる制度もあり、工賃やフィルター交換が無料となる場合もあります。
一方、エンジンオイルにも様々な種類があり、きちんと愛車に適したオイルを選ぶことが大切です。
自分でエンジンオイルを購入したいという人に向けて、オイルの種類や選び方について解説をしていきます。
(1)エンジンオイルで重要な“粘度”
エンジンオイルの規格には様々なものがあり、特に重要なのがオイルの「粘度」です。
粘度が高いオイルは、冷却効果などの保護効果が高いのが特徴です。また、走行距離が10万キロ程になると、エンジン内部の部品の摩耗が進みパワーが少し落ちることがありますが、粘度が高いオイルほどパワーが戻りやすくなります。しかし、そもそも高温の状態でないと潤滑油としてうまく機能しないデメリットがあります。
一方、粘度が低いサラサラのオイルは、温度が低くても潤滑油として機能する代わりに、保護効果は落ちていきます。

軽自動車やエコカーなど、エンジンの温度があまり上がらない車は低粘度のオイルを、普通車やスポーツカーなどエンジンが高温になる車については高粘度のオイルが適しています。
適切な粘度は車の取扱説明書に書いてあります。それを参考に、適切な粘度のオイルを選ぶようにしましょう。
(2)ベースオイルの種類と組み合わせ
また粘度以外の要素として、ベースとなるオイルの種類(ベースオイル)の組み合わせもオイルの性能に大きく関係します。
ベースオイルとは、エンジンオイル用に作られたオイルのことで、これらのオイルをブレンドしたり、添加剤を加えたりすることによって、オイルの特性が決まります。
ベースオイルの種類は、アメリカ石油協会(API)によって、下記5つのグループに分類されています。
【ベースオイルの種類と特徴】
名称 | 原料の種類 | 特徴 |
---|---|---|
グループⅠ | 鉱物油 | 原油をベースとして精製されたもので、規格としては最も低い。現在ではあまり使用されていないが、旧車などのオイルとして使われることがある。 |
グループⅡ | 鉱物油 | グループ1のオイルをさらに精製し、純度を高めたもので、「高度精製鉱物油」などとも呼ばれる。 |
グループⅢ | 鉱物油 | 原油をさらに高精製したもので、原油ベースでありつつも化学合成油と同等の性能を持つことから、「100%合成油」などとも呼ばれる。最もよく活用されているベースオイル。 |
グループⅣ | PAO/ポリαオレフィン | 原油ではなく、化学合成によって作られたオイル。原油の精製過程で含まれる硫黄などの不純物を含まないため、高いパフォーマンスを持つ。 |
グループⅤ | それ以外 | グループ1~4に属さない化学物質を用いたベースオイルが属する。多様な特性を持つオイルがあり、添加剤のように使われることも多い。 |
グループが上になるほど、燃費の悪化やスラッジなどにつながる不純物が少なく、高品質であるとされています。
エンジンオイルは、この5種のベースオイルや添加剤をカクテルのようにブレンドすることで作られており、下記3種類のカテゴリに大別されます。
・鉱物油:グループ1と2のオイルに添加剤を足したもの。低価格でコストパフォーマンスが高い。またオイルシールなどのゴム類への攻撃性が低いため、オイル漏れしにくい反面、不純物が多いため劣化がしやすい。
・部分合成油:グループ2と3の混合に添加剤を足したもの。ベースオイルの混合割合によって特性が変わるため、製品ごとの性能の幅が大きい。比較的バランスの良いオイルが多いため、少ない距離でも毎日車を使う人や高速道路をメインで使う人におすすめ。
・化学合成油:グループ3以上のオイルを中心としたもの。不純物が少なく、酸化安定性・低温流動性に優れたオイル。スポーツ走行やサーキットを走れる方や、ターボ搭載の車におすすめ。、もっとも高品質なオイルだが高価格。
ベースオイルと添加剤の組み合わせで、低粘度でありながらエンジンの保護性能を高めたり、高粘度でありながら低温度でも力を発揮したりといったことが可能となります。
ただし、そのような化学合成油は必然的に価格が高くなりがちなので、コストとの比較を考えるようにしましょう。
5.エンジンオイルに関する相談はグーネットピットまで
エンジンオイルと一口に言っても、そこには様々な種類と特性があります。
費用もそれによって大きく変わるため、こだわるのであれば経験豊富な整備士やディーラーに頼るようにしてみてください。