パーツ取付・交換
更新日:2022.05.16 / 掲載日:2022.05.16
自分でやる車のバッテリー交換の方法・手順

車のバッテリーは、自分(セルフ)でも交換可能です。
この記事では、車のバッテリー交換の方法・手順を解説するので、自分でバッテリー交換したい方は、ぜひ参考にしてみてください。
お店に行く時間が取れない方や、工賃がかかるためディーラーやカー用品店などに任せたくない方は、自分で交換するのがおすすめです。
難しい作業は必要なく、手順さえ守れば誰でも簡単に交換できます。一度交換に慣れておけば、出先でバッテリーが上がっても自分で交換して対処できます。
とはいえ一歩間違えるとショートや車両火災の危険があるので、手順を覚えて慎重に行ってください。
バッテリー交換に必要な道具

バッテリー交換に特別な道具は必要ありません。交換に必要なものは、家庭にあるものやカー用品店で販売されている道具ばかりです。
必要な道具として、以下のようなものが挙げられます。
- ・スパナやレンチ:端子を外すために使用。10mmが一般的なサイズです。
- ・絶縁性のある手袋:ゴム付きの軍手やゴム手袋など、絶縁性の手袋があると安心。取り外したケーブルを保護し、ショート防止にも役立ちます。
- ・メモリーバックアップ:車載コンピューターに保存されたドライバーの運転傾向やオーディオ、セキュリティ装置の設定などデータを保護するためのもの。不要な車種もあります。
- ・目を保護するもの:念のため水中メガネなどがあると、バッテリー内の希硫酸から目を守れ安心です。
- ・潤滑スプレー:ボルトが固くなっている際に役立ちます。
バッテリー交換を自分で行うには、最低限スパナやレンチとメモリーバックアップ、軍手が必要です。+ドライバーは基本的には不要です(稀に必要なケースもあります)。
バッテリーの取り外し方の手順

必要な道具がわかったところで、バッテリー交換の手順を解説します。バックアップ電源をつなげて端子を取り外していきます。
エンジンを停止させる
バッテリー交換を行う前に、エンジンは必ず完全に停止させ、キーを抜いてください。車のライトが点いている場合は消灯しましょう。
もしエンジンをかけたままバッテリーを取り外すと、電圧が異常に変化する影響で電子機器にダメージを与える恐れがあります。
また、ケーブル端子がボンネットに触れて火災につながるほど大きなショートが発生するかもしれないので、エンジンの完全停止を確認してから作業を行ってください。
バックアップ電源をつなげる
バックアップ電源(メモリーバックアップ)をつなげてください。
バックアップ電源には、以下のタイプがあります。
- ・バッテリーにクリップでつなげるタイプ
- ・シガーソケットに差し込むタイプ
どちらもカー用品店などで、数千円ほどで販売されています。取り付け方は商品によって異なるので、取扱説明書を確認してください。
ただしバックアップ電源が不要な車種もあります。メモリーバックアップが必要な車種であっても、すでにバッテリーが上がってしまっている場合は不要です。
車種やバッテリーの状態に応じて、必要であれば使用してください。
バッテリー端子を-から取り外す
バッテリー端子を、-端子から取り外します。
バッテリー端子の外し方は、必ず「-端子」から先に外すのが鉄則です。もし+端子から外すと、スパナやレンチなど工具が触れた瞬間にショートします。
-端子から外したら、次に「+端子」を外しましょう。
取り外したケーブルの端子同士が接触しても同じくショートするため、触れないよう離して置きましょう。
もしターミナルが汚れているのであれば、雑巾などで拭き取ると電流が流れやすくなります。
固定金具(ステー)を外す
バッテリーを固定している、ステーと呼ばれる固定金具を外します。
まずナットを緩めます。完全に取り外してしまうと、エンジンルームにフックが落ちるかもしれないので、ナットは緩めるだけにしてください。
次にボディーに引っかかっているフックを外したら、最後にステーを固定しているボルトを外します。
ボルトが固い際は、潤滑スプレーを活用して取り外してください。
この際にステーが「車体のどこに、どのような角度で取り付けられているか」確認しておくと、再度取り付ける際に正しく取り付けやすくなります。
バッテリーを取り外す
バッテリーが斜めになると中の希硫酸が漏れるかもしれないので、真っ直ぐ持ち上げて古いバッテリーを取り外します。
バッテリーが置かれていたトレイが汚れている際は、清掃してください。ゴミやほこりが溜まっていると、新しいバッテリーが錆びやすくなります。
バッテリーの取り付け方の手順

取り外した際と反対の手順で、新しいバッテリーを取り付けます。+端子・-端子の取り付け順に注意してください。
新しいバッテリーを取り付ける
ゆっくりと所定の場所に置き、バッテリーを取り付けます。
端子の向きが+-逆にならないように、向きを確認してから垂直に置くようにしてください。
固定金具(ステー)を付ける
正しい向きか確認したら、ステーを付けて固定します。
まずボルトを軽く締めて固定し、次にフックを引っかけてナットを緩く締めます。最後にバッテリーの位置を調整して、問題なければナットとボルトを完全に締めてください。
強く締め過ぎると、ナットやバッテリーの破損につながるので注意しましょう。
バッテリーを揺すっても動かない程度に締めれば問題ありません。
バッテリー端子を+から取り付ける
バッテリーを外す際とは反対に、+端子から取り付けます。
端子を取り付ける際は、奥まできちんと入れてください。もし奥まで入らないようであれば、一度外して端子を広げて再度取り付けましょう。
どうしても入りにくい場合は、レンチなどで軽く端子を叩いて、しっかりと奥まで入れ込んでください。端子が折れてしまわないように、トントンと軽く叩きましょう。
車種によって異なりますが、+端子にカバーが付いている場合はバッテリーに被せます。
また端子を付ける際も、ナットをきつく締め過ぎないよう注意してください。+端子を取り付けたら、同様の手順で-端子も取り付けます。
揺すって動かなければ、問題なく取り付けられています。
バックアップ電源を取り外す
バッテリー交換が完了したらバックアップ電源を取り外します。
-のクリップから外して、次に+も外します。
バックアップ電源を取り外したら、エンジンがかかるか確認しましょう。問題なくエンジンがかかればバッテリー交換は無事完了です。
古いバッテリーの処分方法

バッテリー交換が完了したら、困るのが古いバッテリーの処分方法。バッテリーには硫酸や鉛が含まれるため多くの自治体では「特殊ゴミ」扱いとなり、普通には回収してもらえません。そのため、新しいバッテリーを購入した店舗に回収してもらうのが一般的です。店舗にもよりますが、無料~数百円ほどで引き取ってもらえます。
ネット通販で購入したケースでも、郵送で引き取ってもらえることもあるので、購入先に確認してみてください。
他の方法としては「ガソリンスタンド」「不用品回収業者」が挙げられます。
完全セルフの店舗では難しいものの、ほとんどのガソリンスタンドでバッテリーの回収を行っています。こちらも無料~数百円ほどの費用です。
また危険物を取り扱える不用品回収業者も、バッテリーを回収してくれます。出張回収サービスを行っている業者もあるので、重く危険なバッテリーの持ち運びが不安な方におすすめ。他の不用品も合わせて回収してくれるのもメリットです。
費用は500〜1,000円ほどかかります。
バッテリー交換時の注意点

バッテリー交換には3つの注意点があります。自分で交換すると、どのような危険やリスクがともなうのか、理解したうえで行ってください。
バッテリー端子の接続の順序を守る
バッテリー端子の接続順序は、必ず守ってください。
端子を外すときは「-端子→+端子」、付けるときは「+端子→-端子」の順序が鉄則です。
もし順序を間違えるとショートし、最悪の場合は車両火災につながります。
また過電流により一瞬で工具が異常発熱するので、火傷の危険もあります。
絶対に手順を間違えないよう注意してください。
+端子と-端子を絶対に接触させない
+端子と-端子は、絶対に接触させないよう注意してください。
端子同士が接触すると、端子の接続順序を誤った際と同様にショートします。「外した端子にはカバーを被せる」「ケーブルを離して置く」を徹底してください。
また、作業中に工具の反対側が意図せず逆側の端子に接触してもショートします。うっかり端子に接触しないよう注意しましょう。
バックアップを忘れずに
バックアップ電源をつないでから交換しましょう。
バックアップせずにバッテリー交換すると、車載コンピューターに保存されている運転傾向の学習データやオーディオなどの情報が、すべて消えてしまうかもしれません。
データによる補正がなくなると、アイドリング回転数の上昇や燃費の悪化などが起こるので、バックアップ電源の接続は忘れずに行いましょう。
車種によっては不要なものもあるので、取扱説明書などで確認してください。
まとめ
車のバッテリー交換は複雑な手順や特殊な工具を必要としないので、手順さえ守れば自分で行えます。
ただし誤った手順で行えばショートさせる危険性があり、最悪の場合車両火災にもつながりかねません。自分でバッテリー交換を行う際は、ショート対策を万全にしてから臨みましょう。
バッテリー交換のやり方を正しく理解して、注意点を押さえておけば安全かつ簡単に行える作業ではありますが、少しでも不安が残るようでしたら、プロにお願いするのもおすすめです。
プロの業者にバッテリー交換を依頼した場合の工賃について詳しくは、以下の記事をご参照ください。