パーツ取付・交換
更新日:2022.10.17 / 掲載日:2022.10.17
ルーフキャリアとは?取り付け方法や選び方のポイント、注意点などを解説

ルーフキャリアとは、車の屋根に取り付けて荷物を運ぶためのアイテム。荷物を外に出すことで車内を広々と使えるだけでなく、荷室に入らない大きなものも運べます。
アウトドアで広く活躍するアイテムで、サーフボードやスポーツバイクなど、大きな荷物も問題なく運ぶことができます。
とはいえ、ルーフキャリアを購入しようと思っても「何を基準に選んだら良いかわからない」「違いがよくわからない」と悩んでしまうかもしれません。
そこでこの記事では、ルーフキャリアとはどのようなものなのかから、取り付け方法や選び方のポイントまで解説します。
ルーフキャリアを利用するうえでの注意点もご紹介するので、購入を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。
ルーフキャリアとは?

ルーフキャリアとは、その名のとおり屋根(ルーフ)に荷物(キャリア)を載せるためのものです。
自転車やカヤック、スノーボードなど、大きなものでも難なく載せられる優れもの。荷物を屋根に逃がすことで、車内を広く使うことができます。
また汚れやすいアウトドア用品を屋根に載せることで、車内を汚さず清潔に保てる面も。汚れや砂・泥などを清掃する手間を省くことも可能です。
単純に車に載せられる荷物の量がアップするので、キャンプに出かける際など、少しでも荷室に荷物を詰め込みたい場合にも重宝します。
ルーフキャリアの仕組み
ルーフキャリアは、ベースキャリアとアタッチメントの大きく2つの部品で構成されています。
それぞれ以下のような特徴があります。
・ベースキャリア:アタッチメントを受け止める基礎部分
・アタッチメント:自転車やサーフボードなどを載せる部分
ベースキャリアは装着すれば基本的には変わらず、上部のアタッチメントを用途に合わせて付け替えることで、さまざまな荷物を載せられます。
汎用的なアタッチメントもあれば、自転車専用など特定の荷物に特化したアタッチメントもあります。
載せる荷物に合わせてアタッチメントを変更すれば、多くの荷物を載せることが可能。さまざまなアウトドアを楽しめます。
ルーフレールの有無・種類で装着できるベースが異なる
ベースキャリアは、ルーフレールに装着するのが基本です。
ルーフレールとは、車の屋根の上にある2本の棒状のパーツ。荷物を載せる支えになるもので、ベースキャリアはレールを橋渡しするように装着して使用します。
屋根とレールの間に隙間がある一般的なタイプや、隙間のないダイレクトルーフレール(フラッシュレール)などがあります。
またレールがない場合は、ドア枠にフックを引っかけて固定する方法も。ボディを傷付けないよう養生は必須ですが、レールがなくてもルーフキャリアを使用可能です。
ルーフレールの有無や種類によって、使用できる商品が異なるため、愛車の屋根がどのようになっているのかは重要なポイントです。
ルーフキャリアの3つのメリット

ルーフキャリアを使用するメリットとして、3つのポイントが挙げられます。
いずれも利便性が大幅に向上するため、アウトドアの楽しさがアップすること間違いなしです。
それぞれ具体的に解説するので、購入を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。
積載量がアップする
ルーフキャリアを使用する最大のメリットともいえるのが、積載量のアップです。
デッドスペースともいえる屋根を有効活用できるので、荷室に入りきらなかった荷物や、そもそも荷室に入らないような大きな荷物も運搬できるようになります。
例えばキャンプに行く場合、テントやランタン、焚き火台などの道具に加え、着替えなども含めると多くの荷物が必要。人数や泊数が増えるにつれ、荷室はパンパンになります。
ルーフキャリアがあれば入りきらない荷物を屋根に載せて、より多くのアイテムを収納でき、旅先で購入したお土産を入れる余裕も生まれるでしょう。
さらには自転車やカヤックなど、アクティビティに使うアイテムまで載せられます。
積載量がアップすることで、アウトドアの幅がグッと広がります。
車内をキレイに保てる
汚れた荷物を荷室に入れないことで、車内をキレイに保てるのもルーフキャリアを使うメリットです。
例えば自転車やサーフボードなどは、使用すると必ず汚れるものです。そのまま荷室に載せてしまえば、水や汚れが付着してしまいます。
最悪の場合カーペットに染み込んだ水分で、ボディが錆び付くリスクもあります。
しかし車外に載せてしまえば、水や汚れ、砂・泥などが車内に残るリスクを避け、快適に使用することが可能です。
安全に運転しやすくなる
大きな荷物を車外に出すことで、安全に運転しやすくなります。
詰め込んだ荷物で荷室がパンパンになると、ルームミラーで後方を確認するのは困難です。車線変更や駐車などが難しくなるので、安全に走行できるとは言い難い状況になってしまいます。
その点、ルーフキャリアを装着して屋根の上に荷物を逃がせば、多くの荷物を載せながらも、後方の視界を確保することが可能です。
目的地まで安全にたどり着けるのはもちろん、後方を心配しながら運転する疲労を回避できます。
ルーフキャリアの3つのデメリット

ルーフキャリアを使用することで、多くのメリットが得られる一方で、デメリットもあります。
3つのデメリットを紹介するので、良い面・悪い面どちらも把握したうえで、導入するか検討してみてください。
車高が高くなる
車の屋根に荷物を載せるため、当然ながら車高が高くなってしまいます。
高架下やトンネルなど高さ制限がある場所を通れなかったり、立体駐車場に入れなかったりと、普段と同じ感覚でドライブするのが難しくなります。
また運転席からの眺めに変化がないため、上に載せた荷物を忘れて高架下に侵入して、うっかり事故を起こしてしまうかもしれません。
普段よりも、車高が上がっていることを意識して運転する必要があります。
積載物が落下するリスクをともなう
屋根の上から、積載物が落下するリスクがあります。
基本的に荷物は落ちない仕組みになっていますが、ロックを締め忘れたり、落下防止用のネットが外れたりして、荷物が落下するかもしれません。
後続車や通行人にぶつかれば、大きな事故につながる可能性もあります。
出発前に入念にチェックするのはもちろんですが、荷物が落ちないよう安全運転を心がけることも大切です。
燃費が悪化する
燃費が悪化するのも、デメリットの一つです。
大きな荷物を載せたり、多くの荷物を載せたりすることで車体に負担がかかるため、どうしても燃費が下がってしまいます。
またルーフキャリアや荷物によって空気抵抗が生じることも、燃費の低下につながります。
このように、どうしても重さや空気抵抗によって、燃費が悪化してしまうのは覚えておきましょう。
ルーフキャリアの選び方5つのポイント

「ルーフキャリアを装着したい」と思っても、どのような点に気を付けるべきかわからない方が多いでしょう。
選び方のポイントを5つ紹介するので、ぜひチェックしてみてください。
愛車の屋根に合った取り付け方式を選ぶ
愛車の屋根に合わせて、取り付け方式を選びましょう。
ひと口にルーフキャリアといっても、以下のようにさまざまな方式があります。
・ルーフオンタイプ:ドア枠などを利用して、平らな屋根に取り付ける
・ルーフレールタイプ:屋根上にレールがある基本的なタイプ。屋根とレールの境に隙間がある
・レインガータータイプ:屋根の左右端に付いている雨どいに、引っかけて装着する
・ダイレクトルーフレール(フラッシュレール):屋根とレールに隙間がないタイプで、比較的車高が低くなる
・フィックスポイント:ネジ穴にベースキャリアを装着するタイプ。普段はカバーで隠れている
愛車の屋根によって、装着できる商品は異なります。対応していないベースキャリアは装着できないので、愛車が何に対応しているのか把握するのが大切です。
ベース部分のバーの形状や機能を確認する
基礎となる「ベースキャリア」のバーには種類があるため、形状や機能を確認して適したものを選びましょう。
例えば断面が流線形のバーは低く設置できるので、車高を下げたり空気抵抗を抑えたりできます。
断面が四角形のバーは、一般的に広く使われているので、価格が安くリーズナブルなのが特徴です。
バーにも注目してみると、より目的や用途に合った商品を選ぶことができます。
目的や用途に応じてアタッチメントを選択する
アタッチメントは数多くあるので、載せたい物やアウトドアの目的などに合わせて選択しましょう。
代表的なアタッチメントとして、以下のような種類が挙げられます。
- ・ルーフボックス:荷物を詰められるボックスで、密閉できるため雨でも濡れずに運べる
・ルーフラック:ネットやベルトで荷物を固定する。汎用的に使える
・サイクルキャリア:屋根の上に、自転車を立たせて運べる
・スキー・スノボキャリア:クリップのように挟むことで、複数のスキー・スノボを固定できる
・サーフボードキャリア:ベルトでボードを固定する
・カヤックキャリア:ロープでカヤックを固定する
ルーフボックスやルーフラックのように、幅広く使える多目的なアタッチメントもあれば、サイクルキャリアなどのように使用目的が限定的なものまであります。
キャンプやBBQなどを楽しむなら多目的なものを、アクティビティを楽しむなら限定的なものをといったように、用途や目的に応じて適したアタッチメントを選びましょう。
さまざまなアウトドアを楽しむのであれば、複数のアタッチメントを所持しておくのも一つの手です。
ベースキャリアとアタッチメントはメーカーをそろえる
ベースキャリアとアタッチメントは、同じメーカーでそろえるのがおすすめです。
どちらも複数のメーカーから、さまざまな商品が発売されていますが、異なるメーカーのものは、取り付けられなかったり、固定が甘かったりするかもしれません。
メーカー保証の対象外となってしまうのもネックです。
同じメーカーの商品同士であれば、マッチングテストが行われているため、安心して使用できます。
ベースキャリアとアタッチメントは、必ず同じメーカーの商品をセットで利用するようにしましょう。
着脱簡単なルーフキャリアバッグを考慮する
不要な際に取り外してしまいたい場合は、簡単に着脱できるルーフキャリアバッグという選択肢もあります。
ルーフキャリアバッグとは、防水・防風加工が施された布製バッグを車体に縛り付けるもので、簡易的なルーフキャリアです。
簡単に外して折りたためるので「普段使いする際は外したい」「アウトドアはたまにしか行かない」といった場合におすすめです。
ルーフキャリアの主要なメーカーと特徴
ルーフキャリアはさまざまなメーカーから発売されていますが、代表的なのは「イノー」「スーリー」「テルッツォ」の3社です。
それぞれ以下のような特徴があります。
- ・INNO(イノー):カー用品大手のカーメイトによる国産ブランドで、アタッチメントやオプションが豊富。国産車はもちろん主要な輸入車にも対応しており、リーズナブルな価格から利用しやすい
・Thule(スーリー):スウェーデンの世界最大級のキャリアメーカーで、サイズやデザインのバリエーションが豊富。海外メーカーのため未対応車種があったり高価だったりするものの、サイクルスポーツなどのアタッチメントが多様にそろっている
・TERZO(テルッツォ):日本のメーカーによるブランドで、軽自動車対応のものまで販売。さまざまな車種をカバーしているものの、ベースキャリアのサイズ規格が他とは異なる
各メーカーの特徴も加味して、あなたに合ったメーカーを選ぶのが大切です。
特に日本メーカーは日本語でコールセンターに問い合わせできるので、取り付けなどで困っても問い合わせやすいのが安心です。
価格やデザイン、機能性、愛車との相性などから、ぴったりなメーカーを選んでみてください。
ルーフキャリアの基礎(ベースキャリア)の取り付け方法

ルーフキャリアを使用する場合は、基本的にまず基礎となるベースキャリアを取り付けます。
カーショップなどで取り付けを依頼できますが、自分で付けることも可能です。
取り付け方を知っておけば、洗車時などに外すことも簡単なので、メンテナンスのためにも知っておくと安心です。
車の屋根の形状ごとに紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
ルーフオンタイプ
車の上にレールがない平らなタイプの場合、取り付ける部分がないため、専用の取り付けキットが必要です。
一般的に「ドア付近の車体を挟む」ようになっているため、説明書の指示に従えば迷わず組み立てられます。
ただし、そのまま付けてしまうと車体に傷が付く可能性があるので、養生して設置するようにしましょう。
また、なかにはフィックスポイントという取り付け場所が備わっている場合もあります。
普段はカバーで覆われているため気付きにくいのですが、ルーフオンタイプとは別の取り付けキットが必要になるため要注意です。
ルーフレールタイプ
車体の屋根の上に、レールのような棒状のパーツが付いている場合は、レールの太さに応じたベースキャリアを選ぶ必要があります。
説明書にしたがって組み立てたら、レールに載せて固定しましょう。ルーフレールはベースキャリアを取り付けるためのパーツなので、ルーフレールがある車種なら簡単にベースキャリアを設置可能です。車体や塗装を傷める心配もありません。
ルーフレールとよく似たダイレクトルーフレール(フラッシュレール)も、ほぼ同様の手順です。
ただしデザインのための「レールのようなもの」が取り付けられているケースもあります。
どのタイプのレールなのか不安な場合は、販売店に問い合わせるのがおすすめです。
レインガータータイプ
屋根の左右端にある雨どいに引っかけるタイプで、ミニバンやワンボックスなどに多く見られます。
レインガーター(雨どい)に引っかけて、両サイドからホールドするだけなので、取り付け・取り外しともに簡単に行えます。
車体が大きな車に付いていることが多いため、踏み台などがあると、作業しやすいでしょう。
ルーフキャリアを取り付ける際の注意点

ルーフキャリアを設置すれば愛車の利便性が高まり、アウトドアなど活動の幅が大きく広がります。
しかし利用するうえで注意しておくべきことがいくつかあります。特に後付けする場合は、今までと勝手が違うことを十分に把握しておかなければなりません。
押さえておきたい注意点を3つ紹介するので、事前に把握しておきましょう。
積載可能な重量を守る
ルーフキャリアには積載可能な重量が記載されているので、必ず守って使用してください。
特に重たい荷物を載せる場合や、細かい荷物をまとめて載せる場合は、重量オーバーしがちです。
安全を保障できるボーダーラインを超えて過積載になれば、路面からの衝撃を強く受けてパーツが変形したり破損したりするかもしれません。
荷物が落ちれば重大な事故につながるので、積載可能な重量は必ず確認しておきましょう。
ちなみに荷物を載せる際に、ぶつけたり落としたりして傷が付かないか心配な場合は、やわらかいものや軽いものをルーフキャリアに載せるなど、工夫するのがおすすめです。
高くなった車高に注意する
車高が普段より高くなっていることを意識して、頭上に注意して運転する必要があります。
高架下やトンネルなど、高さに制限がある場所では、荷物がぶつかってしまうかもしれません。
普段何気なく通行している場所でも、意外と通れなくなっている可能性があります。いつもの感覚で通ってぶつけてしまわないように、高さ制限の表示に注意しましょう。
荷物を積んだ状態で高さがどの程度あるのか、確認したうえで出発すると安心です。
また高さがあることで、車の重心が高くなっているのもポイントです。急カーブやハイスピード時のカーブなどは、いつも以上に車体が振られるようになります。
慌ててハンドルを切ってしまうと事故につながりやすいので、大きく振られることを前提にして、いつも以上に安全運転を意識するよう心がけてください。
車検に通るよう溶接やリベットなどで固定しない
ルーフキャリアは基本的に車検を通過できる装備ですが、溶接やリペットなどで固定すると、車検に通らなくなるので注意が必要です。
「簡単に取り外せる」状態であれば、取り付けたまま車検を通過できるので、無理に固定しないようにしましょう。
ルーフキャリアを設置してアウトドアを便利に楽しもう
ルーフキャリアを設置すれば、荷室に入りきらなかった荷物や、サーフボードのような荷室に入らない大きな荷物も、簡単に運搬することができます。
キャンプをはじめとしたアウトドアや、各種アクティビティが一層楽しみやすくなるでしょう。
アタッチメントによって持ち運べるものが異なるので、あなたのライフスタイルに合ったものを選んでください。
注意点を押さえて、パワーアップした愛車でアウトドアを便利に楽しみましょう。