パーツ取付・交換
更新日:2021.03.09 / 掲載日:2021.03.09
車のサスペンションを交換する理由は?交換するメリットやタイミング・各費用を解説!

車のサスペンションとは、路面からの衝撃を吸収する役割を持つ、バネのようなパーツです。タイヤのように消耗品というイメージがないため、あまり気にしていない方も多いと思いますが、使っていれば確実にへたってきます。長く乗っている車であれば、途中で交換の必要が出てくることもあるのです。
そこで今回は、サスペンションを交換する理由や交換した際のメリット、交換時期、交換費用などを解説します。
サスペンション交換が必要な理由

なぜ、サスペンションの交換が必要なのでしょうか?まずはサスペンションを交換する理由を確認しましょう。
へたりが生じると、乗り心地の悪化につながる
サスペンションの最大の役目は、路面から伝わる衝撃をやわらげ、乗り心地を安定させることです。
サスペンションに使用されているダンパー(ショックアブソーバー)には、オイルやガスが封入されています。ダンパーの役目は、コイルスプリングの伸び縮みを抑制することです。ダンパーは経年劣化するとオイルの粘度が低下するなど、コイルスプリングを抑制する働きが落ちるので「フワフワ」した乗り心地になってしまいます。
また、ダンパーだけでなくコイルスプリングそのものも、走行距離や経年での劣化を避けられません。へたりが出たコイルスプリングの場合、本来の性能が発揮されないので「ゴツゴツ」した乗り心地の悪い状態になります。
サスペンション、つまりダンパーとコイルスプリングは、走行距離や経年で確実に劣化していくパーツです。新品に交換することで、新車のフィーリングに近づけられます。
ダンパーのシールが傷むとオイル漏れを起こす可能性がある
先ほども触れましたが、ダンパーにはオイルやガスが封入されているため、漏れないようにゴム製のオイルシールが使用されています。もしオイルシールが劣化すると、「オイル漏れ」という症状を起こしてしまうことがあります。
ゴム部品は、延命処置が難しいパーツです。このような症状が起きた場合は、サスペンション(ダンパー)そのものを交換するのが確実といえます。
サスペンション交換が必要な時期・目安

サスペンションの適切な交換時期はどのくらいなのでしょうか?交換目安となる症状や耐用年数などを解説していきます。
サスペンションの劣化症状
以下のような異変を感じた場合は、サスペンションが劣化しているかもしれません。できるだけ速やかに、サスペンションの点検・交換を検討しましょう。
1.ギシギシ、ガタガタ、ゴトゴト、コンコンなど異音がする
2.ハンドルが振れてまっすぐ走らない
3.平らな道路でもボディが前後左右に揺さぶられている
4.タイヤが偏摩耗する
5.バンパーや下回りをぶつける機会が増えた
サスペンションの交換時期(耐用年数)
車の保管環境や走行距離、乗り方によって違いが生じますが、性能低下や劣化などでサスペンションを交換する時期の目安は、以下のとおりです。
・新車登録から10年が経過している。
・50,000~80,000キロメートル以上走行している。
サスペンションと一口にいっても、ダンパーやコイルスプリング、ブッシュ類など多くのパーツが組み合わされています。そのため、それぞれの交換時期には違いがあり、目安は以下のとおりです。
ダンパー
封入されたオイルがすぐに漏れ出すことは少ないですが、使用に問題なくても80,000キロメートル前後で早めにリフレッシュすると、乗り心地が目に見えて良くなるでしょう。
メンテナンスとして、定期点検の際に見た目でわかる損傷や、オイル漏れの確認をすることが推奨されています。
コイルスプリング
一般的にメーカーでは、100,000キロメートルを耐久性の限界としていることが多いです。100,000キロメートルを超えてくると、コイルスプリングの全長が縮んで車高が下がってきたり、走行環境によって破損(折れる)したりといった症状が出てくる可能性があります。
ゴムブッシュなどのゴムやボールジョイント類
サスペンションを構成している周囲のパーツには、ゴム製のブッシュやボールジョイントが多く使用されています。例えば、サスペンションを下から支えているロアアームの根本(支持点)のゴムブッシュなどです。
ゴムパーツ類などは、一般的に100,000キロメートルを目安に交換したほうが良いといわれています。
ただし、ゴム製品は使用環境などによっても劣化速度が変わるので、ヒビ割れなどが発生している場合は、走行距離や年数に関わらず交換がおすすめです。
効果ある?サスペンション交換のメリット3つ

サスペンションを交換する理由はお伝えしましたが、具体的にどのような効果があるのかと、疑問に思う方も多いでしょう。
ここでは、新品に交換することで得られるメリットについて解説します。
メリット
1.ハンドリングの向上
へたったサスペンションは、ダンパーがコイルスプリングの上下運動を抑制できなくなります。また、コイルスプリングがへたるとカーブで車の傾き(ロール)を抑えることができません。
例えば、曲がりたい方向にハンドルを切っても応答性が悪く、ハンドルを切る角度が大きくなるなどの現象が起きる恐れがあります。つまり、ハンドリングや走行安定性が悪化するということです。
劣化してしまったサスペンションをリフレッシュすることで、ハンドリング性能を向上させる(新車状態に戻す)効果があります。
2.乗り心地や騒音の改善
コイルスプリングがへたると、本来の伸び縮みができず振動をうまく吸収できません。また、スタビライザーリンクなどのボールジョイントのへたりは、異音の原因になります。
新品に交換することで、乗り心地や騒音・異音を改善できます。人は乗り心地が悪いと感じても、その環境に順応していくものです。問題ないと思っていても、新品にリフレッシュするとハッキリと乗り心地の改善が感じられるでしょう。
3.社外品なら車高の調整も可能
サスペンションを交換する際、純正の新品に交換するほか、社外品に交換する選択肢もあります。なかでも、車高調(車高調整式サスペンション)に交換することで、車高を好みに調整することが可能です。
ドレスアップ目的で、愛車を車高ダウンしたいと思っている方にとっては、大きなメリットでしょう。
サスペンションやブッシュ交換の工賃・費用の目安

サスペンションやブッシュ類を交換するとしたら、一体いくらくらいの費用が必要なのでしょうか。ここでは、サスペンションやその他不随するパーツの交換費用などを紹介します。
サスペンション交換にかかる費用
サスペンションの交換にかかる費用は、おおよそ100,000円~200,000円が相場となります。
※部品代のほか、交換費用とキャンバー調整費用などを含みます。
症状の程度や交換を必要とする部品、専門店の工賃などの違いによって料金が変わることがあるので、事前に確認することを推奨します。
サスペンション以外のパーツ費用など
サスペンション全体を交換する費用だけでなく、ダンパーやコイルスプリング単体、ブッシュ類などのゴムパーツの交換をしたときや、社外のサスペンションに交換したときの費用も気になるところです。
また、サスペンションなどを交換修理する際に、付随して交換されることの多いパーツの費用も紹介します。
ブッシュやスプリング交換の工賃・費用目安は?
車種などによっても違いがありますが、コイルスプリングが20,000円~30,000円程度、工賃は20,000円~30,000円が目安です。コイルスプリングのみを交換するとしても、一体になったサスペンションを、一度バラバラにする必要があるため工賃がかかります。
次に、ブッシュを交換する場合の費用です。ロアアームのブッシュ交換を例にすると、フロント・リアで部品代に工賃を含め、15,000円程度からが多くなります。
社外品のサスペンションに交換する場合の相場について
先ほど触れた車高調にする場合は、社外品を選択することになります。
この場合のパーツ費用は、100,000円~300,000円とメーカーによって大きな違いが生じます。交換工賃は、20,000円~30,000円前後が目安です。
サスペンション交換だけでなく、足回りの交換や補修・整備を行なった際にはアライメント調整が必要になります。上記の参考価格のほかに、10,000円前後の費用がかかることを考慮しておきましょう。また輸入車の場合は、部品代や工賃が一般的に割高になることが多いです。
サスペンションは重要保安部品にあたります。
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まとめ
サスペンションは、車の走行に重要な役目を担っているパーツです。そして、停車中でも走行中でも常に負担のかかるパーツでもあります。劣化によって乗り心地が悪くなる前に交換することで、愛車を新車に近い状態に保つことが可能です。
今回紹介した走行距離の節目を迎えるタイミングで、一度点検や交換を検討してみてはいかがでしょうか。