パーツ取付・交換
更新日:2021.01.01 / 掲載日:2021.01.01
車のマフラーの構造と役割とは

普段はなかなか自分の車の底面を見ることはあまりないと思いますが、そこで大きな存在感を発揮しているのがマフラーです。実はマフラーは、よく知られている消音機能のほかに、あまり知られていない大切な役割も担っています。そこで今回はあまり知られていない役割も含めて、マフラーの構造と役割について解説することにします。
マフラーとはどこについている部品?どんな構造なの?

マフラーを広義に解釈すると、エンジンから車の底面を通って後部へと伸びる排気系部品全体を指します。NA車(自然吸気車)の場合はエンジンに近い部分から、エキゾーストマニホールド、触媒、サイレンサーがあり、それぞれがエキゾーストパイプで接続されています。ターボ車の場合はエンジンに近い部分から、エキゾーストマニホールド、ターボチャージャー、フロントパイプ、触媒、サイレンサーがあり、やはりそれぞれがエキゾーストパイプで接続されています。サイレンサーは、ひとつではなくメインサイレンサーとサブサイレンサーなど複数ついている場合もあります。
マフラーはどんな役割や機能を担っているの?
マフラーの役割はまず、エンジンから排出される高温・高圧の排気ガスをそのまま外気に放出すると急激に膨張して大音量を発生するため、排気ガスの温度と圧力を下げて排気音を抑制することです。次に、エキゾーストパイプの径を変えたり、取り回しの変化などによって長さを調整することで排気効率を変え、エンジンのトルクや出力を決定する重要な役割を持っています。また、マフラーを広義に解釈した場合含まれる触媒は、排気ガスに含まれる有毒成分を化学反応によって無害化する大切な役割を果たしています。
マフラーがないとどんなリスクやデメリットがあるの?
マフラーがないと走行時、大音量の排気音が発生してしまいます。また、排気ガスは何の抵抗もなく排出されるため、高回転時のエンジンのフケは良くなりますが、低回転から中回転域では適正な吸排気が行われなくなり、安定した出力やトルクが得られなくなってしまい、ドライバビリティに大きく影響を及ぼします。また、触媒も取り外してしまうと、排気ガスに含まれた有毒成分をそのまま排出してしまうため、環境に悪影響を与えることになってしまいます。以上のようなことからマフラーがないと法令違反となり、公道を走ることはできません。当然、車検も通らなくなってしまいます。
普段マフラーを意識して車を運転することはあまりありませんが、考えている以上に重要な役割を担っていることがおわかりいただけたでしょうか。もし、エンジンの排気効率に不満を感じているとしたら、マフラーを交換すると改善される可能性があります。その際は、専門家の意見をよく聞いて判断するようにしましょう。