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更新日:2021.01.01 / 掲載日:2021.01.01
エコタイヤと低燃費タイヤの構造・効果の違いとエコタイヤと呼ばれる理由や仕組みとは

最近、タイヤ販売店に行くと、エコタイヤという表示が目立つようになってきました。一方、エコタイヤとは別に低燃費タイヤという表示も目につきます。このエコタイヤと低燃費タイヤはどのように違い、どのような特徴を持ったタイヤなのでしょうか。
低燃費タイヤと呼ばれるための条件とは?エコタイヤって何が違うの?

低燃費タイヤとは、一般社団法人日本自動車タイヤ協会(JATMA)が制定したグレーディングシステム(等級制度)で転がり抵抗性能とウエットグリップ性能が基準を満たしているタイヤのことを言います。グレーディングシステムは、転がり抵抗性能(低燃費性)とウエットグリップ性能(安全性)について評価するシステムで、転がり抵抗性能は「AAA」「AA」「A」「B」「C」の5段階、ウエットグリップ性能は「a」「b」「c」「d」の4段階で評価します。低燃費タイヤとして認定されるためには転がり抵抗性能は「AAA」「AA」「A」の上位3段階のいずれかでなければなりません。ウエットグリップ性能は「a」「b」「c」「d」の4段階に入っていれば基準内と認められます。グレーディングシステムによって低燃費タイヤとして認められると、2010年に業界自主基準としてJATMAが制定したラベリング制度を使って、低燃費タイヤとしての性能を表示することができます。一般的には、低燃費タイヤ、エコタイヤ、どちらも低燃費性能を備えたタイヤであり、その呼び方や違いもあまり意識されていないことが多いかもしれません。しかし、JATMAが制定した低燃費タイヤのラベルが表示されたタイヤは、一定の基準を満たしたエコタイヤであるということを理解しておきましょう。
エコタイヤってどんな仕組みになってるのか
タイヤは路面との間に発生する摩擦を活かして、車を走らせたり、曲げたり、止めたりしています。その点では摩擦は非常に重要な役割を果たしていますが、一方で走行抵抗の一つである転がり抵抗となって、燃費を悪化させる要因ともなっています。そこでエコタイヤは、タイヤの主要素材であるゴムの技術開発や構造的な工夫などによって、燃費性能に大きく関わる転がり抵抗を低減させることによって低燃費を実現しているのです。また、もう一つの評価基準としてウエットグリップ性能が設けられているのは、転がり抵抗の低減だけを推し進めていくと、路面をグリップする力が減少し、安全性を損なうことになるためです。特に濡れた路面では、さらにグリップ力の低下が著しくなるため、低燃費タイヤには転がり抵抗と相反するウエットグリップ性能の基準が設けられているのです。
エコタイヤで得られる効果にはどのようなものがあるの?
実際にエコタイヤは、どの程度低燃費に効果を発揮するのでしょうか。タイヤのカタログ等を見ると「従来品比較では35%もの転がり抵抗低減」などと表記されていたりしますが、JATMAが示しているデータでは、タイヤの転がり抵抗を20%減らすと、燃費は約2%向上するとされています(タイヤの燃費への寄与率10%の場合)。
低燃費タイヤはラベリング制度によって、ウエットグリップ性能をきちんと測定して4段階で評価することになっていますから、安全性に関してもより信頼が高まったということができます。最近では非常に多くの銘柄のタイヤが低燃費タイヤとして認定されています。そのため、同じ低燃費タイヤでも、さまざまな特徴を持ったタイヤがラインナップされています。乗っている車や運転の仕方、よく走るコースなどを考慮して、自分に合ったエコタイヤを選択することが大切です。