パーツ取付・交換
更新日:2021.01.01 / 掲載日:2021.01.01
夏タイヤ(サマータイヤ)の寿命(耐久性)や燃費性能などはスタッドレスタイヤ(冬タイヤ)と比

夏タイヤとスタッドレスタイヤを比較した場合、雪道や凍結路面の走破性能はスタッドレスタイヤが優れているのは当然ですが、そのほかの性能はどうなのでしょうか。降雪地帯では、夏もスタッドレスタイヤを使い続けている人がいるようですが、それは正しい選択なのでしょうか。そこで今回は、夏タイヤとスタッドレスタイヤの寿命や燃費性能を比較してみました。
夏タイヤの特徴について

夏タイヤとは、一般的にスタッドレスなどの冬タイヤを除くすべてのタイヤのことを言います。最近では、多少の雪道なら走行することができるオールシーズンタイヤが普及してきていますが、その位置付けを夏・冬どちらにするかは、いまのところあまり明確になっていません。雪道や凍結路面以外の走行を想定したタイヤが夏タイヤと位置付けられています。
夏タイヤの耐久性は高いのか
夏タイヤは、スタッドレスタイヤと比較して、概ね耐久性は高いと言えるでしょう。理由としては、一部の環境を除いて1年を通して使用する夏タイヤは、トレッド面のゴムの硬さなど、耐摩耗性を念頭に耐久性を考慮した設計になっているからです。もちろん、スタッドレスも耐久性は考慮してはいますが、まず優先しているのは雪道や凍結路での走破性だからです。
夏タイヤの寿命はどのくらい?
夏タイヤの寿命は、一般的に5年、5万キロと言われています。しかし、タイヤの寿命は使い方などで大きく変化します。そこで、より確実な目安として重要な点を3点挙げます。
スリップサインの確認
タイヤには必ず磨耗の具合を確認するスリップサインがついています。タイヤの側面に矢印がついていて、その矢印に沿ってトレッド面の溝を見ると、溝が少し浅くなっている部分があります。それがスリップサインです。そのスリップサインが磨耗によって露出した場合は、タイヤを交換する必要があります。スリップサインは残り溝が1.6mmで露出するようになっています。残り溝1.6mmは法令上(道路運送車両保安基準)で決められた最低ラインなので、スリップサインが出たらタイヤを交換する必要があります。
ひび割れや傷などの確認
走行中に縁石にタイヤをぶつけたり、こすったりしてタイヤが傷ついた場合や、長い間車に乗らずに放置していてタイヤがひび割れたりした場合は、専門家に点検してもらうことをおすすめします。点検の結果、空気漏れやバーストの恐れがある等の理由で、早急に交換をした方がよい場合もあります。
製造年月日が古い場合
ほとんどのタイヤには、側面に製造年月日が表示されています。その製造年月日が5年以上前の場合は、専門家に点検してもらうことをおすすめします。
適切に管理されていれば、5年程度ならそのまま使用できることもあります。10年以上経過している場合は、ほとんどの場合、タイヤの硬化やひび割れなど、かなり劣化が進んでいる可能性が高いため、交換を検討するタイミングと言えるでしょう。
燃費性能などはスタッドレスタイヤ(冬タイヤ)と比べて優れているのか
夏タイヤの燃費性能をスタッドレスタイヤと比較した場合は、夏タイヤの方が一般的に優れていると言えるでしょう(スポーツタイヤなど一部の夏タイヤは除きます)。理由は二つあります。まず、スタッドレスタイヤは雪道や凍結路面を想定して製造されているため、トレッド面が柔らかくできています。そのため、転がり抵抗が大きくなり燃費が悪化する傾向にあります。また、ゴム素材や構造上の問題で、どうしても夏タイヤより重くなってしまうため、その点でも燃費に悪影響を与えています。以上の点から燃費性能では、夏タイヤの方が有利と言えるでしょう。夏タイヤとスタッドレスタイヤを比較すると、雪道や凍結路面の走破性能以外は、夏タイヤの方がバランスよく優れているようです。したがって、スタッドレスタイヤは、やはり冬だけ使用して、雪のない時期は夏タイヤの使用をおすすめします。