パーツ取付・交換
更新日:2021.01.01 / 掲載日:2021.01.01
ホイールのオフセットの見方と計算方法

車をドレスアップしたいと考えた時、まず初めに頭に浮かぶのが、ホイールの交換ではないでしょうか。ホイールのリム径とリム幅が、現在使用しているホイールと同じであることを確認し、タイヤを組んでホイールを装着してみると、どうもタイヤが以前より少しだけ引っ込んで見える。そんな事態が時々起こります。これはホイールのオフセット(インセット)を確認しなかったことが原因です。今回は、ホイールのオフセット(インセット)の見方と計算方法について見ていきましょう。
ホイールのオフセット(インセット)とは?

アルミホイールのタイヤ装着面の幅をリム幅(このリム幅によってタイヤの太さが決まります)と言いますが、アルミホイールを車の車軸に取付ける際、車種によって、車軸がホイールの奥まで入り込んだり、手前まで出っ張ってきたりします(いまの日本車はほとんど、中心より奥へ車軸が入り込む設計になっています)。その入り込み具合をリム幅の中心から車軸取付面までの距離で示した数値がオフセット(インセット)です。なお、オフセットという名称は現在は改称され、オフセットが+の場合をインセット、±0の場合をゼロセット、-の場合をアウトセットといい、一般的にはインセットが一般的となるため、以降の表記はインセットで統一します。たとえば、インセットが+45なら、取付面は45mmリム幅の中心より奥へ入り込んでいることになります。
ホイールのインセットの計算方法
実際に、リム幅が8J、インセットが+45のホイールを、リム幅が8.5J、インセットが+42のホイールに変更したいと考えたとします。その際、ホイールと車体の関係がどうなるかは、簡単に計算することができます。まず現状の数値を計算します。リム幅はインチ、インセットがミリメートルで表示されているので、リム幅をミリメートルに置き換えます(1インチ=25.4mm)。
8×25.4=203.2mm(現状のリム幅)
現状のリム幅の中心は、
203.2÷2=101.6mm(現状のリム幅の中心)
インセットが+45mmということは、中心より45mm奥へ取付面(車軸)がホイールに入り込んでいます。
取付面からホイールの最も外側までの距離は、
101.6-45=56.6mm
取付面からホイールの最も内側までの距離は、
101.6+45=146.6mm
ということになります。
次に交換したいと思っているホイールの数値を同じように計算します。
8.5×25.4=215.9mm(新ホイールのリム幅)
新ホイールのリム幅の中心は、
215.9÷2=107.95(新ホイールのリム幅の中心)
インセットが+42mmということは、中心より42mm奥へ取付面(車軸)がホイールに入り込むことになります。
取付面からホイールの最も外側までの距離は、
107.95-42=65.95mm
取付面からホイールの最も内側までの距離は、
107.95+42=149.95mm
これで現状のホイールと新ホイールの数値が出ました。
この数値を使ってホイールを交換するとどうなるかを計算します。
外側には、
65.95-56.6=9.35mm
ホイールは、いまより9.35mm外側に出ることになります。
内側には、
149.95-146.6=3.35mm
ホイールは、いまより3.35mm内側に入ることになります。
このように、ホイールのリム幅とインセットの数値がわかっていれば、ホイールを交換した時にどうなるか、ある程度把握することができます。ただし、あくまでもこれは机上の計算に過ぎません。フェンダーとの隙間やブレーキローター、サスペンションとの間隔など車種により個別に異なるため、最終的には整備工場などで実際に装着して試したり、専門家の意見を求めたりしてから交換することをおすすめします。