パーツ取付・交換
更新日:2021.03.22 / 掲載日:2021.01.01
冬タイヤ(スタッドレス)のメリット・デメリットについて

降雪時の走行や凍結路面に対して安全性能を発揮する冬タイヤですが、本当に降雪路や凍結路において万能な性能を誇るのでしょうか。冬タイヤの特性を深く知ることで、さまざまな状況下でより安全運転をすることができます。そこで今回は、冬タイヤのメリットとデメリットを解説します。
冬タイヤの特徴は?

現在は冬タイヤ=スタッドレスタイヤとして考えて差し支えありません。ここではスタッドレスタイヤの特徴について解説します。
「スタッドレスタイヤ」=「スタッドが無いタイヤ」の意味
かつてはタイヤのトレッド面に金属製の鋲を配したスパイクタイヤというものが主流でしたが、路面を走行することで削られたアスファルトが粉塵化し、公害問題となったことで1990年に規制されました。その後主流となるスタッドレスタイヤとは、「スタッド=鋲(びょう)」が「レス=無い」タイヤという意味で名付けられました。
柔らかいゴム質
夏タイヤとの一番の相違点は「ゴムの質(コンパウンド)」にあります。スタッドレスタイヤのゴムは非常に柔らかく、低温でも硬化せず接地面積を維持しグリップ力を高めています。
深いタイヤ溝とサイプ
スタッドレスタイヤに刻まれている溝は、夏タイヤと比べるとはるかに深いものとなっています。またブロック部分にサイプという細かい溝があり、薄い水膜を吸い上げる効果があります。コーナリングやブレーキング時にブロックをしなやかに変形させ、路面への密着度を上げることで凍った路面に対しても高いグリップ力を発揮します。
冬タイヤのメリットは?
圧倒的な凍結路面走行性能
柔らかなコンパウンド、深い溝、ブロック部分のサイプなど夏タイヤには無い特徴的な構造によって、低温の雪道・凍結路面・シャーベット状路面でも、しっかりとグリップ性能を発揮します。夏タイヤではスタックして動けないような降雪や凍結路でも優れた走行性能・走破性能を発揮します。
冬道でも安定したブレーキ制動
スタッドレスタイヤは凍結路面での安定した走行だけではなく、ブレーキング制動時に大きな効果を発揮してくれます。夏タイヤではスリップしてしまうような場面でも、しっかり路面をグリップし確実な制動力が安全性を高めます。
冬タイヤのデメリットは?
乗り心地(揺れが大きい)
冬タイヤはトレッド面の路面に対する密着度を高めるために、タイヤのサイドウォール部分が夏タイヤと比較して、しなやかに作られています。そのため、カーブや路面の凸凹に対して揺れを感じやすい傾向にあります。
燃費性能
タイヤトレッド面のコンパウンドが柔らかいため、路面への転がり抵抗が増し、燃費性能の面で若干不利になる傾向があります。
ただし、タイヤメーカーは日々独自の開発・改良を進めており、夏タイヤと比較しても変わらない性能を謳っている冬タイヤも多く見受けられるようになりました。冬タイヤを履いているから安心ということではなく、冬タイヤのメリット、デメリットを理解した上で、状況に応じて十分に注意して安全運転を心がけるようにしてください。特に雨の日の高速道路では、タイヤの種類に限らずハイドロプレーニング現象を発生しやすくとても危険です。自分の走行パターンや住環境、車種や目的に応じた冬タイヤ(スタッドレスタイヤ)を選択し、安全で楽しいウィンターシーズンをお過ごしください。数多くの冬タイヤが店頭に並び始める9月末頃に、専門店等に足を運び、最新のタイヤ情報や車にあったタイヤ選びを相談してみてはいかがでしょうか。