パーツ取付・交換
更新日:2018.08.29 / 掲載日:2018.08.29
タイヤの扁平率を変更して下げるには
タイヤの「扁平率」は、“車は乗れればいい”という考えの方は、あまり意識したことがないかもしれません。しかし、車を所有している方ならば、絶対に知っておいたほうがいいのがタイヤの扁平率です。というのも、扁平率は車の見た目にも大きく影響しますが、タイヤの『寿命』にも大きく関わるからです。ここでは、タイヤの扁平率について詳しく説明していきます。
タイヤの扁平率(へんぺいりつ)とは

タイヤの扁平率は、簡単に言うとタイヤの厚みのことです。扁平率の計算式は、「扁平率=(タイヤの高さ/タイヤの幅)×100%」となります。扁平率が高いとタイヤの厚みがあり、扁平率が低いとタイヤの厚みが薄いということになります。昔のタイヤの扁平率は、70%~80%程度だったのですが、タイヤのゴムの性能も上がり、現在では30%~35%の低扁平タイヤも登場しています。しかし、扁平率の低いタイヤは値段が高くなる傾向にあり、タイヤ交換時のコストも嵩みます。
外観の良さや人気だからという理由でタイヤを変更してしまう前に、タイヤの扁平率を下げることの影響をよく認識してから選択するようにしましょう。
一般的なタイヤの扁平率の下げ方
タイヤの外径(外側の大きさ)を変えずに、ホイールの径(インチ)を大きくして扁平率の低い(幅の薄い)タイヤにします。これを「タイヤの扁平化」やホイールの「インチアップ」などと言ったりします。その際に使用するタイヤは、インチアップ用の扁平率タイヤです。ホイールのインチを上げると、今までのタイヤはインチサイズが変わるので装着できなくなるからです。また、タイヤの外径を変えてしまうと、車の車高が高くなったり低くなったりしてしまい、走行性能に影響をきたしたり、また車検に通らなくなる場合もあります。。そのため、大前提として「タイヤの外径を変えない」ことが重要なのです。
タイヤの扁平率を下げる際の注意点(変更しても法的、車の構造に問題はないのか)
車は4本のタイヤで重さを支えていますが、正確にはタイヤに入っている「空気」が車の重さを支えています。扁平率を下げると当然タイヤの中の空気も減るわけですから、タイヤの『荷重指数(タイヤが支えられる重さ)』が重要になります。タイヤのロードインデックス値(負荷能力)を見て適正になるよう気を付ける必要がありますし、規格の違うタイヤは空気圧が違うことがあるので確認が必要です。また、太いタイヤを履いてタイヤが車体からはみ出すと、法律違反となり車検に通りません。車に装備されているスピードメーターや走行距離のメーターは、タイヤの円周で計算されています。そのため、タイヤの円周が変わるようなインチアップをしてしまうと、車の計器に表示されるスピードや距離に誤差が生じてしまいます。愛車のホイールのインチアップを検討する際は適正なサイスについてよく調べておかないと、車検に通らなくなってしまう場合もあるので注意が必要です。
タイヤの扁平率を下げる場合のメリット・デメリット
では、タイヤの扁平率を下げると、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?
メリット
1.見た目がスタイリッシュ
ホイールをインチアップしてタイヤの扁平率を下げると、車の見た目がスタイリッシュでかっこよくなります。ノーマルで乗るより、ドレスアップした車に乗ると気持ちも上がりますし、周囲に対してちょっとした優越感を得ることができます。
2.加速・減速が良くなる
タイヤの性能が同じであれば、路面へのグリップ力が上がり、運転動作がタイヤに効果的に伝わるので加速や減速性能が良くなります。
3.コーナリングが安定する
こちらもタイヤの性能が同じならば、カーブの際にタイヤの変形が少なくなり走行が安定するので、カーブでの車体の揺れや遠心力で外に振られることが少なくなり、カーブでの走行が安定します。
デメリット
1.乗り心地が悪くなる
扁平率が下がるとタイヤが含有する空気の体積が減ります。すると、走行時の衝撃が乗車している人に伝わりやすくなるため、乗り心地が悪くなります。
2.走行時の音が大きくなる
路面とタイヤとの設置面積が大きくなることで、タイヤの空気も少なくなり音を吸収しにくくなります。そのため、車内に伝わる走行音が大きくなってしまいます。
タイヤの扁平率を変更するには、タイヤやホイールの脱着の必要があります。また、タイヤやホイールを選ぶ際にも、その選び方次第では走行性能や安全性を低下させてしまう恐れや、法令から逸脱してしまう恐れもあります。タイヤの専門家や整備のプロとよく相談をしながら、整備をお願いするようにしましょう。