パーツ取付・交換
更新日:2018.08.29 / 掲載日:2018.08.29
ショックアブソーバーの抜けは修理出来るのか?
自動車の挙動を安定させる為のショックアブソーバー。ショックが「抜けて」しまうとフワフワした乗り心地になってしまったり、ボディにもダイレクトに振動が伝わるため、車体にも悪影響を及ぼします。では、この「抜け」は修理できるものなのでしょうか?
ショックアブソーバーの役割について

そもそもショックアブソーバーとは、建物や車において「振動を減衰させる」ために装着されているパーツです。単体で装着する事もありますが、自動車においては通常スプリングと併せて装着されます。路面からの衝撃がダイレクトに伝わらないよう、スプリングによって吸収しますが、スプリングだけだと衝撃吸収時の上下の振動がなかなか収束しません。ずっと上下に揺れている感じです。その状態でさらに衝撃を受けると、タイミングによっては振動が増幅され大変危険です。
この上下運動に抵抗を与え、振動を減衰させるのがショックアブソーバーです。別名ダンパーとも言われます。このスプリングとショックアブソーバー、さらにサスペンションアームを含めたものを総称して「サスペンション」といいます。
自動車に装着されているショックアブソーバー
自動車に装着されているショックアブソーバーは、そのほとんどが「オイルショックアブソーバー」ですが、原理を考えると単純なものです。例えば、先の穴が小さい注射器は、ピストンを速く動かそうとしてもなかなか動きません。穴が大きくなればなるほど抵抗が小さくなり、ピストンが動きやすくなります。ショックアブソーバーの構造は、この注射器をオイルの中で動かすようなものです。オイルの量・粘度、穴(バルブ)の大きさを変える事で、抵抗も変わり、減衰力を調整しています。
ショックアブソーバーの「抜け」とは
ショックアブソーバーの不具合にはいくつか種類があります。作動時に内部の圧力がかなり高くなる為、損傷が生じオイルが漏れてしまい機能しなくなってしまう事もあります。基本的に「ショックが抜ける」状態とは、「オイルが劣化して減衰力が著しく低下している状態」を指します。当然のことながら、非常に圧力の高い状態でバルブを通過する際、オイルの成分は少しずつ破壊されていきますので、徐々に劣化して振動が収まりにくくなってきます。
ショックアブソーバーの抜けは修理可能か?
社外品のショックアブソーバーは、ドレンが付いていてオイル交換できるものもありますが、純正品はドレン部分が溶接されていて簡単にはオイル交換ができないものがほとんどです。ドリルで穴を空けてオイル交換する事も可能ですが、穴空け位置を失敗すると内部の機構が破損し、使い物にならなくなる可能性があります。また、復元する際はオイルが漏れないような処置が必要ですが、内部は常に高圧状態になりますので大変難しい作業になります。社外品なら内部のピストンなどが破損していない限りオイルの交換で対処できます。純正品は修理できない事もないですが、内部構造などを熟知していないと難しいでしょう。そして、社外・純正共に内部の圧力を一定に調整する必要もあります。専門知識が必要となり安全に関わる重要な部分ですので、ショックアブソーバーの修理はプロに依頼することをおすすめします。