パーツ取付・交換
更新日:2024.05.10 / 掲載日:2024.04.22
アイドリングストップ車のバッテリー交換|バッテリーの選び方とおすすめ4選

アイドリングストップ車は、一般的なガソリン車やハイブリッド車より大きな負担をバッテリーに与えているため、バッテリー交換のスパンが短くなります。
劣化したバッテリーを使い続けることは、エンジントラブルにつながるため、適切なタイミングで交換する必要があります。
この記事では、バッテリー交換のタイミングとバッテリーの選び方、おすすめ4選を解説していますのでぜひご覧ください。
1. アイドリングストップ車のバッテリーを交換するタイミング
バッテリーが劣化すると、エンジンの始動に時間がかかる場合があります。そのため、始動が遅くなったときがバッテリー交換のタイミングとされていますが、車のメンテナンスに慣れていない方には判断が難しいかもしれません。
そこで、エンジンのかかり具合以外の交換タイミングをご紹介します。
(1) アイドリングストップしなくなった場合
信号待ちなどでアイドリングストップしなくなった場合、バッテリーの寿命が近づいている可能性があります。
アイドリングストップ車は、バッテリーの状態を常に監視しており、バッテリーが劣化していると判断したらアイドリングストップ機能を停止します。
これは、信号待ちなどでアイドリングストップしたあとに、エンジンが再始動できずに立ち往生する(動けなくなる)のを防ぐためです。
ただし、単にバッテリーの充電が不足している場合や、空調の稼働を優先している場合もアイドリングストップしないこともあります。
また、オイル類や冷却水の温度が低すぎるときもアイドリングストップしないことがあります。とくに冬場はこの条件に当てはまりやすくなります。
そのため、長時間の走行後や車内温度が適温になってから、アイドリングストップするか確認しましょう。
(2) 使い始めてから2〜3年経過している場合
アイドリングストップ車のバッテリーの寿命は、使い始めてから2〜3年です。
バッテリーは消耗品であり、使用年数が長くなると劣化し、性能が低下するため、2〜3年程度に1回は交換する必要があります。
なお、アイドリングストップ車のバッテリーの寿命は、一般的なガソリン車やハイブリッド車のバッテリーより短くなっています。
アイドリングストップ車はエンジンの停止と再始動を頻繁に繰り返すのに加えて、エンジン停止中に電力供給しているため、バッテリーに大きな負担を与えているのが原因です。
バッテリーのメーカー保証期間も、ガソリン車やハイブリッド車より短い傾向があります。
(3) 電圧量の低下や電解液が不足している場合
バッテリーの電圧や電解液から、バッテリー交換が必要かどうかを判断できます。
車を走行するには12.5〜13Vの電圧が必要になるため、12.5Vを下回っている場合はバッテリー交換が必要です。また、電解液が規定量を下回っている場合もバッテリーが劣化していると判断できます。
ただし、定期的に電圧や電解液を確認するのは手間がかかるため、基本的にはアイドリングストップの状態や使用年数で判断するのがベターです。もし、電圧量や電解液の確認方法をくわしく知りたい場合は、カーディーラーやカー用品店などの専門業者に確認しましょう。
このほかにも、パワーウィンドウの開閉が遅くなる、ヘッドライトが暗くなるなど電装品の不具合が生じるとされています。
2. アイドリングストップ車専用バッテリーの選び方

車のバッテリーは、以下のように使用する車によって異なるため、車の種類にあったバッテリーを搭載する必要があります。
・通常車・充電制御車用
・ハイブリッド車補機用
・アイドリングストップ車用
アイドリングストップ車のバッテリーは、一般的なガソリン車やハイブリッド車のバッテリーよりも大きな負担がかかるため、充電受入性と耐久性の高い仕様になっています。
アイドリングストップ車専用のバッテリー以外を搭載した場合、アイドリングストップしない、バッテリーの寿命が短くなるといったトラブルにつながります。
それでは、アイドリングストップ車専用バッテリーの選び方をご紹介します。
(1) バッテリーの形式
車によって、適切なバッテリーのサイズと性能、端子の位置が異なります。そのため、バッテリーを購入する際はバッテリーの形式を確認し、搭載する車に適した商品を選ぶ必要があります。
アイドリングストップ車用の形式は、「N-65R」といった形で表記され、この形式をもとにバッテリーのサイズと性能、端子の位置を確認します。形式の見方は以下のとおりです。
形式の部分 | N-65Rの場合 | 意味 | 補足 |
---|---|---|---|
最初のアルファベット | N | バッテリーのサイズ | アルファベットごとに数字が決まっている |
数字2桁 | 65 | バッテリーの総合性能 | 50未満は2刻み(例:36、38、40……) 50以上は5刻み(例:50、55、60……) |
最後のアルファベット | R | 端子の位置 | 「N-65」のように最後のアルファベットがない場合は「L」になる |
①最初のアルファベット
形式の最初のアルファベットは、バッテリーのサイズを示しています。このアルファベットは、電池工業会規格(SBA規格)が定めており、アルファベットごとに対応するJIS規格があります。
アルファベット | 対応するJIS規格 | 幅 | 箱高さ | 長さ |
---|---|---|---|---|
J | B17 | 129(127)mm | 203mm | 17cm |
K | B19 | 129(127)mm | 203mm | 19cm |
M | B20 | 129(127)mm | 203mm | 20cm |
N | B24 | 129(127)mm | 203mm | 24cm |
P | D20 | 173mm | 204mm | 20cm |
Q | D23 | 173mm | 204mm | 23cm |
S | D26 | 173mm | 204mm | 26cm |
T | D31 | 173mm | 204mm | 31cm |
U | E41 | 176mm | 213mm | 41cm |
V | F51 | 182mm | 213mm | 51cm |
W | G51 | 222mm | 213mm | 51cm |
X | H52 | 278mm | 220mm | 52cm |
②数字2桁
数字2桁は、バッテリーの始動性能や容量などの総合性能を示しています。数字が高くなるほど高性能なバッテリーです。
車のバッテリーは、エンジンが稼働している間に充電されます。一方で、蓄えられた電気は時間の経過とともに減少します(自己放電)。
そのため、一回の走行距離が短い人や週末しか運転しない人は、高性能(充電受入性が高い)なバッテリーを選ぶことで、バッテリーが上がりにくくなります。また、多くの電装品を搭載している車も、高性能なバッテリーが適しているでしょう。
③最後のアルファベット
最後のアルファベットは、端子の位置を示しています。
バッテリーの短側面とプラス端子(赤の方)を自分側に向けて置き、真上から見たときに、端子が左側にあるとLタイプ、右側にあるとRタイプになります。

なお、「N-65」のように最後のアルファベットがない形式の場合は、Lタイプです。
(2) バッテリーの形式以外の選び方
バッテリーを選ぶ際は、形式をもとに車に適したサイズにすることも重要ですが、「メーカー」「価格」「保証期間」といったポイントもおさえておくとよいでしょう。
これら3つのポイントについては、下記の記事でくわしく解説しています。
3. おすすめのアイドリングストップ車用バッテリー4選
メーカー純正のバッテリーは、メーカーが車種に合わせて開発しているため、パフォーマンスと互換性を期待できます。そのため、基本的にはメーカー純正のバッテリーを選ぶとよいでしょう。
さらにバッテリーの品質や性能を向上させたい人は、以下3つのバッテリーをおすすめします。商品を購入する際は、愛車にあった形式を選びましょう。
(1) GSユアサ|ECO.R Revolutionシリーズ

最新の車両制御に対応し、エコカー本来の車両性能を引き出してくれるバッテリー。短時間で充電でき、短距離運転にも対応しています。アイドリングストップ車以外の車にも搭載可能です。
・「ECO.R Revolutionシリーズ」の公式販売ページ
(2) Panasonic|CAOSシリーズ

電力不足になりにくい独自コーティング技術を採用。充電電気量の増加と急速充電の開発によって、アイドリングストップ寿命が約1.5倍に向上しています。
・「CAOSシリーズ」の公式ページ
・「CAOSシリーズ」の公式販売ページ(Amazon)
(3) FURUKAWA BATTERY|ECHNOシリーズ

バッテリーの寿命が長く、交換頻度や費用を抑えられます。さらに、補償期間が長いのが特徴。大容量、かつ急速充電によって、短距離運転が多い人でも安心して利用できます。
(4) BOSCH|ハイテックプレミアム

乗る頻度が少ない、短距離運転が多い場合でもバッテリー上がりしないように、電気を多く貯められる大容量バッテリー。高耐久性と長寿命化を実現し、手間のかかるメンテナンスも不要です。
・「ハイテックプレミアム」の公式ページ
・「ハイテックプレミアム」の公式販売ページ(Amazon)
4. アイドリングストップ車のバッテリー交換方法

アイドリングストップ車のバッテリー交換方法をご紹介します。
(1) 自分で交換する際の手順
アイドリングストップ車のバッテリーを交換する方法は、一般的なガソリン車やハイブリッド車と基本的には同じになります。
なお、バッテリー交換する際は、車に保存されている各種データ(電子機器やシステムのデータなど)がリセットされないように、バックアップすることをおすすめします。バックアップしなければ、これらのデータを失うことになります。
バッテリー交換とバックアップの大まかな手順は以下のとおりです。
1.エンジンを停止し、バッテリーの搭載位置を確認する
2.メモリーバックアップを接続する
3.古いバッテリーを取り外す
4.新しいバッテリーを取り付ける
5.メモリーバックアップを取り外す
6.リセット作業する
7.取り外したバッテリーを処分する
下記の記事で、バッテリー交換の方法とバックアップについて解説しています。
なお、アイドリングストップ車は、バッテリー交換後にリセット作業が必要になるケースがあります。リセット作業の必要性と方法はメーカーや車種によって異なるため、事前にディーラーやバッテリーを購入したカー用品店に確認しておくとよいでしょう。
(2) 自分でバッテリー交換する際の注意点
バッテリー交換の方法を誤ってしまうと、電流がショートし、エンジンに損傷を与える恐れがあります。最悪の場合は作業者が感電するかもしれません。
そのため、自分でバッテリー交換する際は、以下の2つに注意しましょう。
1.端子を繋ぐ順番を間違えない
2.プラス端子とマイナス端子を接触させない
くわしくは、こちらの記事で解説していますのでご覧ください。
5. アイドリングストップ車のバッテリー交換を業者に依頼する場合
バッテリー交換を業者に依頼する際の費用は、10,000〜25,000円(バッテリー本体代金+工賃)が相場になります。ただし、新しいバッテリーの価格や依頼する業者によっても異なります。
なお、依頼する業者を選ぶ際は、無理に安い業者を選ぶのではなく、信頼が高く、豊富な実績を持っていることが重要です。業者のWebサイトやレビューサイトなどを参考に、安心して依頼できる業者を選びましょう。
下記の記事でも、業者に依頼する際の費用や作業時間について解説しています。
6.バッテリー交換に関することはグーネットピットにお任せください
バッテリー交換は一見簡単そうに見えますが、準備する道具や手順が多く、専門知識や技術を持たずに交換すると、思わぬトラブルにつながります。
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