パーツ取付・交換
更新日:2024.06.06 / 掲載日:2024.04.30
スパークプラグメーカー5社の特徴|おすすめ商品や選び方を紹介!

スパークプラグは、自動車のエンジン性能に大きな影響を与える重要な部品です。しかし、スパークプラグを取り扱うメーカーや商品が多いため、どれがよいのか迷う人も多いでしょう。
スパークプラグについての基本知識から、おすすめのスパークプラグメーカー5社とその特徴をご紹介します。選び方や交換方法も解説していますので、最後までご覧いただけたら幸いです。
1. スパークプラグとは
(1) スパークプラグの役割
スパークプラグとは、自動車のエンジン性能に大きな影響を与える重要な部品です。

エンジンのシリンダー内で作られた混合気(燃料と空気が混ざったもの)に、電極間で発生する火花を点火させることで爆発が起こり、エンジンが稼働します。
具体的には、爆発がエンジン内のピストンの上下運動を促し、この上下運動がクランクシャフトによって回転力に変わります。ドライブトレイン(回転力の方向を変えるパーツ)が回転力をタイヤに伝えることで車が動くという仕組みです。
スパークプラグが正常に機能しなければ、エンジンの始動に悪影響があるだけでなく、エンジン出力や燃焼効率の低下によって燃費が悪化する原因になります。
また、長期間使用しているスパークプラグは電極部分の摩耗や汚れなどによって劣化し、本来の性能を発揮できなくなります。そのため、スパークプラグを定期的に点検・清掃し、劣化がひどい場合は交換しましょう。
(2) スパークプラグの種類
スパークプラグには複数の種類があり、それぞれ性能や用途、価格が異なります。
種類 | 特徴 | 交換時期の目安(普通自動車) | 価格相場 |
---|---|---|---|
レジスタープラグ | ・一般的なスパークプラグ ・中にレジスター(抵抗)が埋め込まれている ・中心電極の素材はニッケル合金 ・低価格だが、こまめな交換が必要 | 20,000km | 500円前後 |
グリーンプラグ | ・中心電極の先端に付いたV字溝によって着火しやすくなっているスパークプラグ ・始動時やアイドリング時、加速時の安定性の向上が期待できる | 20,000km | 500〜1,000円 |
多極プラグ | ・外部電極が2~4個付いたスパークプラグ ・耐久性に優れている ・使用できる車種が限られているため要注意 | 20,000km | 1,500〜2,000円 |
白金・イリジウムプラグ | ・中心電極にイリジウムという白金が使われているスパークプラグ ・長時間使っても摩耗しにくい ・性能のよさから価格が高め | 100,000km | 5,000円前後 |
レース用プラグ | ・レースや高付加状況下で走る車に適したスパークプラグ ・中心電極の主な素材はプラチナやイリジウム ・高価ながら寿命が短い | 10,000km | 1万円以上 |
詳しくは、下記の記事もご覧ください。
2. スパークプラグメーカーの特徴
スパークプラグメーカーによって、製品の性能や特徴が異なります。以下のスパークプラグメーカー5社の性能や特徴、主要プラグについて紹介いたします。
(1) デンソー
デンソーは日本を代表する自動車部品メーカーであり、世界NO.2の売り上げ規模を誇るグローバル企業です。プラグにおいても高い技術力を持っており、多くの国産車や外国車、二輪車に採用されています。
加速力や長寿命のプラグ、レース用などのプラグを展開しています。
①IRIDIUM POWER

IRIDIUM POWERは、デンソーが独自開発したイリジウム合金を使用した高性能プラグです。
極細化した中心電極によって着火性能が高いため、加速性やトルクを向上させ、エンジン性能を最大限引き出します。
②IRIDIUM TOUGH

IRIDIUM TOUGHは中心電極にイリジウム合金、接地電極に白金チップを採用することで電極の消耗を大幅に抑制し、高耐久性と長寿命を実現しています。
燃費性能や加速性も高いため、日常の走行から長距離走行が多いドライバーの手間と費用を抑えられます。
(2) NGK
NGK(日本特殊陶業)は、スパークプラグやセラミックスに関連する製品で世界的に知られる日本の企業です。
高度なセラミック技術と独自の素材開発能力を軸に、自動車業界をはじめとする多様な分野のニーズに応える製品を提供しています。
高い技術力と優れた品質力は、世界の自動車メーカーに高く評価されています。
①プレミアムRXプラグ

新素材を中心電極に採用しており、スパークプラグに求められる着火性や燃焼効率性、耐汚損性、耐消耗性に優れています。
燃焼効率が高いことでシリンダー内の燃焼ロスを抑え、エンジンのパフォーマンス向上に寄与します。
②イリジウムMAXプラグ

中心電極に極細径イリジウム合金、外側電極に白金合金を採用しており、従来のプラグから耐汚損性や着火性、燃費が向上しています。
燃費や寿命が延びたことで交換頻度を抑えられ、コストや環境への負荷を軽減できます。
(3) BOSCH
BOSCHはドイツに本社があり、世界的に有名なグローバル企業です。自動車だけでなく、ガーデニングやDIY用電動工具、音響など幅広く展開しています。
高性能・高品質のスパークプラグで知られており、世界で初めて「プラチナ・イリジウム中心電極」を採用しました。
①Double Iridium

中心電極と接地電極に採用したイリジウムによって高耐久性を実現し、さらに優れた着火性や燃焼、パワーを持つ高性能プラグです。
寿命も長いため、メンテナンス頻度を軽減でき、長期的に見れば経済的にも優れています。
②Double PLATINUM

Double PLATINUMは、プラチナを中心電極と接地電極に使用しており、高い着火性能や加速性能、そして摩耗や腐食を防止する高性能プラグです。
エンジン性能が求められる、ヨーロッパの高出力エンジンに採用されています。
(4) HKS
HKSは日本が誇る老舗総合チューニングパーツメーカーで、HKSのプラグはモータースポーツやチューニングカーに多く採用されています。
スパークプラグ以外には、高性能なターボチャージャーやオリジナルマフラー、車高調などの商品を手掛けています。
①スーパーファイヤーレーシングMシリーズ

Mシリーズは着火性や耐久性、耐カブリ性のすべてを強化したプラグです。チューニングプラグだけでなく、ノーマルエンジンの性能も引き出します。
中心電極には、着火性と耐久性に優れる0.6mmのイリジウム合金を採用。接地電極には、プラチナ角チップが使われています。
②スーパーファイヤーレーシングMRシリーズ

Mシリーズと同様に高性能プラグですが、MRシリーズはルテニウム合金を中心電極に採用しており、さらに耐久性と着火性能が向上しています。
長時間にわたるレースなど、過酷な条件下でも高性能を発揮し、維持します。
(5) TRD
TRD はトヨタ自動車が展開するカスタムパーツブランドであり、レースなどの高速走行に対応する高性能部品の開発や販売を手掛けています。
スパークプラグ以外には、エアロパーツやサスペンション、ホイールなどのドレスアップパーツが人気です。
①レーシング

出典:レーシング|TRD
中心電極の0.4mm超極細イリジウムが着火性能や燃焼効率を高め、高性能エンジンのパフォーマンスを最大限引き出してくれます。
さらにレースの激しい走行条件に耐えられるように、接地電極にはプラチナが採用されており、トラブルや消耗が少なくなります。
②スポーツ

出典:スポーツ|TRD
スポーティなドライビングを楽しむためのスパークプラグ。レーシングシリーズほどの高性能はありませんが、パワフルな加速性能や環境に優しい省燃費性能が特徴です。
また、電圧が低いことで電気系統にかかる負担を抑えられます。
3. スパークプラグの選び方
スパークプラグを選ぶ際のポイントは以下の2つです。
1.使用環境(自分の車)に合わせて選ぶ
2.業者推奨のものを選ぶ
スパークプラグは使用環境や走行条件、そして愛車に適しているかが重要です。最適なスパークプラグを選ぶことでエンジン性能が向上し、燃費やエンジンの寿命を延ばすことが可能です。
下記の記事では、スパークプラグの選び方をわかりやすく解説しています。ぜひこちらもご覧ください。
4. スパークプラグの交換方法
スパークプラグを交換したい場合、自分で交換する方法と業者に依頼する方法の2パターンあります。
自分で交換する場合、手間はかかりますが交換費用を抑えられます。一方、業者に依頼する場合は、専門的な知識と経験を持った整備士が交換してくれるため、安心して愛車を預けられます。メンテナンス初心者や作業に自信がない人におすすめです。
(1) 自分で交換する場合
スパークプラグを自分で交換する方法をご紹介します。
①交換に必要な道具
交換に必要な道具は以下のとおりです。
・新しいスパークプラグ
・プラグレンチ
・ブラシ(汚れを落とす用)
・作業用手袋
プラグレンチについては、下記の記事で詳しく紹介しています。
②スパークプラグの交換手順
スパークプラグの大まかな交換手順は以下のとおりです。
1.エンジンを停止させ、冷えるのを待つ
2.イグニッションコイルを外す
3.レンチを使って古いスパークプラグを外す
4.新しいスパークプラグをゆっくりとはめ込み、手で仮締めする
5.レンチを使って締め付ける
6.イグニッションコイルを取り付ける
スパークプラグの交換が完了したらエンジンをかけて、正常に動作することを確認してください。
(2) 業者に依頼する場合
スパークプラグの交換を業者に依頼する場合の費用と、ポイントをご紹介します。
①業者に依頼する場合の費用相場
業者に交換を依頼する場合の費用は、10,000円(プラグ代含む)が相場です。
ただし、車種やスパークプラグの種類、業者によって費用は変動します。たとえば、高性能な白金プラグやイリジウムプラグは、通常のスパークプラグよりも高価になるため、交換費用も上昇します。
②業者を選ぶポイント
業者に依頼する場合、次の3つのポイントを確認しましょう。
1.スパークプラグに関する知識が豊富か
2.評判・口コミに悪評がないか
3.サポート体制が整っているか
スパークプラグの交換は車の性能に直接影響するため、技術と経験のある業者に依頼することが重要です。
安さだけでなくこれらのポイントを考慮し、愛車を安心して任せられる業者を選びましょう。
5. スパークプラグに関することはグーネットピットにお問い合わせください
スパークプラグを取り扱うメーカーは多くあり、それぞれ異なる性能や特徴の商品があります。
一般走行車か高速走行車(レース・サーキット用)でも求められる性能は異なるため、自分の車にあった最適なスパークプラグを選ぶことが重要です。
用途と異なるスパークプラグは、エンジンのパフォーマンスに悪影響を与えることになるため、最適な商品がわからない、交換に自信がない人は業者に相談しましょう。
グーネットピットでは、スパークプラグに関する専門知識を持つ整備士が在籍しています。ニーズにあわせて最適なスパークプラグを選定し、適切に交換しますので、まずはご相談ください。
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