パーツ取付・交換
更新日:2024.06.07 / 掲載日:2024.04.30

スパークプラグに必要なイグニッションコイルとは?役割や交換時期、交換方法を解説!

イグニッションコイルを交換する頻度は少ないため、交換したことがないという人は多いでしょう。イグニッションコイルは、エンジンを動かすうえで重要なパーツになるため、長期間使い続けたら交換する必要があります。

この記事では、イグニッションコイルの役割や交換時期、交換方法を解説しています。

1. イグニッションコイルの役割

イグニッションコイルは、車のエンジンを動かすうえで重要な役割のある部品です。

エンジンを動かすためには、エンジンのシリンダー内で作られた燃料と空気の混合気にスパークプラグが発生させた火花を点火させ、爆発を起こす必要があります。

ただし、スパークプラグから火花を発生させるには、20,000〜35,000Vの電圧が必要になります。しかし、一般的な車のバッテリーから供給される電圧は12V程度になるため、スパークプラグが火花を発生させるには電圧が足りません。

そこで、バッテリーから供給された12V程度の電圧を20,000〜35,000Vの高電圧に変換してくれるのがイグニッションコイルになります。

イグニッションコイルのコア(鉄心)に巻かれた一次コイルと二次コイルが、バッテリーから供給された電圧を高電圧に変換し、スパークプラグから火花を発生させることで車のエンジンが動くという仕組みです。

2. イグニッションコイルの交換目安と不調のサイン

イグニッションコイルは高電圧を扱っている部品になるため、長期間使用することで消耗し、劣化していきます。

イグニッションコイルが適切に役割を果たせなくなると、エンジンに悪影響を与えるため、定期的に交換する必要があります。

(1) 交換目安は「走行距離10万km」、または「走行時間10年」

イグニッションコイルの一般的な交換目安は走行距離10万km、または走行時間10年になります。

ただし、目安はあくまでも一般的なものであり、車の使用頻度や走行状況、メンテナンス状況によっても異なります。

そのため、以下で紹介している不調のサインが出た場合は、まず専門業者に相談することをおすすめします。

(2) イグニッションコイルの不調のサイン

イグニッションコイルの不調のサインは以下の4つです。

1.エンジンがかかりにくい
2.アイドリングが安定しない
3.加速しづらい
4.エンジンの警告灯が点灯している

順にご紹介します。

①エンジンがかかりにくい

イグニッションコイルが劣化すると、スパークプラグに十分な電圧を供給できなくなり、スパークプラグが発生させる火花が弱くなったり、タイミングがずれたりします。

その結果、スパークプラグが混合気を適切に爆発させられず、エンジンがかかりづらくなります。

②アイドリングが安定しない

一般的な車にはエンジンの気筒(シリンダー)が3〜6個程度あり、気筒と同数のスパークプラグとイグニッションコイルが必要です。

イグニッションコイルがひとつでも役割を果たせなくなると、各気筒の燃焼が不均一になり、アイドリングが安定しない原因になります。

具体的には、アイドリング時にエンジンがぶつぶつと揺れたり、不安な動きが起きたりしやすくなります。

③加速しづらい

スパークプラグに供給する電圧が不十分の場合、混合気を適切に爆発できなくなり、エンジンが正常に稼働しなくなります。

その結果、加速に必要なエンジンパワーが出力できないため、アクセルを踏んでも加速しづらくなります。上り坂などでもパワーが出にくくなります。

④エンジンの警告灯が点灯している

イグニッションコイルの故障などでエンジンの気筒が稼働しなくなると、エンジンの警告灯が点灯します。

なお、警告灯はエンジンに異常が発生した場合に点灯するため、イグニッションコイルや気筒以外の理由で点灯している可能性もあります。

そのため、警告灯が点灯したらすぐにディーラーやカー用品店などに相談し、点灯している理由を点検してもらいましょう。

3.イグニッションコイルを交換する方法

自分で交換する際に必要な道具と手順をご紹介します。

(1) 交換に必要な道具

イグニッションコイルの交換に必要な道具は以下のとおりです。

・ラチェット
・メガネレンチ
・イグニッションコイル

【イグニッションコイルの選び方】

イグニッションコイルはスパークプラグに適応するものを選ぶ必要があります。車種やメーカー、型式によって取り付けられているスパークプラグは異なります。

なお、国産車に使われているスパークプラグはNGKやDENSOがほとんどのため、これらのスパークプラグと適合する商品を探すとよいでしょう。

NGKの公式サイトでは、車両情報をもとに適応するイグニッションコイルを検索できます。

(2) 交換手順

イグニッションコイルを交換する手順をご紹介します。

1.エンジンが冷えたかを確認し、バッテリーのマイナス端子を外す
2.イグニッションコイルが見えるように、エンジンカバーなどを取り外す
3.イグニッションコイルに接続されている電源コネクターを外したあと、ラチェットやメガネレンチを使い、固定ボルトを取り外す
4.古いコイルを取り外し、新しいコイルを装着する
5.新しいコイルを固定ボルトで固定し、電源コネクタを接続する
6.バッテリーのマイナス端子を再度取り付けたらエンジンを始動し、異常がないかを確認する

4. イグニッションコイルを交換する際は

イグニッションコイルを交換する際は、以下の2つについても検討しましょう。

(1) 全気筒の交換を検討する

イグニッションコイルを交換する際は、全気筒のイグニッションコイルの交換を検討しましょう。

ひとつのイグニッションコイルが故障・劣化している場合、ほかのイグニッションコイルも同様に故障・劣化している可能性があります。

同じ時間、同じ環境下で使用されてきたイグニッションコイルの寿命は、基本的にすべて同じくらいと考えられます。

(2) スパークプラグの交換も検討する

スパークプラグの劣化が原因で、イグニッションコイルの負担が大きくなっている可能性があります。


スパークプラグの劣化が進んだ状態で使用し続けると、失火などが発生した際に増幅した電圧がコイルに逆流し、コイルがダメージを受けて寿命が短くなります。

イグニッションコイルを交換してもすぐに故障する原因になるため、イグニッションコイルを交換する際はスパークプラグの交換も検討しましょう。

スパークプラグの選び方については、下記の記事で解説しています。

5. イグニッションコイルの交換を業者に依頼する場合

交換を業者に依頼する際は本体代5,000〜15,000円、工賃5,000〜8,000円が相場になります。

ただし、交換するイグニッションコイルの種類や本数、依頼する業者によって費用は変動します。

同時にスパークプラグを交換する可能性もあるため、業者を決める際は、複数の業者から見積もりを取り、費用と内容を比較することが重要です。

6. イグニッションコイルのことはグーネットピットにお問い合わせください

イグニッションコイルが劣化したり、故障したりすることでエンジンのパフォーマンスは低下します。そのため、エンジンの不調を感じたらイグニッションコイルの交換を検討しましょう。

ただし、ほかにも多くの部品がエンジンに使われていることから、イグニッションコイル以外に原因がある可能性もあります。

エンジンに関する専門知識や経験がなければ、不調の原因を突き止めることは難しいため、まずは専門業者に相談することをおすすめします。

下記のページからお近くの整備工場を検索できますので、エンジンの不調を感じたらご活用ください。

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グーネットピット編集部

ライタープロフィール

グーネットピット編集部

車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

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