パーツ取付・交換
更新日:2024.07.18 / 掲載日:2024.06.03

ブレーキパッドが全面当たらない原因とデメリット、対処法を紹介

ブレーキや足回りの点検中、ディスクブレーキに付着しているサビが気になった人は多いのではないでしょうか。サビの原因は、ブレーキパッドが全面当たっていないことかもしれません。

数日運転しないだけで、ディスクブレーキにはサビが発生します。しかし、通常走行中にブレーキをかけるとサビはなくなるため、長期間同じ箇所にサビが残ることはありません。

この記事では、ブレーキパッドが全面当たらない原因とデメリット、対処法を紹介しています。

1. ブレーキパッドが全面当たらない原因

一般的なディスクローターは鋳鉄製のため、雨や洗車後に走行しないだけでサビが発生します。この程度のサビであれば、ブレーキをかけた際にブレーキパッドがディスクローターの表面を削るため、サビはなくなります。

もし、サビが悪化している箇所や長距離走行後でもサビが取れていない箇所がある場合は、ブレーキパッドの全面がディスクローターに当たっていないことが原因と考えられるでしょう。

そこで、ブレーキパッドが全面当たらない主な原因を3つご紹介します。

1.ディスクローターに偏摩耗がある
2.ブレーキパッドの当たりがついていない
3.ブレーキキャリパーが開いている

(1) ディスクローターに偏摩耗がある

ディスクローターの偏摩耗(表面に傷や凹凸、波などがあること)によって、ブレーキパッドが全面当たらなくなっている可能性があります。

偏摩耗の原因はいくつかありますが、主な原因は以下の4つです。

1.劣化したブレーキパッドの金属部分が、ディスクローターを傷つけている
2.ブレーキの引きずり(ブレーキが常にかかっている状態)によって、接触し続けている部分が削られている
3.削れたサビや道路の砂利などがブレーキパッドとディスクローターの間に入り込んでいる
4.中古のディスクローターに交換したら偏摩耗していた

ディスクローターが均一に摩耗していない場合、ブレーキパッドが全面当たらず、一部分のみ当たるようになります。

(2) ブレーキパッドの当たりがついていない

新品のブレーキパッドに交換した直後は、ディスクローターとブレーキパッドが部分的にしか当たりません。

そのため、これらの交換直後は、ブレーキをかけてもブレーキパッドの全面がディスクローターに当たっていない状態になります。

(3) ブレーキキャリパーが開いている

ブレーキキャリパーが開いていることが原因で、ブレーキパッドの全面がディスクローターに当たっていない場合があります。

ブレーキキャリパーは、ブレーキパッドがディスクローターの両側を挟み込むように取り付けられており、ブレーキパッドをディスクローターに押し付けることで摩擦力を発生させ、ブレーキをかける部品です。

ただし、一般的な片持ちキャリパー(一般走行の場合)の場合は、ブレーキキャリパー自体が開くことはほぼありません。サーキット走行など、激しい走行中にブレーキをかけた場合に、ブレーキキャリパー自体がハの字に開くことがあります。

また、ブレーキパッドの底側が多く摩耗し、上側の摩耗が少ない状態(ハの字に見える状態)のことをブレーキパッドが開いているという場合もあります。

2. ブレーキパッドが全面当たらない場合のデメリット

ブレーキパッドの全面がディスクローターに当たらない場合のデメリットは以下の3つです。

(1) ディスクローターにサビが残る

ディスクローターは数日運転しないだけでサビが発生しますが、ブレーキをかけた際にブレーキパッドが表面を削るため、通常は数km運転すればサビは取り除かれます。

しかし、ブレーキパッドの全面が当たらない場合、ブレーキをかけてもディスクローターに当たらない部分があるため、サビが残ります。

残ったサビが安全運転に悪影響を与えることはありませんが、サビついたディスクローターは愛車の見た目を悪くするでしょう。

(2) ブレーキの利きが悪くなる

走行中にブレーキをかけた際、ブレーキパッドはディスクローターに押しつけられ、押しつけられた際に発生する摩擦力によって減速・停止します。

しかし、ディスクローターに押し付けるブレーキパッドの接地面積が減ると、押しつけた際の摩擦力が低下するため、ブレーキの利きが悪くなります。

(3) 振動や異音が発生する

ブレーキパッドの一部が斜めに当たっていたり、ディスクローターの偏摩耗していたりすると、ブレーキパッドが振動し、キーキーという異音が発生する原因になります。

新品のブレーキパッドやディスクローターの場合も、装着直後は部分的にしか当たらないため、振動や異音が発生する可能性があります。

3. ブレーキパッドが全面当たらない際の対処法

ブレーキパッドとディスクローター(イメージ)

ブレーキパッドが全面当たらない際の対処法は以下の4つです。

ただし、重要保安部品であるブレーキに関するメンテナンスは、車の安全性に大きな影響を与えます。整備士並みの専門知識や技術、経験がない人は、ひとまず業者に相談することをおすすめします。

(1) ブレーキパッドの当たり付けをする

新品のブレーキパッドやディスクローターを装着した場合は、「ブレーキパッドの当たり付け」が重要になります。

ブレーキパッドの当たり付けとは、ブレーキパッドの全面がディスクローターに当たるようにする作業のことです。当たり付けは難しい作業ではなく、慣らし運転のようなイメージになります。

ブレーキパッドだけ新品に交換した場合や、中古のディスクローターに交換した場合はとくに当たりが悪いため、当たり付けをしましょう。

当たり付けに関しては、こちらの記事で詳しく解説いたします。

(2) ディスクローターを研磨または交換する

ディスクローターの表面に傷や凹凸がある場合、波打っている場合は、ディスクローターの研磨や交換を検討しましょう。

研磨することでディスクローターの表面が滑らかになり、ブレーキパッドとの接触面が均一になります。表面に深い傷があるなど、研磨では対処できない場合はディスクローターを交換する必要があります。

なお、研磨作業は専門的な知識や技術、そして専用の道具が必要になるため、DIYではなく業者に依頼するのが一般的です。ディスクローターの研磨が必要な場合、ほとんどの場合でブレーキパッドの交換も必要になります。

作業業者に依頼する費用相場
研磨作業3,000〜5,000円/枚(国産車)
交換作業・本体:5,000〜10,000円/枚
・工賃:10,000円/枚

(3)ブレーキパッドを交換する

ブレーキパッドは使い続けると摩耗し、徐々に厚さが薄くなる消耗部品です。劣化したブレーキパッドはディスクローターを傷つけてしまい、偏摩耗が発生する原因になるため、定期的な点検と交換が必要になります。

ディスクローターの表面に傷がついている場合は、ブレーキパッドの状態や寿命を確認しましょう。ブレーキパッドの残量を確認する方法と寿命の目安、交換タイミングは下記の記事で解説していますのでご覧ください。

また、下記の記事ではおすすめのブレーキパッド10選を紹介しています。

(4) ブレーキキャリパーを交換する

一般的な片持ちキャリパー(一般走行の場合)は、ブレーキキャリパー自体が開くことはほぼありませんが、もし開いてしまった場合はブレーキキャリパーを交換する必要があります。

下記の記事では、ブレーキキャリパーを交換する方法や費用相場などを紹介しています。詳しくはこちらの記事をご覧ください。

4. ブレーキに関することはグーネットピットにご相談ください

ブレーキパッドの全面がディスクローターに当たっていないことが、ブレーキの利きを悪くしたり、振動や異音を発生させていたりする場合があります。とくに、ブレーキの利きは安全運転に直結するため、早期に対処する必要があります。

しかし、対処法は原因に応じて異なるため、整備士並みの知識をもっていなければ、原因を正しく判断することは難しいでしょう。

そのため、ディスクブレーキにサビが残っている、ブレーキの異常に気づいた場合は、信頼できる業者に相談することをおすすめします。

グーネットピットには、ブレーキだけでなく、車全体に関するメンテナンスの知識や技術、経験を持ったスタッフが在籍しています。下記のページからお近くの整備工場を検索できますので、ご利用いただけると幸いです。

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グーネットピット編集部

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車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
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