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更新日:2024.07.18 / 掲載日:2024.06.10

スパークプラグの火花が飛ばない?|点検方法と原因を網羅的に解説

エンジンに不調が出ている場合、スパークプラグの火花が飛んでいない可能性があります。車のエンジンをかけるには、スパークプラグから出る火花を混合気に点火する必要があるため、火花が飛ばないとエンジンをかけられません。

この記事では、スパークプラグからの火花を点検する方法をご紹介します。火花が飛ばない原因も解説していますので、ご覧いただけると幸いです。

1.スパークプラグの火花を点検する方法

エンジンが不調の際に、スパークプラグからの火花が適切に出ているかをチェックする方法をご紹介します。

なお、火花点検はセルモーターを回す(エンジンをかける)必要があるため、一人ではできません。協力してくれる補助者を見つけておきましょう。

(1)必要な道具

火花点検に必要な道具は以下のとおりです。

・プラグレンチ(16mmまたは14mmが一般的)
・軍手
・ラチェットレンチ
・10mmのソケット
・エクステンションバー

(2)スパークプラグの火花を点検する手順

スパークプラグの火花を点検する手順は以下のとおりです。

なお、イグニッションスパークテスターを使用する場合は、取扱説明書を参考に使用してください。イグニッションスパークテスターは、あれば便利という程度で基本的な点検方法は同じになります。

①エンジンルームを開く

ボンネットを開けた状態(イメージ)

安全な場所に駐車したらエンジンを切り、ボンネットを開けてエンジンルームを開きます。エンジンカバーがついている場合は、取り外してください。

エンジンを切った直後はエンジンルームが熱くなっているため、少し時間を置いてから作業しましょう。

②プラグコードを取り外す

エンジンの上部にある、火花点検したい気筒のプラグコードを取り外します。

プラグコードは各気筒にひとつずつ取り付けられており、プラグコードの付け根を持ち、引き上げることで取り外せます。

なお、ダイレクトイグニッション(現在のエンジンで多く採用されている)の場合、エンジン上部には、プラグコードの代わりにイグニッションコイルが取り付けられています。

ダイレクトイグニッションの場合は、まずコネクターを取り外し、10mmのボルトを取り外してからイグニッションコイルを取り外してください。

③スパークプラグを取り外す

スパークプラグを取り外している様子(イメージ)

エクステンションバーの先端に取り付けたプラグレンチのソケットをスパークプラグに合わせ、反時計回りに回転させてスパークプラグを緩め、取り外します。

なお、プラグレンチには磁石がついており、プラグレンチを持ち上げる際にスパークプラグがついている可能性があるため、ゆっくりと持ち上げてください。

④スパークプラグの状態を確認する

取り外したスパークプラグの状態を確認しましょう。

スパークプラグの状態が以下のような場合は、劣化などによって適切に火花が飛んでいない可能性があります。

・ネジ部分から中心電極・接地電極が黒ずんでいる
・ガソリンで濡れている
・電極の先端が丸くなっていたり、削れていたりする

このような状態は、スパークプラグの交換サインです。

こちらの記事では、スパークプラグの状態を写真付きで詳しく紹介しています。

⑤スパークプラグにプラグコードを取り付ける

取り外したスパークプラグにプラグコード、またはイグニッションコイルを取り付け、プラグコードを取り外す際(引き上げる際)に持っていた位置を持ちます。

⑥火花を点検する

スパークプラグの接地電極をボディアースに近づけ、補助者にセルモーターを回してもらい、スパークプラグから火花が出ているかを確認します。

スパークプラグの中心電極と接地電極の間に、火花が出ていれば問題ないでしょう。

なお、スパークプラグの金属部分を持つと感電してしまうため、注意してください。

⑦スパークプラグを取り付ける

火花点検が完了したら、スパークプラグを取り外した手順の逆の手順で再度取り付けます。

詳しくは、こちらの記事をご覧ください。

⑧プラグコードを取り付ける

プラグコードをカチッと音が鳴るまで押し込んで取り付けます。

ダイレクトイグニッションの場合は、固定していた10mmのボルトでイグニッションコイルを固定し、コネクターをカチッと音が鳴るまで押し込んで取り付けましょう。

イグニッションコイルとコネクターの取り付け位置を間違わないように、取り外す際に取り付け位置を記録しておくと、再度取り付ける際に正しい位置へ取り付けられます。

⑨エンジンをかけて状態を確認する

プラグコードの取り付け作業が完了したら、エンジンをかけて状態を確認します。

エンジンのかかり具合やアクセルを踏んだ際の回転数、吹け具合に問題がないかをチェックしてください。

⑩エンジンルームを閉める

エンジンの状態に問題がなければ、エンジンルームとボンネットを閉めて作業は完了です。

2.スパークプラグの火花が飛ばない原因と確認方法

スパークプラグの火花が飛ばない原因は、主に以下の3つが考えられます。

1.スパークプラグの不良
2.イグニッションコイルの不良
3.エンジンECUの不良

ただし、上記で紹介した火花の点検方法は、火花が飛んでいるかを確認する方法のため、火花が飛ばない原因はわかりません。そのため、原因を特定するには複数の点検を組み合わせる必要があります。

燃焼室の数に応じてスパークプラグとイグニッションコイルがついている、一般的な軽自動車のエンジン(燃焼室が3つある3気筒)を例に原因を解説いたします。

(1)セルモーターは回るがエンジンがかからない場合

セルモーターは回るがエンジンがかからない場合、スパークプラグから火花が飛んでいないことが考えられます。この場合、スパークプラグやイグニッションコイル、エンジンコンピューターのなにが原因で火花が飛んでいないかを特定しなければいけません。

車のエンジンは、スパークプラグから火花を飛ばして混合気(ガソリンと空気が混ぜ合わさったもの)に火をつけることで始動します。つまり、スパークプラグの火花が飛ばないと、混合気に点火できずエンジンがかかりません。

そのため、まずは火花点検によって各気筒(スパークプラグ)から火花が飛んでいるかを確認します。

もし、すべての気筒から火花が飛んでいない場合は、エンジンECUなど、スパークプラグやイグニッションコイル以外の原因が考えられます(3気筒が同じタイミングで故障する確率は低いため)。

(2)エンジンはかかるが不調の場合

エンジンがかかっている時点で、少なくとも3気筒のうち1つ以上からは火花が飛んでいると推測できます。

そのため、エンジンが不調の場合は、火花が飛んでいない気筒のスパークプラグかイグニッションコイルに原因があると考えられます。

問題がある気筒や、スパークプラグかイグニッションコイルのどちらに原因があるかは、パワーバランス点検で特定します。

パワーバランス点検とは
各気筒が正常に稼働しているかを確認する点検のこと。OBD2などの診断機が不要なため、DIYでも点検しやすく、不具合がある箇所を特定しやすい。

具体的にはエンジンをかけたまま、イグニッションコイルのカプラーをひとつずつ順番に取り外し、エンジンの振動の変化などから不具合を起こしている気筒を特定します。

正常な気筒のイグニッションコイルのカプラーを外した場合、その気筒は火花を出せなくなるため、さらにエンジンの出力が低下し大きな振動が発生する、またはエンジンが停止します。

逆に、異常がある気筒のイグニッションコイルのカプラーを外しても、もともとその気筒は正常に作動していないため、大きな振動が発生したり、エンジンが停止したりすることはありません。

異常がある気筒を特定したら、次はスパークプラグとイグニッションコイルのどちらが原因かを確認します。

例えば、3番目の気筒に異常があった場合、正常な2番目の気筒のスパークプラグと3番目の気筒のスパークプラグを入れ替えます。入れ替えた結果、正常だった2番目の気筒に異常が出た場合、スパークプラグが原因だったと考えてよいでしょう。

スパークプラグを入れ替えても症状が変わらなかった場合は、次にイグニッションコイルを入れ替えて状態を確認します。

この段階でどちらかが故障していれば、原因を特定できます。

3.スパークプラグから火花が飛ばない際の対処法

スパークプラグから火花が飛ばない原因を特定したら、その原因に応じて適切に対処しましょう。基本的には劣化や故障などが原因になるため、部品を交換することになります。

ただし、インタークーラーやエアクリーナーなどの部品を外さなければ、スパークプラグやイグニッションコイルを交換できない車種もあります。そのような車は、作業難易度も高くなるため、作業に不安な人はディーラーやカー用品店などの業者に相談しましょう。

原因がわからない、部品を交換しても火花が飛ばない場合も業者にご相談ください。

(1)スパークプラグが原因の場合

スパークプラグの寿命の目安は、「走行距離15,000〜20,000km」程度です。

この走行距離を越えると火花が飛ばないことが多くなり、エンジントラブルが起きやすくなります。重大な事故につながる恐れもあるため、走行距離を目安に定期的な点検と交換を実施しましょう。

ただし、走行距離は一般的な目安であり、スパークプラグの種類や車種、スパークプラグにかかる負担によっても寿命は異なります。

スパークプラグの種類普通自動車軽自動車二輪車
レジスタープラグ20,000km10,000km5,000km
グリーンプラグ20,000km10,000km5,000km
多極プラグ20,000km10,000km5,000km
白金・イリジウムプラグ100,000km70,000km20,000km
レース用プラグ10,000km5,000km2,000km

新しいスパークプラグの選び方や交換方法は、下記の記事をご覧ください。

(2)イグニッションコイルが原因の場合

イグニッションコイルを交換する頻度は多くありませんが、高電圧を扱っている部品になるため、長期間使い続けると劣化します。

イグニッションコイルの寿命の目安は、「走行距離10万km、または走行時間10年」になります。ただし、あくまでも目安は一般的なものになるため、イグニッションコイルの種類や車の使用頻度、走行状況などによっても異なります。

イグニッションコイルの交換方法は、こちらの記事で解説していますのでご覧ください。

(3)エンジンECUが原因の場合

スパークプラグとイグニッションコイルに異常がない場合、エンジンECUに原因がある可能性が高いでしょう。

しかし、エンジンECUを点検するには、専門的な知識や道具が必要になります。DIYで点検や交換、修理するのは作業難易度が高いため、ディーラーやカー用品店などの専門業者に相談することをおすすめします。

4.交換を業者に依頼する場合

スパークプラグやイグニッションコイル、エンジンECUの交換を業者に依頼する場合の費用相場や、業者を選ぶポイントをご紹介します。

(1)依頼する場合の費用相場

部品交換を業者に依頼する場合の費用相場は、以下のとおりです。

部品部品代工賃
スパークプラグ500〜10,000円3,000〜10,000円
イグニッションコイル1,000〜30,000円3,000〜10,000円
エンジンECU50,000〜100,000円5,000〜15,000円

ただし、交換する部品の種類やグレード、依頼する業者によって費用は変動します。

(2)依頼する業者を選ぶポイント3つ

依頼する業者を選ぶポイントは以下の3つです。

1.実績や評判

過去の実績や評判のよい業者を選ぶことが重要です。技術力や顧客満足度が高い業者には、愛車を安心して任せられます。これらは、業者のWebサイトや口コミサイトなどで確認できます。

2.価格

業者によって価格は異なります。そのため、複数の業者から見積もりを取り、価格と内容を比較することが重要です。

3.アフターサービス

アフターサービスが整っていると、万が一不具合が発生した場合に無料や低価格で対応してもらえます。

5.エンジンの不調を感じたらグーネットピットにご相談ください

スパークプラグから火花が飛ばなくなると、エンジンに不調が出たり、最悪エンジンがかからなくなったりします。そのため、エンジンの不調を感じたらスパークプラグの火花が飛んでいるかを点検しましょう。

しかし、火花点検や原因を特定するには、整備士並みの専門知識や経験が必要になります。スパークプラグの火花以外にもエンジンが不調になる原因はあるため、まずは業者に相談することをおすすめします。

グーネットピットでは、専門知識や技術を持ったスタッフがエンジンの不調の原因を特定し、適切に対応いたします。

お近くの整備工場は下記から検索できますので、ご相談いただけたら幸いです。

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グーネットピット編集部

ライタープロフィール

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車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
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