パーツ取付・交換
更新日:2024.07.11 / 掲載日:2024.07.04

車高調のスタビリンクとは|選び方やおすすめ商品を紹介

車高調のスタビリンクとは、サスペンションの上下運動をスタビライザーに伝達する部品です。ローダウン車の走行安定性や、乗り心地を高めるうえで必要な部品になります。

この記事では、車高調のスタビリンクの役割や選び方、おすすめ商品を紹介しています。交換方法も紹介していますので、車高を下げてから安定性や乗り心地が気になる人はぜひご覧ください。

1.車高調のスタビリンクとは

スタビリンク(スタビライザーリンク)とは、スタビライザーとサスペンションをつなぐロッド(棒)のことです。スタビライザーの本来の効果を発揮させるために必要な部品になります。

(1)そもそもスタビライザーとは

そもそもスタビライザーとは、左右のサスペンションをつなぐ、コの字やU字の形をした棒状のパーツです。カーブを曲がる際のロール(横揺れ)を抑え、走行安定性と乗り心地を高めてくれます。

現在の車のサスペンションは左右で独立しているため、カーブを曲がる際は外側のサスペンションに荷重がかかり沈み込みます。一方、内側のサスペンションにかかる荷重は少ないため、浮き上がろうとし、左右のサスペンションの動きが不規則になります。

このような状態をロールといい、ロールが大きくなると傾きも大きくなるため、走行安定性と乗り心地が悪くなるのです。

スタビライザーで左右のサスペンションをつなぐと、外側の沈み込みを抑えながら、内側のサスペンションが浮き上がろうとするのを抑えます。一方のサスペンションの動きに合わせて、もう一方のサスペンションも連動した動きになるため、左右のサスペンションの動きが不規則になるのを防ぎ、ロールが抑えられます。

スタビライザーについては、こちらの記事で詳しく解説していますのでご覧ください。

(2)スタビリンクの役割とは

スタビリンクは、スタビライザーの両端に取り付けられており、スタビライザーと左右のサスペンションをつないでいます。サスペンションの上下運動の動きをスタビライザーに伝え、スタビライザーの効果を適切に発揮させるのがスタビリンクの役割です。

スタビライザーの効果を適切に発揮するには、スタビリンクとスタビライザーを適切な角度(直角の状態)で維持しておく必要があります。しかし、車高調などで車高を下げた場合は車体が下がるため、スタビリンクとスタビライザーの位置関係が変わります。

位置関係が変わるとスタビライザーの角度が変わり、バンザイ(上向き)の状態になるため、本来の効果を発揮できません。そのため、車高を下げた車は、スタビリンクとスタビライザーの角度を適切に維持できる長さのスタビリンクに交換する必要があります。

(3)スタビリンクの種類

スタビリンクには、固定式と調整式の2種類があります。

純正品のスタビリンクは固定式となっており、ロッド部分の長さを調整できません。構造が単純なため調整式より安価ですが、長さを調整できないため、スタビリンクとスタビライザーの角度を適切に維持できるものを選ぶ必要があります。

一方、調整式はロッド部分の長さを調整できるため、車高の変更に合わせてスタビリンクの長さを最適な状態にできます。そのため、車高調装着車には、調整式スタビリンクが適しているでしょう。

2.車高調のスタビリンクの選び方

1.スタビリンクの全長と調整範囲
2.スタビリンクのシャフト径
3.スタビリンクの取り付けボルトの径

順にご紹介します。

(1)スタビリンクの全長と調整範囲

スタビリンクとスタビライザーの角度を適切に維持できる全長と、調整範囲の商品を選ぶことが重要です。

車高に応じて、スタビライザーとサスペンションの位置は変わります。スタビリンクの全長と調整範囲は商品によって異なるため、購入する際はスタビライザーとサスペンションの距離に適しているかを確認しましょう。

(2)スタビリンクのシャフトの径

社外品(汎用品)のスタビリンクはシャフト径の太い商品が多くあるため、取り付けた際に車体と干渉しないかをチェックしましょう。

シャフト径の太いスタビリンクは、強度が高くなるため耐久性に優れています。しかし、純正品のスタビリンクのシャフト径は細く設計されているため、シャフト径が太いスタビリンクに交換した際に車体などへ干渉する恐れがあります。

そのため、スタビリンクを購入する際は事前にタイヤを取り外し、スタビリンク周辺のクリアランス(スペース)を確認することが重要です。

(3)スタビリンクの取り付けボルトの径

スタビリンクを選ぶ際は、スタビリンクの取り付けボルト径とサスペンションのボルト径が適しているかをチェックしましょう。

スタビリンクを取り付ける際は、先端のボルトをサスペンションにはめ、ナットを締めて固定するのが一般的です。

しかし、サスペンションによってボルト径は異なるため、サスペンションのボルト径と異なるスタビリンクは取り付けられません。なお、一般的なボルト径は、M10やM12です。

3.調整式スタビリンクおすすめ3選

おすすめの調整式スタビリンク3選をご紹介します。

1.Largus|調整式スタビライザーリンク
2.TEIN|調整式スタビリンクロッド
3.CUSCO|調整式スタビリンク ユニバーサルタイプ(汎用品)

(1)Largus|調整式スタビライザーリンク

出典|調整式スタビライザーリンク:Largus

本体を回すことで長さを簡単に調整できる、ターンバックル方式を採用しています。赤いアルマイト加工はサビを防ぐだけでなく、ドレスアップ効果も兼ね備えています。

価格(税込)16,280円
調整範囲M10/M12
・100~120mm
・120~150mm
・150~200mm
・200~270mm
・250~320mm
・285~355mm
・335~405mm
・370~440mm

※価格と展開サイズは、適合車種などによって異なる場合がある

(2)TEIN|調整式スタビリンクロッド

出典|調整式スタビリンクロッド:TEIN

車両に装着したまま、スタビライザーの取り付け角度をミリ単位で調整可能です。サビに強い粉体塗装によって、高い耐久性と耐食性を備えています。

価格(税込)16,280円
調整範囲M10/M12
・100~120mm
・120~140mm
・140~200mm
・200~260mm
・245~305mm
・290~350mm
・335~395mm
・380~440mm

(3)CUSCO|調整式スタビリンク ユニバーサルタイプ(汎用品)

出典|調整式スタビリンク ユニバーサルタイプ(汎用品):CUSCO

スタビリンクの全長をミリ単位で調整できるため、スタビライザを最適な角度で取り付けられます。ボルトオン取り付けで、簡単に純正品と交換できます。

価格(税込)27,280円
調整範囲M10/M12
・225~255mm
・265~295mm
・305~335mm
・345~375mm

4.車高調のスタビリンクを交換する手順

車高調のスタビリンクを交換する方法をご紹介します。

(1)自分で交換する場合

車高調のスタビリンクを自分で交換する手順をご紹介します。交換する手順は、フロントもリアも同じになります。

①必要な道具をそろえる

必要な道具は以下のとおりです。

・ガレージジャッキ
・ウマ
・レンチ(14mmか17mmが一般的)
・ホイールレンチ
・トルクレンチ
・スパナ
・六角レンチ(必要な場合がある)
・軍手

②ジャッキアップする

タイヤとホイールを取り外すために、ガレージジャッキを使ってジャッキアップします。

なお、スタビリンクを交換する際は、両輪を水平にしておく必要があります。両輪の高さが異なるとサスペンションにテンションがかかっている状態になり、スタビリンクの取り外しや取り付けが難しくなります。

そのため、片方ずつジャッキアップするのではなく、ガレージジャッキで両輪をジャッキアップし、ウマに載せてください。

ジャッキアップ前にホイールレンチでホイールナットを緩めておくと、ジャッキアップ後にホイールを取り外しやすくなります。

③タイヤとホイールを取り外す

緩めておいたホイールナットを外し、タイヤとホイールを取り外します。取り外す際は、車体に当たらないように気をつけましょう。

④スタビリンクを取り外す

スタビリンクがサスペンションに固定されている部分のボルトを外し、スタビリンクを取り外してください。ナットをレンチで緩めるだけで、スタビリンクは取り外せます。

ただし、スタビリンクのボルト部分にピロボールが使われている場合や、ゆるみ防止ナットが使われている場合は、レンチでナットを緩めようとしてもクルクルと回ってしまいます。

そのような場合は、六角レンチでネジが回らないように固定することでナットを緩められます。

⑤スタビリンクを取り付ける

スタビリンクを取り外したら、逆の手順でスタビリンクを取り付けます。

スタビリンクを取り付ける前には、スタビライザーとサスペンションの距離を確認し、スタビリンクの全長を調整しましょう。調整方法はスタビリンクによって異なるため、取扱説明書を確認してください。

スタビリンクの全長を調整したら、スパナで本体両端のロックナットを緩まないように固定します。

⑥タイヤとホイールを取り付ける

スタビリンクを取り付けたら、タイヤとホイールを取り付けます。

⑦ジャッキアップを解除する

ジャッキアップを解除し、ホイールを規定トルクで締め付けたら作業完了です。

(2)業者に依頼する場合

スタビリンクの交換を業者に依頼する際の費用と、業者を選ぶポイントをご紹介します。

①業者に依頼する場合の費用

業者に依頼する際の費用は、10,000円程度(工賃のみ・部品代除く)です。ただし、車種や依頼する業者によって費用は変動します。

②業者を選ぶポイント

依頼する業者を選ぶポイントは以下の3つです。

1.実績と評判

業者の実績や評判を確認しましょう。車高調に関する作業には、高い技術が必要になります。これまでの施工実績や顧客満足度を確認し、信頼できる業者かを見極めることが重要です。これらは、業者のWebサイトやレビューサイトなどで確認できます

2.保証内容

車高調整するなかで不具合が発生する恐れがあるため、保証内容も重要なポイントです。交換後に問題が発生した場合、一定期間は無償や安価で修理・交換してくれるかを確認しましょう

3.価格

車種や交換部品、依頼する業者によって、交換費用が大きく異なることがあります。そのため、複数の業者から見積もりを取り、価格と内容を比較検討することが重要です

5.車高調に関することはグーネットピットにご相談ください

スタビリンクは、スタビライザー本来の効果を発揮させ、ローダウン車の走行安定性と乗り心地を向上させるのに必要な部品です。

しかし、車高調で車高を下げた場合、純正品のスタビリンクでは長すぎてしまい、スタビライザーが役割を果たせなくなる恐れがあります。

そのため、車高を下げた場合は、スタビライザーがバンザイ(上向き)になっていないかを確認し、なっている場合は調整式スタビリンクへの交換をおすすめします。

グーネットピットでは、スタビリンクだけでなく、車高調に関するメンテナンスに詳しい業者を検索できます。以下のページからお近くの整備工場を検索できますので、ご利用いただけると幸いです。

グーネットピットでお近くの整備工場を探す

この記事の画像を見る

この記事はいかがでしたか?

気に入らない気に入った

グーネットピット編集部

ライタープロフィール

グーネットピット編集部

車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

この人の記事を読む

車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

この人の記事を読む

img_backTop ページトップに戻る

ȥURL򥳥ԡޤ