パーツ取付・交換
更新日:2024.07.18 / 掲載日:2024.07.08
中古の車高調を購入しても大丈夫?デメリットや購入する際のポイントを解説

新品の車高調は高いため、中古の車高調の購入を検討している人は多いのではないでしょうか。中古品は購入コストを抑えられますが、追加で修理や部品交換に関する費用が必要になることが多いため、車高調は新品の購入をおすすめします。
この記事では、中古の車高調のデメリットや、中古品を購入することになった場合に注意するポイントをご紹介します。
1.中古の車高調を購入するのはおすすめしない
車高調は、カーパーツのなかでも高価格帯のパーツになります。そのため、コストを抑えられる中古品を購入する人が一定数いますが、中古の車高調を購入するのはおすすめしません。
理由としては、以前の持ち主が使用していた期間や走行環境、メンテナンス状況、外した理由などの詳細がわからないため、出品時の状態を適切に把握するのが難しいためです。
見た目からも劣化状態はわかりづらいため、車高調を取り付けたら不具合やトラブルに気づくというケースは多くあります。
装着後に修理や再購入する必要があるとわかった場合、修理や脱着に関する費用が追加で発生します。中古品を安価で購入したはずが新品の価格と同等、またはそれ以上になることもあるでしょう。
新品の車高調にはメーカー保証が一定期間あることからも、中古品ではなく新品を購入することをおすすめします。
2.中古の車高調を購入するデメリット
中古の車高調を購入する主なデメリットは以下の3つです。
1.異音トラブルが多い
2.付属品がない場合がある
3.オーバーホールが必要な可能性が高い
順にご紹介します。
(1)異音トラブルが多い
中古の車高調を装着した際、異音トラブルが発生するケースは多くあります。
車高調には、定期的に交換する必要がある消耗部品が多く使われています。これらの消耗部品は使用し続けることで劣化し、異音が発生する原因になります。
しかし、写真などの見た目では部品の消耗度合いはわからないため、購入時には気付けず、装着後に発生した異音によって部品の劣化に気付くというわけです。
さらに、劣化している部品の交換やメンテナンスには、高額な費用がかかる恐れがあります。
(2)付属品がない場合がある
中古の車高調を購入した場合、付属品がそろっていないことがあります。
車高調の取り付けに必要な、主な付属品は以下のとおりです。
・取扱説明書
・減衰力調整ダイヤル
・車高調整用のレンチ
・スプリングのアジャスター
・ブレーキホースの固定用ステー
とくに、取り付けや車高調整に必要な付属品がそろっていなければ、自分で取り寄せたり購入したりする必要があるため、追加で費用が発生します。
(3)オーバーホールが必要な可能性が高い
中古の車高調は、以前の持ち主による走行距離や使用期間を正しく把握できません。そのため、購入後すぐにオーバーホールが必要な可能性があります。
オーバーホールとは |
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新品同様の車高調性能を取り戻すことを目的に、ショックアブソーバーすべての部品を分解し、洗浄、消耗部品の交換、組み立て、全体調整する作業のこと。オーバーホールするタイミングは、走行距離30,000〜40,000km、または使用期間2〜3年が目安 |
なお、オーバーホールには専門的な知識や技術、設備が必要になる難易度の高い作業です。そのため、DIYではなく車高調メーカーや専門業者に依頼するのが一般的です。
オーバーホールを業者に依頼する際の費用は、15,000〜30,000円/本と高額になるため、中古の購入品を購入する際はオーバーホールの費用も見積もることが重要になります。
車高調を外す理由や、中古出品する理由が詳しくわからないため、オーバーホールが必要なタイミングで出品する販売者もいるでしょう。
車高調のオーバーホールについては、下記の記事で詳しく解説しています。
3.中古の車高調を購入する際のポイント

繰り返しになりますが、中古の車高調を購入することはおすすめしません。しかし、初期購入費用を抑えたいなどの理由から中古品を購入する場合は、以下5つのポイントに注意してください。
1.調整箇所が固着していないか
2.オイル漏れはないか
3.ショックは抜けていないか
4.アッパーマウントに異常はないか
5.付属品はそろっているか
順にご紹介します。
(1)調整箇所が固着していないか
中古の車高調を購入する際には、調整箇所が固着していないかを確認しましょう。
車高調は雨水や泥水が付着することで、調整箇所のネジがサビる恐れがあります。ネジがサビると車高を調整するロックシートが固着し、動かせなくなります。
そのため、購入する際は必ず調整箇所に固着がないか、ロックシートがスムーズに動くかを確認することが重要です。
(2)オイル漏れはないか
ショックアブソーバーから、オイル漏れしていないかを確認することも重要です。
オイル漏れが発生すると、減衰力(走行中の振動や衝撃を吸収する力)が低下し、走行性能や乗り心地に悪影響を与えます。さらに、オイル漏れがあると車検にも通りません。
なお、オイル漏れはオイルシールの劣化によって発生するため、オイルシール周りの状態をチェックすることで確認できます。
ただし、オイルシールはダストブーツで隠れており全体写真では状態を確認しづらい、オイル漏れを拭かれたらオイル漏れの判断がしづらいため、出品者にオイル漏れの有無を確認するのがおすすめです。
(3)ショックは抜けていないか
ショックアブソーバーのオイル漏れとともに、ショックが抜けていないかも確認しましょう。
ショックが抜けている状態は減衰力が低下しているため、走行性能や乗り心地に悪影響を与えます。
なお、ショックの抜け状況は目視では確認できません。そのため、ショックアブソーバーの動きを撮影した動画を依頼するか、出品者に抜け状況を確認する必要があります。
アッパーマウントとスプリングを取り外した状態で、ショックアブソーバーが上下に簡単に動く場合はショックが抜けています。
ちなみにショックが抜ける原因はいくつかありますが、基本的にはオイル漏れやオイルの劣化によって発生します。
(4)アッパーマウントに異常はないか
アッパーマウントとは、車高調を車体に取り付けるパーツです。走行中の衝撃や振動を吸収する役割もあるため、アッパーマウントに異常がある場合は乗り心地が悪かったり、異音が発生したりする原因になります。
基本的には異常がある部品を交換すれば問題ありませんが、高額になることもあるため、購入前に異常がないかを確認しましょう。
(5)付属品はそろっているか
中古の車高調を購入する際には、付属品がすべてそろっているかを確認することが重要です。
デメリットでご紹介したとおり、車高調の取り付けに必要な主な付属品は以下のとおりです。ただし、車高調やメーカーによって付属品は異なるため、出品者やメーカーのWebサイトで確認しましょう。
取り付けに必要な主な付属品 |
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・取扱説明書 ・減衰力調整ダイヤル ・車高調整用のレンチ ・スプリングのアジャスター ・ブレーキホースの固定用ステー |
4.車高調の寿命を延ばすためには
新品、中古品に関係なく、車高調の寿命を延ばすためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。
定期的にメンテナンスすることで、ロックシートが固着するのを防ぎ、車高を調整できないというトラブルを防げます。
車高調装着車の使用環境によってメンテナンスのタイミングは異なりますが、車高調の状態を確認しながら3〜4カ月に1回はメンテナンスしましょう。
とくに海沿いの道や雪道を走行した際は、塩害によるサビによって固着しやすくなるため注意してください。
メンテナンス方法は下記の記事で解説しています。
5.車高調に関することはグーネットピットにご相談ください
中古の車高調はフリマアプリなどで安価に販売されているため、車高調初心者でも購入しやすくなっております。ただし、中古の車高調は異音や付属品の不足などによるトラブルが起きたり、修理やメンテナンスによる追加費用が発生したりする恐れがあります。
そのため、基本的には新品の車高調を購入することをおすすめします。もし、中古品を購入する場合は、信頼できる業者に相談したり、信頼できる業者から購入したりしましょう。
車高調の購入や交換、メンテナンスなどについてお悩みの場合は、下記のページからお近くの整備工場にご相談ください。
車高調に関する知識や経験を豊富に持つスタッフがご希望や車高調の状態を確認し、最適なアドバイスをいたします。安心して車高調を購入・使用するためにご利用いただけると幸いです。