パーツ取付・交換
更新日:2024.08.30 / 掲載日:2024.08.19
車のクラッチの交換時期や交換サイン|費用の目安について網羅的に紹介

ミッション車の運転に欠かせない部品のひとつに「クラッチ」があります。クラッチは使い続けることで摩耗する消耗品になるため、定期的に交換する必要があります。
この記事では、車のクラッチの基本的な役割から、交換時期の目安、交換サインなどを紹介しています。
愛車のクラッチの状態が気になる人はぜひご覧ください。
1. 車のクラッチとは?

車のクラッチとは、エンジンの動力をトランスミッションに伝達したり、遮断したりする部品のことです。
エンジンとトランスミッションの間に取り付けられており、車が発進、停止、加速などのギヤチェンジする際に使用します。
AT(オートマチック車)の場合は、トルクコンバーターで自動的にエンジンの動力をミッションに伝達してくれます。一方、MT(マニュアル車)の場合は、クラッチペダルを踏み込むことでエンジンからミッションへの動力が一時的に遮断されるため、ギヤチェンジが可能になります。
2. 車のクラッチの交換時期と交換サイン

クラッチディスクは消耗品のため、走行距離や使用状況に応じて交換する必要があります。ここでは、一般的な交換時期と交換サインをご紹介します。
(1)クラッチの交換時期
クラッチの交換時期は、一般的に走行距離50,000~100,000kmが目安です。
ただし、これはあくまでも目安で、車の使用頻度や環境、運転方法によって劣化スピードは大きく異なります。
走行距離が少なくても、半クラッチを頻繁に使うなどクラッチに負担をかける運転をしている場合は、20,000〜40,000km程度で交換が必要になるでしょう。
逆に、走行距離が多くても丁寧な運転を心掛けている場合は、150,000kmを超えても交換不要な場合もあるのです。
(2)クラッチの交換サイン
以下のような症状が出ている場合、クラッチの交換サインの可能性があります。
1.クラッチペダルが重い・ペダルの戻りが悪い
2.クラッチの遊びがなくなる
3.クラッチの滑りがある
4.発進時に異臭や異音、振動が発生している
このようなサインが出た場合、走行距離50,000kmに到達していなくてもクラッチの交換を検討しましょう。
①クラッチペダルが重い・ペダルの戻りが悪い
クラッチペダルを踏み込んだ際、以前よりも重い感じやペダルの戻りが悪い現象は、クラッチの交換サインの可能性があります。
このようなサインは、レリーズレバーのグリス切れや、クラッチディスクの摩耗や劣化が疑われます。
②クラッチの遊びがなくなる
クラッチペダルを踏み込んだ際の遊びがなくなると、クラッチディスクが摩耗している可能性があります。
クラッチディスクは、クラッチペダルを操作した際に摩擦と圧着を繰り返しており、使い続けていくうちに徐々に摩耗していきます。
クラッチディスクの摩耗が進むと厚みが減少し、クラッチペダルを踏み込んだ際に遊びが少なくなるのです。クラッチディスクの摩耗はクラッチが滑る原因になるため、早めに交換する必要があります。
③クラッチの滑りがある
クラッチの滑りがある場合、クラッチディスクの摩耗や劣化の進行が疑われます。
クラッチの滑りとは、クラッチを踏み込んだ際にエンジン回転数は上がるが車が加速しない、加速しにくい症状のことです。
クラッチの滑りは、最悪の場合、車が動かなくなってしまう恐れがあるため、クラッチが滑り始めたら早急にクラッチディスクを交換しましょう。
④発進時に異臭や異音、振動が発生している
クラッチの操作時に焦げ臭い異臭がする、「キューキュー」「シャーシャー」といった異音がする場合は、クラッチの摩耗がかなり進んでいるサインです。
このような異臭や異音は、摩擦材の摩耗が限界に達して焼きつきが起きている、またはベアリングの劣化が進んでいる可能性があります。
また、クラッチがつながる際に異常な振動が発生している場合は、クラッチ部品の劣化が疑われます。
3. 車のクラッチが劣化する原因
クラッチは摩擦を利用して動力を伝達・遮断するため、使い続けることで劣化していきます。
とくに、以下のような行為はクラッチへの負担が大きくなり、劣化を早める原因となります。
(1)半クラッチを多用している
半クラッチ(半クラ)の多用は、クラッチの劣化を早める大きな原因です。
半クラとは、クラッチペダルを完全に踏み込まず、クラッチが半分接続された状態のことで、MT車を発進させる際に必要な操作です。
ただし、坂道発進時や渋滞時など、必要以上に半クラを使い続けると、クラッチディスクとフライホイールの摩擦が大きくなり、クラッチディスクの摩耗が進みます。
(2)半クラッチ時のエンジン回転数が高い
半クラッチ時にエンジン回転数が高いと、エンジンの動力を伝えるときの摩擦力が大きくなり、クラッチにかかる負担が多くなります。
半クラ時はエンジンの回転数が上がりやすくなりますが、必要以上の回転数はクラッチの劣化を早めてしまう原因になります。
(3)急発進、急加速が多い
急発進や急加速が多い運転は、クラッチに大きな負担をかけます。
これは、発進時や加速時にエンジン回転数が急激に上昇し、クラッチがエンジンからの動力をトランスミッションに伝える際、大きな摩擦が生じるためです。
また、不必要なギヤチェンジも無駄にクラッチを使うことになるため、クラッチの寿命を縮める原因になります。
4. 車のクラッチは自分で交換せずに業者に依頼を
クラッチの交換には専門的な知識や技術、専門道具に加えて、エンジンの脱着が必要になる場合もあります。
DIYでの交換は非常に難易度の高い作業になるため、ご自身で交換することはおすすめしません。
さらに、クラッチの交換は作業工程が多く、時間と労力がかかる作業です。慣れない人が行うと、予想以上の時間と労力が必要となる場合もあります。
安全運転のため、そして確実に作業するためにも、車のクラッチ交換は専門の業者に依頼することをおすすめします。
5. 車のクラッチの交換を依頼する場合
繰り返しになりますが、クラッチをDIYで交換するのは非常に難易度の高い作業になるため、クラッチの交換は専門業者に依頼することをおすすめします。
(1)業者に依頼する場合の費用相場
車のクラッチの交換費用は、50,000〜100,000円が一般的です。
ただし、車種やクラッチの種類、エンジン脱着の必要性などによって大きく変動します。
依頼する業者によっても費用は変動するため、費用を安く抑えるためには複数の業者から見積もりを取り、比較検討することが重要です。
(2) 依頼する業者を選ぶポイント
車のクラッチの交換を業者に依頼する際は、以下のポイントを参考に業者を選びましょう。
ポイント | 説明 |
---|---|
口コミ | 交換費用やサービス内容、スタッフの対応など、実際に利用した人の口コミを参考にしましょう |
料金体系の明確さ | 作業工賃や部品代など、料金体系が明確になっているか確認しましょう。不明瞭な点は事前に問い合わせることが大切です |
保証の有無 | クラッチ交換後に不具合が発生した場合に備え、保証の有無を確認しましょう |
車のクラッチは、車を走行するうえで重要な部品になるため、上記のポイントを踏まえて信頼できる業者を選びましょう。
6. 車のクラッチの交換はグーネットピットにお任せください
車のクラッチは、使用頻度や運転方法によって寿命が大きく変わる消耗品です。
走行距離50,000〜100,000kmに達したらクラッチの交換を検討する必要がありますが、交換サインが出た場合は走行距離50,000km未満でも交換を検討しましょう。
交換サインを無視して使い続けると、最悪、走行中に車が動かなくなるなどの重大なトラブルにつながる恐れがあります。そのため、異音や振動など、少しでも違和感を感じたら、早めに専門業者で点検を受けるようにしましょう。
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