パーツ取付・交換
更新日:2024.09.26 / 掲載日:2024.09.17
車高調の部品名と役割一覧|構造や仕組み、調整方法をわかりやすく解説

車高調とは、車の車高や乗り心地を調整できるサスペンションのことです。
車高調には、スプリングやショックアブソーバーなどの部品があり、これらの部品を調整することで、自分好みの車高や乗り心地を実現できます。
この記事では、車高調の特徴や仕組み、主な部品の役割などを解説します。
調整方法や選び方のポイント、Q&Aなどについても解説していますので、車高調についてもっと知りたいという人は、ぜひ最後までご覧ください。
1. 車高調の特徴と仕組み

車高調とは、車の車高を調整できるサスペンションのことです。
さらに、乗り心地やハンドリングの調整も可能なため、スポーツ走行やドレスアップなど、さまざまな目的で取り付けられています。
(1) 車高調の特徴
車高調は純正のサスペンションとは異なり、車高を自由に調整できます。
車高を下げることで、車の重心が低くなり、ハンドリング性能やコーナリング性能が向上します。また、車高を上げることで、悪路走破性の向上も期待できるのです。
車高調は、スプリングやショックアブソーバーなどの部品で構成されており、これらの部品を調整することで、自分好みの乗り心地に仕上げることも可能です。
(2) 車高調の仕組み
車高調には、大きく分けて「全長調整式」と「ネジ式」の2種類があります。
種類 | 特徴 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
全長調整式 | ショックアブソーバーの全長を変えることで車高を調整 | ショックアブソーバーのストローク量を変化させずに車高を調整できるため、乗り心地に影響が出にくい | 構造が複雑なため、ネジ式に比べて価格が高い |
ネジ式 | スプリングを支える部分の位置を変えることで車高を調整 | 全長調整式に比べて構造がシンプルなため、価格が安い | 車高を調整すると、ショックアブソーバーのストローク量が変化するため、乗り心地に影響が出やすい |
最近では、全長調整式の車高調が主流になりつつあります。
全長調整式は、ショックアブソーバーの全長を変えることで車高を調整します。そのため、車高を調整しても、ショックアブソーバーのストローク量は変わりません。
ショックアブソーバーのストローク量は、乗り心地に影響を与えるため、全長調整式は乗り心地に影響が出にくいのが特徴です。
一方、ネジ式は、スプリングを支える部分の位置を変えることで車高を調整します。そのため、車高を調整すると、ショックアブソーバーのストローク量が変化してしまいます。
ショックアブソーバーのストローク量が変化すると、乗り心地に影響が出やすくなってしまうのが特徴です。
2. 車高調の構造と主な部品の役割
車高調を構成する主な部品と、それぞれの役割について解説していきます。
これらの部品が組み合わさり、車高調として機能することで、車高調整や乗り心地の調整といった役割を果たします。
(1) 減衰力調整ダイヤル
減衰力調整ダイヤルは、一般的に車高調のショックアブソーバーの上部または下部に設置されており、ショックアブソーバーの硬さを調整する役割を担っています。
ショックアブソーバーは、スプリングの動きを抑制し、車体の揺れを抑えるのが役割です。減衰力調整ダイヤルを調整することで、ショックアブソーバーの抵抗力を変え、乗り心地を調整できます。
(2) アッパーマウント
アッパーマウントは車高調の先端に取り付けられている部品のことで、車高調を車体に固定する役割があります。
また、走行中の振動や衝撃を吸収する役割があるため、取り付けるアッパーマウントによって乗り心地やハンドリング性能が異なります。
アッパーマウントについては、こちらの記事でくわしく解説しています。
(3) スプリング
車高調において、スプリングは車体の高さや乗り心地、走行性能に大きな影響を与える部品です。
なお、車体の高さや乗り心地、走行性能は、スプリングの長さやバネレートによって異なります。
車高を下げたい場合は短いスプリング、硬い乗り心地を求める場合はバネレートの高いスプリングを選択することで、自分の好みに仕上げられます。
スプリングについては、こちらの記事でくわしく解説しています。
(4) ショックアブソーバー
ショックアブソーバーは、スプリングの動きを抑制し、車体の振動を吸収する重要な役割を担う部品です。
ショックアブソーバーが機能しなければ、一度のバネの伸縮で車が上下に大きく揺れ続け、運転操作が不安定になるだけでなく、乗り心地も悪化します。
ショックアブソーバー内部に封入されたオイルやガスを利用することで、スプリングの動きを抑制しています。
(5) ダストブーツ
ダストブーツは、純正のショックアブソーバーにも装着されている蛇腹状の部品のことです。
走行中に砂利や泥、ホコリなどが侵入するのを防ぎ、足回り部品を保護する役割があります。ダストブーツが破損すると、異物がショックアブソーバー内部に侵入しやすくなり、オイル漏れや性能低下につながります。
ダストブーツについては、こちらの記事でくわしく解説しています。
(6) バンプラバー
バンプラバーは、サスペンションが大きく縮み込んだ際に、底付きするのを防いでくれる部品です。
基本的にはアッパーシートとスプリングの間、またはスプリング部分に装着されています。バンプラバーがあることで、サスペンションの損傷を防ぐだけでなく、乗り心地の悪化も抑えられるのです。
バンプラバーについては、こちらの記事でくわしく解説しています。
(7) スプリングシート
スプリングシートは、車高調のスプリングの上下に装着される部品のことで、スプリングの台座となる部分です。上部のスプリングシートをアッパーシート、下部をロアシートといいます。
スプリングシートの役割は、スプリングをしっかりと固定し、路面から受ける衝撃を吸収することです。
通常、スプリングシートは一度取り付けたら動かすことはありませんが、車高やプリロード(スプリングの初期張力)を調整する際には、このスプリングシートの位置を調整します。
また、スプリングシートが緩んでしまうと、車高や乗り心地に影響を与えてしまいます。そのため、スプリングシートとショックアブソーバー本体の間には、スプリングシートを固定するためのロックシートが装着されています。
スプリングシートについては、こちらの記事でくわしく解説しています。
(8) ロックシート
ロックシートとは、スプリングシートを固定するための部品です。スプリングシートとショックアブソーバー本体の間に装着され、スプリングシートが緩んでしまうのを防ぎます。
全長調整式(フルタップ式)の車高調を使って車高を調整する場合、正しい方向と手順でロックシートやスプリングシートを回す必要があります。
ロックシートについては、こちらの記事でくわしく解説しています。
(9) ロアブラケット
ロアブラケットとは、車高調の下側と車のアームなどを接続する重要な部品です。
全長調整式の車高調の場合、ロアブラケットの内側にネジ山が切られています。このネジ部分を回すことで、ショックアブソーバーの取り付け位置が上下に変わり、車高を調整できます。
3. 車高調を選ぶ際のチェックポイント
車高調を選ぶ際には、いくつかの重要なチェックポイントがあります。
ご自身の車や使用目的に合った最適な車高調を選ぶために、以下のポイントをチェックしましょう。
チェックポイント | 内容 |
---|---|
車種との適合性 | ・車種に適合した製品を選ぶ ・同じ車種でも年式やグレードで適合可否が異なる場合がある |
使用目的や走行環境 | ・街乗りや長距離ドライブでは、乗り心地と静粛性を重視 ・サーキットやワインディングロードでは、ステアリングレスポンスやハンドリング性能を重視 ・車高を下げる目的のみならネジ式でも可能 ・乗り心地を維持したまま車高を下げるなら全長調整式がおすすめ |
価格帯 | 高性能な車高調ほど高価格帯だが、高価なものが最適とは限らないため、使用環境に合ったものを選ぶ |
取り扱い店舗 | ・車種に対応した車高調を取り扱っているか確認 ・信頼できる店舗を選ぶ(丁寧な接客、質問への的確な回答、オーバーホール対応など) |
各チェックポイントの詳細は、こちらの記事でくわしく解説していますので、ぜひご覧ください。
4. 車高の調整方法

車高を調整する場合、ロックシートやスプリングシートを正しい方向と手順で回す必要があります。
【車高を下げたいとき】
1.ブラケット側のロックシートを反時計回りに回す
2.スプリングシートをロックする
3.ロックしたらスプリングシートを時計回りに回す
【車高を上げたいとき】
1.ブラケット側のロックシートを反時計回りに回す
2.スプリングシート側のロックシートを反時計回りに回す
車高の調整方法をくわしく知りたい人は、下記の記事にて解説していますのでご覧いただけると幸いです。
なお、車高の調整に自信がないときは、自分で無理におこなわず業者へ依頼することを強くおすすめします。
5. 車高調に関するよくある質問
車高調に関してよくある質問を5つご紹介します。
1.車高調を装着していても車検は通る?
2.車高調はDIYで取り付けられる?
3.車高調の取り付け費用の目安は?
4.車高調のメンテナンス方法は?
5.車高調の寿命は?
(1) 車高調を装着していても車検は通る?
車高調を装着した状態でも、保安基準に適合していれば車検は通ります。
保安基準では、最低地上高が9cm以上と定められているため、車高調を装着する際は、この数値をクリアしているか確認しましょう。
地上高の9センチの基準などについては、こちらの記事でくわしく解説しています。
(2) 車高調はDIYで取り付けられる?
車高調の取り付けは、自動車整備士並みの専門知識や技術、取り付けに必要な道具があればDIYでも可能です。
そのため、車高調に関する専門知識やメンテナンス知識がない人、自信を持って取り付けられない人は、DIYで取り付けようとせず、専門業者に依頼することを強くおすすめします。
DIYで取り付ければ業者に依頼する費用を抑えられますが、取り付け方法を誤ると、重大な事故につながる恐れがあります。
(3) 車高調の取り付け費用の目安は?
車高調の取り付け費用は車種や製品、依頼する業者によって異なりますが、一般的には以下の料金表の費用が発生します。
車高調の取り付けから調整までの料金相場 | |
---|---|
車高調本体の購入 | 80,000~180,000円 |
取り付け工賃 | 20,000~40,000円 |
車高調整・アライメント調整 | 15,000~30,000円 |
なお、作業時間はおおよそ2時間程度が一般的ですが、依頼先の混雑状況によって前後する可能性があります。
(4) 車高調のメンテナンス方法は?
車高調のメンテナンスとは、主にネジ部を雨水や泥水から守り、スムーズに車高調整するための作業です。
メンテナンスを怠るとネジ部に錆が発生したり、ロックシートとの間に砂利や泥が入り込んだりするため、ロックシートが固着し、車高調整が困難になります。
とくに、海沿いや雪道を走行したあとは、塩害により錆や固着のリスクが高まります。
快適なドライブを楽しむためにも、定期的なメンテナンスを心がけましょう。具体的なメンテナンス方法については、こちらの記事でくわしく解説しています。
(5) 車高調の寿命は?
車高調の寿命は走行距離30,000〜40,000km、または使用期間2〜3年が目安です。
車高調の寿命を超えて使い続けると、本来の性能を発揮できなくなり、乗り心地が悪化するだけでなく、安全運転にも悪影響を与ええます。
もし、車高調の寿命が近づいていると感じたら、無理に使い続けるのではなく、オーバーホールや交換を検討しましょう。
車高調の寿命については、こちらの記事でくわしく解説していますのでご覧ください。
6. 車高調に関することはグーネットピットにお任せください
車高調は、車高を自由に変えられるだけでなく、乗り心地も調整できるため、車好きにとって魅力的なドレスアップパーツです。
しかし、車高調は複雑な構造をしているため、部品交換やメンテナンスには専門知識や経験が必要です。
そのため、自分で作業するのは不安……と感じている人は多いのではないでしょうか。
そんなときは、グーネットピットにご相談ください。グーネットピットなら、経験豊富なプロが車高調の取り付けからメンテナンス、お客様の車種に合わせた最適な製品選びまで、しっかりとサポートいたします。
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