パーツ取付・交換
更新日:2024.09.27 / 掲載日:2024.09.25
シートカバーの取り付け方と注意点、取り付け費用を紹介|自動車整備士監修

シートカバーは、車内の雰囲気をガラリと変えたい、シートの汚れや傷を防ぎたいという人におすすめのアイテムです。
しかし、いざシートカバーを取り付けようと思っても、「自分の車に合ったシートカバーはどれなのか」「自分で取り付けられるか」など、さまざまな疑問をお持ちの人も多いのではないでしょうか。
この記事では、シートカバーの取り付け方だけでなく、取り付けるメリット・デメリット、取り付け費用まで、自動車整備士監修のもと、わかりやすく解説していきます。
取り付け時の注意点やシートカバーを選ぶ際のポイントもご紹介していますので、ぜひご覧ください。
1. シートカバーとは

シートカバーとは、その名のとおり車の座席を覆うカバーのことです。車のシートにかぶせることで、汚れや傷から守ったり、車内の雰囲気を変えたりできます。
車のシートは長く使っていると、どうしても劣化や汚れ、色褪せが目立ってきます。シートを交換すればきれいになりますが、高額な費用がかかるため、簡単には交換できません。
そこでおすすめなのが、シートカバーです。
シートカバーなら、既存のシートの上からかぶせるだけのため、シート交換よりも手軽に対応できます。
素材やデザイン、機能性も豊富なため、車内の雰囲気をガラリと変えたい人や、愛車のシートを汚れや傷から守りたい人におすすめです。
2. シートカバーの取り付け方
シートカバーの取り付けは、正しい知識を身につけ適切な手順を踏めば、DIYでも取り付けできます。
ここでは、一般的なシートカバーの取り付け方について、ステップごとにご紹介します。
など、選ぶシートカバーによっては取り付け順序が指定されているため、実際に取り付ける際は、必ず取扱説明書を読んでから作業しましょう。
取り付け順序を間違えると「せっかく取り付けたのに、順序を間違えたから取り外さないといけなくなった」ということになりかねません。
(1) 既存のシートを掃除する

シートカバーの取り付けを始める前に、まずは既存のシートを掃除しましょう。一見きれいに見えても、シートの表面には目に見えないホコリや汚れが付着しているものです。
ホコリやゴミが付着していると、これらの汚れが原因でシートカバーが傷んでしまったり、カビが発生したりする原因となります。
掃除機や固く絞ったタオルなどを使って、シートの表面や隙間の汚れなどを丁寧に落としましょう。
なお、シートが濡れたままシートカバーを取り付けてしまうと、カビの原因になります。シートをよく乾燥させてから、シートカバーの取り付けを始めましょう。
(2) ヘッドレストを取り外す
シートカバーを取り付ける前に、ヘッドレストを取り外します。
ヘッドレストの根元部分を確認すると、ボタンやレバーが付いているので、それを押しながらヘッドレストを引き抜きます。
ヘッドレストの取り外し方がわからない場合は、無理に力を入れて引っ張らずに取扱説明書を確認するか、ディーラーに相談しましょう。
(3) アームレストを取り外す
アームレストが付いている場合は、シートカバーを取り付ける前に取り外しておきます。
アームレストとは、運転席と助手席の間や、後部座席にあるひじ掛けのことです。車種によってはアームレストが一体型になっている場合があり、その場合は取り外せません。
多くの車種では、アームレストの付け根部分にボルトやネジを隠しているカバーがあるため、アームレストの付け根部分を確認します。
カバーは、マイナスドライバーなどを隙間に差し込んでこじ開けると取り外せます。カバーを取り外したら、ボルトやネジを緩めてアームレスト本体を取り外します。
アームレストの取り外し方も車種によって異なるため、取り外し方がわからない場合は、取扱説明書を確認するか、ディーラーに相談しましょう。
(4) シートカバーを取り付ける

シートとシートカバーの形状、ステッチラインを合わせながら、シートカバーをかぶせていき、シート全体にフィットさせます。
このとき、シートカバーの裏表を間違えないように注意しましょう。シートカバーの裏表がわかりにくい場合は、タグや縫い目の位置を確認するとよいでしょう。
また、シワやたるみができないように注意しながら、丁寧に作業することが大切です。
具体的な手順は以下のとおりです。
①背もたれ部分から被せる
多くの場合、シートカバーは背もたれ部分から被せるように設計されています。
背もたれの形状に合わせて、シートカバーを上からかぶせていきましょう。
また、背もたれのシートカバー上部に穴が開いている場合は、ヘッドレストの取り付け穴に通します。
②座面部分の固定
背もたれ部分を被せたら、次に座面部分をシートカバーで覆います。
座面の下にシートカバーの固定用紐やマジックテープを通す部分がある場合は、説明書の指示に従ってしっかりと固定しましょう。
③全体を調整する
シートカバー全体を調整し、シワやたるみがないか確認します。
とくに、縫い目部分やカーブしている部分はシワになりやすいので、丁寧に伸ばしながらフィットさせましょう。
④付属のフックやゴムバンドで固定
シートカバーによっては、フックやゴムバンドが付属している場合があります。
付属されている場合は、これらのパーツを使って、シートカバーをシートにしっかりと固定します。
(5) ヘッドレストカバーを取り付ける
シートカバーをかぶせたら、次はヘッドレストカバーを取り付けましょう。ヘッドレストカバーの取り付け方も、基本的にはシートカバーと同じです。
ヘッドレストカバーを裏返して、ヘッドレストに通していきます。このとき、カバーの縫い目やタグの位置を確認し、上下左右を間違えないように注意しましょう。
ヘッドレスト全体にカバーを被せたら、シワやたるみができないように形を整えます。とくに、ヘッドレストの角の部分はカバーが引っ張られて伸びやすいので、丁寧に伸ばしながらフィットさせましょう。
(6) アームレストカバーを取り付ける
アームレストカバーをアームレストにかぶせて、形を整えながら隙間なくフィットさせ、取り付けます。
シワやたるみができないように注意しながら、全体を均等に引っ張り装着することがポイントです。
(7) ヘッドレストとアームレストを取り付ける
ヘッドレストとアームレストにもカバーを取り付けたら、これらを元のシートに取り付けます。
ヘッドレストをシートバック(シート背もたれの上部)の穴に差し込み、カチッと音がするまで押し込みます。アームレストは取り外した際の逆の手順で、ボルトを締めて固定します。
3. シートカバー取り付ける際の注意点3つ

シートカバーを取り付ける際は、いくつか注意点があります。
1.シートカバーを無理に引っ張らない
2.低温時はドライヤーなどで温める
3.指先を怪我しないように注意する
順にご紹介します。
(1) シートカバーを無理に引っ張らない
シートカバーは、無理に引っ張ると破ける恐れがあるため、力任せに行うのではなく、丁寧に作業することが大切です。
とくに、サイドサポート部分や外側にカーブしている部分は、シワやヨレが発生しやすいので注意が必要です。焦らず、少しずつ力を加えて、カバーを伸ばしながら取り付けましょう。
(2) 低温時はドライヤーなどで温める
冬場など気温が低いときは、材質によってシートカバーが硬くなってしまい、取り付けが難しくなります。
無理に取り付けようとすると、シートカバーが破ける恐れがあるので、ドライヤーなどを使って、シートカバーを温めてから作業しましょう。
ただし、温めすぎるとシートカバーの変形や変色の原因になります。そのため、ドライヤーなどを使う場合、温風を当てすぎないように、シートカバーから10cmほど離した位置から温めるようにしましょう。
(3) 指先を怪我しないように注意する
シートカバーの取り付けには、意外と力が必要です。無理に作業を進めると、指先をシートのフレームなどで傷つけてしまう恐れがあります。
そのため、シートカバーを取り付ける際は、軍手や作業用手袋を着用するなどして、手を保護しながら作業しましょう。
4. シートカバーを取り付けるメリット・デメリット

シートカバーを取り付けるメリットとデメリットをご紹介します。
(1) シートカバーを取り付けるメリット
シートカバーを取り付けるメリットは、以下の3つです。
1.車内の雰囲気をカスタマイズできる
2.小さなお子様やペットを安心して乗せられる
3.清潔さを保ちやすい
順にご紹介します。
①車内の雰囲気をカスタマイズできる
シートカバーのデザインやカラーは豊富にあるため、取り付けることで車内の雰囲気をガラリと変えられ、自分好みにカスタマイズできます。
たとえば、スポーティーなデザインが好みであれば、赤や青などのビビッドカラーのシートカバーや、カーボン調のデザインを取り入れることで、車内をスポーティーな雰囲気に演出できます。
高級感を演出したい場合は、レザー調の素材や落ち着いた色合いのシートカバーがおすすめです。
②小さなお子様やペットを安心して乗せられる
シートカバーには、既存のシートを汚れや傷から守る役割があります。
小さなお子様やペットを乗せる機会が多い場合、食べこぼしや飲みこぼし、泥汚れ、ペットの毛などが気になるものです。
防水加工が施されたシートカバーを選ぶことで、飲み物や食べ物をこぼしても、シートに染み込むのを防げるでしょう。さらに、ペットの爪による傷を防ぐ効果も期待できます。
また、元のシートを傷や汚れから保護できるため、売却時のマイナス査定を防げます。
③清潔さを保ちやすい
シートカバーは取り外して洗えるものが多く、清潔さを保ちやすいのがメリットです。
小さなお子様やペットを乗せる機会が多い場合、座席は食べこぼしや飲みこぼし、泥汚れなどによって不衛生になったり、汚れが目立ったりします。
そこで、シートカバーをしていれば万が一汚れてしまっても、取り外して洗えるため安心です。
ただし、シートカバーの素材によって、洗濯方法が異なるため、事前に取扱説明書を確認しましょう。
たとえば、合成皮革のシートカバーは、水拭きできるものが多いですが、素材によってはひび割れの原因となる場合があるので注意が必要です。
本革のシートカバーは、水洗いができないものがほとんどになるため、専用のクリーナーを使って汚れを落としましょう。
(2) シートカバーを取り付けるデメリット
シートカバーを取り付けるデメリットは、以下の3つです。
順にご紹介します。
①取り付けに手間がかかる
シートカバーの取り付けは、手間と時間がかかる作業です。
一般的なシートカバーは、車種ごとにカスタマイズして作られています。しかし、座席の形状によっては、ぴったりと装着させるために微調整が必要になる場合があります。
とくに、複雑な形状のシートや多数のパーツで構成されたシートカバーの場合、 説明書を読みながら作業を進めても、予想以上に手間と時間がかかってしまうでしょう。
②シートカバーの費用がかかる
シートカバーは決して安い買い物ではなく、その素材や機能、車種専用かどうかなどによって費用が大きく異なります。
ここでは、シートカバーの価格相場を素材別に紹介します。
素材 | 費用相場 |
---|---|
布地 | 5,000円〜 |
PVCレザー | 10,000円~ |
本革 | 30,000円〜 |
一般的に、布地やPVCレザー製のシートカバーは比較的手頃な価格で購入できます。一方、本革製のシートカバーは高価になる傾向があります。
ただし、上記の価格相場はあくまでも目安です。シートカバーのブランドや販売店、車の車種やシートの形状によっても価格は変動します。
③シートカバーの機能制限
シートカバーを装着することで、シート本来の機能が一部制限される場合があります。
たとえば、以下のような機能が制限される可能性があります。
機能 | 内容 |
---|---|
シートクッションエアバッグ | シートカバーがエアバッグの展開を妨げてしまうことがある |
シートヒーター | シートカバーの素材によっては、シートヒーターの機能を阻害してしまうことがある |
リクライニング/スライド | シートカバーがシートの可動域を制限してしまうことがある |
ISOFIX | シートカバーがチャイルドシートの取り付け部分を覆ってしまい、ISOFIXの機能が使えなくなることがある |
5. シートカバーを選ぶ際のポイント
シートカバーを選ぶ際は以下の3つのポイントをもとに、ご自身の用途や好みに合わせて、最適なシートカバーを選びましょう。
(1) 素材
シートカバーを選ぶうえで、素材選びは重要な要素のひとつです。
シートカバーの素材は大きく分けて「布地」「PVCレザー」「本革」の3種類があり、それぞれ特徴は異なります。
素材 | メリット | デメリット |
---|---|---|
布地 | ・通気性がよく、蒸れにくい ・柔らかく温かみのある肌触り | 汚れや水に弱く、シミになりやすい |
PVCレザー | ・価格が安い ・耐水性に優れているため、汚れを簡単に拭き取れる ・カラーバリエーションが豊富 | ・本革と比較して質感が劣る ・夏場や冬場は温度変化の影響を受けやすい |
本革 | ・高級感があり、車内の雰囲気がグッとアップする ・使えば使うほど味が出てくる | ・価格が高い ・水や汚れに弱く、こまめなメンテナンスが必要 |
(2) 車種別専用設計と汎用タイプ
シートカバーの種類には、「車種別専用設計」と「汎用タイプ」の2種類があります。
タイプ | 特徴 |
---|---|
車種別専用設計 | 特定の車種に合わせて作られているため、シートにぴったりフィットする |
汎用タイプ | さまざまな車種に使えるように設計されている |
車種別専用設計タイプは、まるでシートを張り替えたかのような仕上がりになる点が魅力です。
シートの形状に合わせて作られているため、隙間ができにくく、ズレにくいというメリットがあります。エアバッグやシート機能を損なわないよう設計されている点もポイントです。
一方、汎用タイプは、多くの車種に使える汎用性の高さがメリットです。価格が安いものが多く、気軽にシートカバーを取り付けたいという人におすすめです。
ただし、シートとの間に隙間ができやすく、ズレが生じやすいというデメリットもあります。
(3) デザイン
シートカバーのデザインは、車内の雰囲気を大きく左右します。シートカバーを選ぶ際には、デザインも重要視しましょう。
たとえば、スポーティーな車には、シンプルなデザインやパンチング加工が施されたシートカバーが似合います。
高級感を演出したい場合は、レザー素材やダブルステッチのデザインがおすすめです。
可愛らしい雰囲気にしたい場合は、明るいカラーやチェック柄のデザインのシートカバーも販売されています。
このように、シートカバーのデザインは多種多様なので、自分の車に合ったシートカバーを見つけてみましょう。
6. 業者にシートカバーの取り付けを依頼する場合

シートカバーの取り付けは、慣れない人にとっては難しく、時間がかかってしまう作業です。そこで、シートカバーを取り付けたい場合は、業者に依頼することも検討しましょう。
業者に依頼する場合の費用は、10,000〜20,000円程度(本体代除く)が相場です。ただし、車種やシートカバーの種類、業者の料金設定によって費用は異なるため、事前に問い合わせて確認しておきましょう。
業者に依頼することで、専門的な知識や技術を持ったスタッフが丁寧に取り付けてくれるため、安心して任せられます。
7. シートカバーの取り付けはグーネットピットにお任せください
シートカバーは、車の内装を自分好みに変えたい人や、シートの汚れを防ぎたい人におすすめのアイテムです。
しかし、シートカバーの取り付けは慣れない人にとっては難しく、無理に取り付けようとすると、シートカバーや座席を傷つけてしまう恐れがあります。
そのため、自信を持って取り付けられない人は、プロの業者に依頼することをおすすめします。業者に依頼する場合、費用はかかりますが確実に取り付けてもらえます。
もし、シートカバーの取り付けでお困りの際は、グーネットピットにお任せください。シートカバーの取り付けはもちろん、車検や修理など、愛車のトータルサポートをいたします。
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