故障・修理
更新日:2023.01.31 / 掲載日:2023.01.31

トヨタとKINTOが進化したサブスクリプションサービスを開始

 車のサブスクリプションが大幅に進化してきた。車のサブスクとは、自動車保険、自動車税、メンテナンス、登録諸費用・税金、車検費用などをパッケージにして月額定額で提供するサービスだ。

 これをベースに、車を届けた後も技術革新に合わせて使用過程にある車の機能を「進化」させる新しいサービスをトヨタとKINTOが開発し、「KINTO アンリミテッド」として今冬発売される新型プリウスの一部グレードより提供を開始する。

購入後の技術革新に合わせ最新機能の後付けなど進化を届ける

購入後の技術革新に合わせ最新機能の後付けなど進化を届ける
KINTOのホームページより

 車の技術革新は電動化や自動車化、コネクティッド化を中心に目覚ましい進歩を遂げている。その一方で、車の使用期間は長期化しているため、その技術革新を自分の車に反映するタイミングとのギャップは広がり続けているのが現状だ。

 トヨタとKINTOはこうした状況を変えるため、ユーザーが現在乗っている車に、その後の技術革新に合わせ、ソフトウェア・ハードウェアの機能をタイムリーに提供することで、車を最新の状態に「進化」させる技術を開発し、「KINTO ファクトリー」として22年1月28日より展開している。

 KINTO ファクトリーは車を進化させる方法として、基本性能を向上させる「アップグレード」、古くなったアイテムを新品に交換する「リフォーム」、運転時のデータを元に車の設定を最適化する「パーソナライズ」の3つを用意している。

 このうち、アップグレードは「インテリジェントクリアランスソナー」、「ブラインドスポットモニター」、「リヤクロストラフィックアラート」の後付けと「パワーバックドアのキックセンサ」の追加などにより、車の安全性能を向上させることができる。

 1台の車に長く乗り続ける人が増えている現在、買替時期が延びるほど最新技術のメリットを受けられる期間は延びていく。KINTO ファクトリーは車を買い替えずに最新技術のメリットを受けられる画期的なサービスと言える。

安心とリーズナブルを実現するアップグレードとコネクティッド

安心とリーズナブルを実現するアップグレードとコネクティッド
アップグレードすることを前提にした設計で車を進化させる。

 今回、新たに開発したKINTO アンリミテッドは、この進化形と言えるものだ。車を届けた後も進化させ続けるために、KINTOのサブスクをベースに新たにトヨタの技術を駆使して「進化=アップグレード」と「見守り=コネクティッド」の2つの付加価値を提供する。

 対象の新型プリウスは従来の車とは異なり、アップグレードとコネクティッド機能を搭載し、納車後も安全と安心を届けられるように設計されている。これにより、サブスクの契約から利用を終えて返却する間に下がっていく車の価値を維持する独自の仕組みを構築。これを基盤とし、価値を維持する分をサブスクの月額利用料の引き下げに予め充当することで、リーズナブルに利用できるようにする。

 車を届けた後の進化は、契約した車にソフトウェアとハードウェアのアップグレードを行うことで実現する。ソフトウェアの最新化は、スマホのようにオンラインで更新できる「OTA=Over The Air」を導入することで、衝突被害軽減ブレーキをはじめとするトヨタセーフティセンスをその都度最新に進化させる。費用はサブスクの月額利用料に含めるため追加負担はない。

 ハードウェアのアップグレードは施工時間がかかるために実現が難しいとされてきたが、アップグレードを想定して配線の調整やセンサーの取り付けなど、納車後の後付けに必要な施工作業の大部分を車に織り込んでおく「アップグレードレディ設計」を開発。

 これにより、ブラインドスポットモニターの場合、アップグレードレディ設計がない状態と比較すると、施工作業時間は13時間から3時間へ大幅な削減が可能となり、新車契約時にオプション品を選ぶのと同じように、納車後も欲しいと思ったタイミングでハードウェアを後付けすることが可能になった。

 料金は一括払いまたは毎月のサブスクの利用料への加算から選べる。利用料に加算する場合は実質使った分だけの料金なので、リーズナブルに必要な機能・装備を楽しむことができる。

 ブラインドスポットモニター、パノラミックビューモニター、ステアリングヒーターなどをラインアップし、23年の年央から提供を始め、将来登場する装備や機能もその都度後付けできるようにアイテムを拡充していく。

コネクティッドで運転データを見える化し最適なメンテを案内

コネクティッドで運転データを見える化し最適なメンテを案内
コネクティッド技術でユーザーを見守る。

 見守りはトヨタのコネクティッド技術「T‐コネクト」を通じて実現する。「コネクティッドドライブトレーナー」として、アクセルやブレーキの踏み方に加え、ハンドル操作やウィンカーを出すタイミングなど、個々のユーザーの運転データを収集・分析することで、ユーザー一人ひとりに安全で燃費の良い運転のポイントを専用アプリでアドバイスする。

 当面、実証実験と位置づけるため費用の追加負担はない。将来的にはサブスクの月額利用料に含めて提供する予定だ。また、運転データから装備や機能のアップグレードも提案していく。

 さらに、「コネクティッドカーケア」として、車の使われ方に応じた最適なタイミングでメンテナンス入庫を案内する。走行距離や走り方、外部環境など様々な運転データを基に、エンジンオイルなどの消耗品の劣化状態を推測する技術を開発。

 従来は期間や距離を基準に交換してきたエンジンオイルを一律のタイミングで交換するのではなく、車の使用状況に応じた最適なタイミングで専用アプリやディスプレイオーディオなどを通じて交換時期を案内する。

 オイル交換の提案から始め、順次メニューを拡充していく。費用はサブスクの月額利用料に含めるため追加負担はない。アップグレードとコネクティッドの提供開始に向け、2月を目途にKINTO アンリミテッド専用アプリを公開する。

 車のソフトウェアとハードウェアがアップグレードされて進化し、コネクティッド技術で見守られることで安全性も向上する。しかも費用はリーズナブルな定額制。大幅にバージョンアップし、これまでにない車の乗り方を開発したKINTOの新サービスから目が離せない。

出典:アフターマーケット 2023年 1月号

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グーネットピット編集部

ライタープロフィール

グーネットピット編集部

車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

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