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更新日:2023.06.27 / 掲載日:2023.06.27
ホンダヴェゼルで車中泊はできる?ヴェゼルを使うメリットやおすすめアイテムを紹介

ホンダヴェゼルはコンパクトなSUVでありながら、ミニバンの使いやすさも両立させたモデルです。ヴェゼルで車中泊をしたいと考えている方もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、ホンダヴェゼルの概要や車中泊をする際のメリット、おすすめのアイテムなどを解説します。
ホンダヴェゼルはどのような車?車中泊に向いている?

「ヴェゼル」は2013年12月に発売されたホンダのコンパクトSUVです。フィットをベースに開発されており、コンパクトながらSUVらしさとミニバンの使いやすさを両立させたモデルです。2021年4月には現行型へフルモデルチェンジされました。
ヴェゼルの後部座席を倒すと、荷室の広さが約153cm×約100cmに拡大します。後部座席はダイブダウン機構という仕組みになっており、シート肩口のレバーを引くだけで簡単に倒せて便利です。荷室の対角線は約180cmあり、背が高めの男性でも斜めになればそのままでも寝られます。
また、前席を前方にスライドすれば、荷室の全長が約153cmから約184cmになるため、斜めにならないと寝られなかった人でもまっすぐに寝られるようになるでしょう。
新型ヴェゼルは旧型と比べてどう変わった?車中泊に向いているのはどっち?

2021年4月にフルモデルチェンジした現行型は、旧型と比べてどのあたりが異なるのでしょうか。
まず、積載量は現行型のほうが少なくなっています。ただし、旧型の荷室はタイヤハウス部分などに凹凸があるのに対して、現行型は荷室内の凹凸が少ないのが特長です。そのため、現行型ヴェゼルは積載量こそ旧型に劣るものの、荷室がフラットであることから、旧型よりも荷物を積載しやすいといえます。
また、旧型ヴェゼルは現行型ヴェゼルに比べ荷室の床面が低く、後席シートを倒した際にシートと床面の間に段差が生じますが、現行型ヴェゼルでは段差がほとんどありません。このため、現行型ヴェゼルのほうが車中泊をしやすいでしょう。
ヴェゼルで車中泊するメリット

ヴェゼルでの車中泊は、荷室がフラットになることや長距離運転でも疲れにくいことなどがメリットとして挙げられます。それぞれについて詳しく説明します。
荷室がほぼフラットになる
ヴェゼルは荷室がほぼフラットになります。多くの車はガソリンタンクが後席下にありますが、ヴェゼルではガソリンタンクを前席下に設置する「センタータンクレイアウト」を採用しているからです。さらに、後席の座面が下に沈み込む「ダイブダウン機構」により後席を低く収納でき、段差が少ないフラットな荷室を実現しています。
荷室に段差がある場合は、マットや毛布などで段差を埋める工夫が必要ですが、ヴェゼルではそうした手間をかけることなく車中泊が楽しめるでしょう。
運転が快適で長距離運転でも疲れにくい
ヴェゼルはホンダのコンパクトカーであるフィットがベースになっており、SUVでありながら小回りがよくききます。そのため、市街地の狭い道路や駐車場などでもスムーズに運転できるでしょう。
一方で、高速道路や山道でも力不足を感じさせないパワーも持っています。また、「アダプティブクルーズコントロール(ACC)」を備えており、高速道路では先行車と適切な車間を自動で維持しながら追従走行します。
ヴェゼルのACCは渋滞追従機能付きで、先行車が停車すれば自動で停車するためより安全です。長距離の高速道路運転でも、体力の消耗を防ぎながら安全運転できるでしょう。
旅をしながら車中泊をする場合、市街地や高速道路、山道などを走る必要がありますが、ヴェゼルであればバランスの良い走行で、疲れにくい快適な運転が可能です。
燃費が良いため旅費を節約できる
ヴェゼルの現行型では、EVに近いハイブリッドシステムである「e:HEV」を搭載したグレードもあります。
e:HEV搭載車(FF車)の燃費は、従来の試験方法であるJC08モードで30.4km/L、より実燃費に近いといわれるWLTCモードで24.8~25.0km/Lです。ガソリン車はWLTCモードで17.0km/Lです。
ハイブリッド車の燃費はかなり優秀であるため、車中泊が必要な長距離の旅をする場合でも、ガソリン料金を抑えられます。
ヴェゼルで車中泊する際の注意点

ヴェゼルはコンパクトな車であるため、背が高い人や複数での車中泊は厳しい場合もあります。それぞれの注意点について詳しく説明します。
背の高い人だと窮屈に感じる場合がある
ヴェゼルの荷室は後部座席を倒した状態で約153cm×約100cmで、背が高いと窮屈に感じてしまうでしょう。対角線が約180cmのため斜めになれば寝られる人も増えますが、斜めに寝た場合は、荷物の置き場所などに工夫が必要です。
前席を前にスライドすれば、荷室の全長を約184cmにできます。ただし、後席と前席の間にすき間ができるため、スペースクッションやバッグなどですき間を埋めなければなりません。
また、ヴェゼルの車内高は122.5cmのため、車内で料理などを行なうのは厳しいでしょう。1人で車中泊をする場合は後席の片方は倒さずに、土間のようにして使うと車内でもある程度は快適に過ごせます。
大人2人以上の車中泊は厳しい
大人1人でも背が高い場合は窮屈に感じる場合があるため、大人2人以上での車中泊は厳しいでしょう。前席を前にスライドして荷室の最大全長を確保すれば2人でも寝られますが、大柄な男性などは窮屈に感じるかもしれません。
また、大人2人で車中泊をする場合は、荷室のほとんどが寝るスペースになるため、荷物の置き場所に工夫が必要です。
車中泊をすると荷物の収納スペースが少なくなる
ヴェゼルで車中泊をする場合は、荷室で寝るため荷物の置き場所に困りがちです。1人の場合であれば、荷室の半分で寝て、もう半分を収納スペースとして使うこともできますが、2人以上の場合はそれもできないため、前席と後席のすき間や前席に荷物を置くしかありません。
荷物が多い場合は、ルーフボックスを追加するなどして、荷物の収納スペースを増やす必要があります。
ヴェゼルで車中泊する際に便利なグッズ

ヴェゼルで車中泊をする際に便利なグッズを紹介します。上手にグッズを使えば、ヴェゼルで車中泊をするデメリットを解消できるでしょう。
ルーフボックス
ルーフボックスとは、車の屋根に取り付けて荷物を収納できる専用のボックスのことです。ルーフボックスには「ルーフボックス型」と「ルーフラック型」の2種類があります。
ルーフボックス型は専用のボックスを設置するため、防水性に優れているほか、施錠もできて防犯性も高い点が特長です。ただし、高さ制限がある駐車場を使えなくなるなどのデメリットもあります。
一方で、ルーフラック型は屋根に荷台を設置して、そのまま荷物を載せられます。積載できる荷物の自由度が高い点がメリットです。しかし、ルーフボックス型のように防水性や防犯性は高くないため、積載する荷物の種類は選ばなければならないでしょう。また、運転中に荷物が落下しないよう、自分で荷物を固定しなければなりません。
スペースクッション
スペースクッションとは座席の足元を埋めるためのものです。ヴェゼルでは荷室を最大限に活用する場合、前席と後席のすき間を埋める必要があります。バッグやリュックサックなどでもすき間は埋められますが、荷物を取り出しにくくなる点がデメリットです。
その点、スペースクッションは空気を入れるだけで膨らむため便利です。使わないときは空気を抜いておけばコンパクトになるため、収納スペースにも困りません。
スペースクッションは、車の座席で足元を伸ばして座りたいときにも使えるため、1つ持っておけば何かと便利です。
マット
マットは寝るときに下に敷いておくものです。車中泊をする際、場所によっては夏でも夜間に底冷えする可能性があり、寝袋や布団だけでは寒く感じてしまうことがあるでしょう。マットがあれば底冷えが抑えられるため、快適に寝られるようになります。
マットには、サイズや素材、膨らませ方などでさまざまな種類があります。特に車中泊では膨らませ方が大切です。空気を入れて膨らませるタイプであれば、使わないときはコンパクトに収納可能です。空気を入れるタイプには自動注入式と手動式があり、自動注入式は自分で空気を入れる手間がかかりません。しかし、手動式にもマットの硬さを自分で調節できるメリットがあるため、好みに合わせて選びましょう。
カーテン・サンシェード
カーテンやサンシェードを車の窓に取り付けると、車中泊の際に周りの視線を遮ることができ、防犯対策になります。また、外灯がまぶしくて眠れない場合にも便利です。さらに、断熱性が高いカーテンやサンシェードであれば、夏は太陽光を遮って車内の温度上昇を防ぎ、冬は車内の熱が外に逃げにくくなります。
車の窓の大きさは車種によってさまざまであるため、サイズが合うものを選ぶことが重要です。カーテンやサンシェードが窓より小さい場合は、光が漏れたり視界を十分に遮ることができなかったりするなど、設置する意味がなくなってしまいます。
ただし、運転中に運転席や助手席の窓にカーテンやサンシェードを取り付けることは、道路交通法違反です。車中泊を終えて出発する際は、必ず外すようにしましょう。
ポータブル電源
ポータブル電源とは持ち運びできる大容量バッテリーのことで、コンセント(AC電源)がないところでも電気製品が使えるようになります。似たようなものにモバイルバッテリーがありますが、こちらはAC出力ではなくUSB出力であることがほとんどです。
ヴェゼルには車内にコンセントがないため、車中泊の際にはポータブル電源があると何かと便利です。調理家電や扇風機、暖房器具、テレビなどさまざまな製品が使えるようになるため、車中泊でできることの幅が広がるでしょう。
ポータブル電源は、使いたい電気製品の消費電力に合わせて選びましょう。ポータブル電源のバッテリー容量は「Wh(ワットアワー)」で表され、「W(電力)×h(時間)」で計算できます。例えば、消費電力50Wの電気毛布を12時間使いたいのであれば、最低でも50(W)×12(h)=600Whの容量を持つポータブル電源が必要です。
ポータブル電源のなかには、ソーラーパネルや車のシガープラグで充電できるものもあり、車中泊をしながら数日間過ごす場合に便利です。
暖房器具
ヴェゼルに限らず車には窓が多いため、断熱性は期待できません。そのため、冬は特に寒さを感じてしまいがちです。しかし、車中泊では車のエンジンを切っておくことが基本的なマナーです。また、雪が降るなかでエンジンをつけっぱなしにしておくと、雪がマフラーを覆って排気できなくなり、一酸化炭素中毒を起こす危険性もあります。
先ほど紹介したポータブル電源があれば、コンセント式の電気毛布や電気式ファンヒーターなどが使えます。モバイルバッテリー(USB出力)で動作するものなどもあるため、冬場の車中泊では暖房器具を用意しましょう。
また、暖を取るには寝袋も大切です。多くの寝袋には快適使用温度と限界使用温度が記載されています。限界使用温度とは寝袋として使用できるギリギリの温度です。そのため、限界使用温度の環境で使う際は、服を着込むなどの工夫をしておかないと寒く感じることが多く、特に冬場は凍死の危険性もあります。したがって、寝袋を選ぶ際は快適使用温度で選ぶようにしましょう。
アイマスク・耳栓
アイマスクや耳栓もあると便利です。アイマスクは少し仮眠をとりたい場合などに使えて便利です。カーテンやサンシェードは、その都度準備が必要なため、面倒に感じる方もいるでしょう。
また、カーテンやサンシェードをしていても、車を駐車した場所によってはすき間から光が漏れることもあります。そんな状況でも、アイマスクがあれば安眠できます。
車中泊をする場所が幹線道路沿いなどの場合は、車の音が気になって寝られないことがあるでしょう。また、周りで騒ぐ人がいる可能性もありますが、耳栓を使えばそれらの騒音を気にせず寝られます。
どちらも場所を取るものではないので、アイマスクと耳栓を1セット車内に用意しておけば便利です。
ヴェゼルで快適な車中泊を楽しもう
ヴェゼルはフィットをベースにしたコンパクトな車体でありながら、車中泊にも十分使える車です。荷室がほぼフラットになることや運転が快適であること、燃費が良いことなどがメリットです。
ただし、荷室の広さが限られていることから、複数人での車中泊は厳しいかもしれません。ゆったりと車中泊を楽しみたいのであれば、1人で車中泊をするか、ルーフボックスなどを追加するなどの工夫が必要です。使いたい状況に合わせてアイテムを追加し、ヴェゼルでの車中泊を楽しみましょう。