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更新日:2023.06.27 / 掲載日:2023.06.27
ホンダフィットは一人旅の車中泊に最適!快適に過ごすポイントや便利なグッズを紹介

フィットはホンダのコンパクトカーです。コンパクトカーでは車中泊が厳しいと感じるかもしれませんが、軽自動車で車中泊をしている人もいます。フィットで車中泊をするにはどうすればよいのか、気になっている方もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、ホンダフィットの概要やフィットが車中泊に適している理由、快適に過ごすポイントなどを解説します。
ホンダフィットはコンパクトだけど車中泊はできる?

フィットはホンダのコンパクトカーで、2020年2月に現行の4代目にフルモデルチェンジされました。コンパクトカーのなかでは大きめの車体で、室内も広いのが特長です。通常は後席の下にあるガソリンタンクを、前席下に配置したセンタータンクレイアウトを採用しており、室内を広く使えるようになっています。
シートアレンジも豊富で、以下の3種類があります。
・ユーティリティーモード:後席を畳んで荷室を広く使う
・ロングモード:助手席側の後席を畳み、助手席を後ろに倒すことで、長い荷物を積載する
・トールモード:後席の座面を跳ね上げることで、高さのある荷物を積載する
このうち、車中泊でよく活用されるのは、荷室を広く使えるユーティリティーモードでしょう。後席は肩口にあるレバーを引くだけで倒せるため、すぐにユーティリティーモードに移行できます。
フィットが車中泊に適している3つのポイント

フィットが車中泊に適している3つのポイントを紹介します。
コンパクトカーながら広い荷室
フィットはコンパクトカーに分類されますが、コンパクトカーにしては車体が大きめで、室内の広さにもゆとりがあります。後席を倒すユーティリティーモードにすると、荷室の広さは約144cm×約115cmで、対角線は約170cmです。
さらに、前席を前にスライドさせれば全長を約174cmにできます。ただし、この場合は前席と後席の間にすき間ができるため、すき間を埋める工夫が必要です。詳しくはのちほど説明します。
大柄な方は窮屈に感じるかもしれませんが、それ以外の方であれば就寝スペースをしっかり確保できます。一人旅であれば快適に過ごせるでしょう。
低燃費で旅費を節約可能
フィットは低燃費である点もポイントです。ホンダのハイブリッドシステムである「e:HEV」を搭載したグレード(FF車)の燃費は、実際の燃費に近いといわれるWLTCモードで27.1~30.2km/Lです。なお、ガソリン車の場合は17.6~18.7km/Lです。
車中泊をするような長距離の旅では多くのガソリンが必要となりますが、フィットのような低燃費車を使えば費用を節約して旅を楽しめるでしょう。
小回りがきくため町中でも便利
フィットの最小回転半径は4.9mです。一般的に最小回転半径が5m以下だと小回りがきく車といわれるため、フィットは狭い道でも運転しやすいといえます。車で旅をする際は、高速道路や幹線道路だけでなく狭い道を運転することもありますが、フィットなら安心して運転できるでしょう。
また、e:HEVを搭載したハイブリッドモデルは、基本的に市街地ではモーターのみで走ります。モーターの最高出力は90kW(123PS)と高出力のため、停止や加速が多い市街地でもキビキビと走れます。小回りがきく車体と併せて、町中でも快適な運転が楽しめるでしょう。
フィットでより快適に車中泊をするコツ

フィットで車中泊をする際はいくつかの工夫も必要です。ここでは、段差やすき間を埋める工夫と荷物の積み方について解説します。
段差やすき間を埋める工夫が必要
フィットの後席を倒してユーティリティーモードにすると、後席と荷室との間に約7cmの段差が生まれます。また、倒した後席は後ろに向かって傾斜しているため、快適に車中泊をするには段差や傾斜を埋めることが必要です。
さらに、前席をスライドさせて荷室を広く使う場合も、前席と後席の間に約34cmのすき間が生じます。このすき間も、専用のスペースクッションや荷物を入れたバッグなどで埋めるなどの工夫が必要です。
荷物の積み方を工夫する
フィットはコンパクトカーのなかでは荷室が広いほうですが、車中泊で使用する場合は荷物の収納スペースが少なく感じることもあるでしょう。そのため、荷物の積み方を工夫することが必要です。
フィットの荷室にはアンダーラゲッジ(床下収納)が備えられているため、あまり使わないものなどを入れておくのに便利です。
アンダーラゲッジへの収納が済んだら、荷室に薄くて平らな荷物を載せます。その次に大きい荷物を載せ、その上に小さいものやよく使うものを積んでいけば、フィットの荷室を最大限に活用できるでしょう。
フィットでの車中泊にあれば便利なアイテム

フィットでの車中泊を快適にしてくれる便利なアイテムを7つ紹介します。
段差解消マット
フィットには倒した後席と荷室の間に約7cmの段差があり、寝心地を良くするためには段差を埋める工夫が必要になります。そこでおすすめなのが、段差解消マットです。
毛布やバスタオルなどでも段差を埋めることはできますが、フィットで車中泊を続ける場合、毎回バスタオルの厚みなどを調節するのは面倒です。また、キャンプ用のマットでも対応できるかもしれませんが、段差が大きいと不十分な場合もあります。
専用の段差解消マットであれば、手間を最小限に抑えながら段差を解消できます。入れる空気の量で高さを調節できる製品もありますし、使わないときはコンパクトに収納できて便利です。
スペースクッション
スペースクッションとは、もともと車内で足を伸ばして座るために作られた、足元のスペースを埋めるためのアイテムです。前席と後席のすき間のサイズに合わせて作られているため、車中泊で車内のすき間を埋めるのにぴったりでしょう。
荷物を入れたバッグやリュックサックなどでもすき間は埋められますが、バッグから荷物を取り出しにくくなる点がデメリットです。
スペースクッションの多くは空気で膨らませる方式なので、使わないときは畳んでコンパクトにできます。長時間のドライブに疲れてちょっと足を伸ばしたいときにも使えるため、車に1つあると便利です。
寝袋
車中泊をする際は、寝具として寝袋や布団が必要です。ただし、フィットの荷室はそれほど余裕がないため、場所を取る布団よりも収納時にコンパクトになる寝袋のほうがよいでしょう。
寝袋は、大きく分けて素材がダウンでできたものと化学繊維でできたものがあります。化学繊維のほうが安く購入できますが、ダウンと比べるとサイズが大きくなります。ダウンは価格が高いものの、化学繊維と比べてコンパクトに収納することが可能です。
また、多くの寝袋には快適使用温度と限界使用温度が記載されています。限界使用温度とは寝袋として使用できるギリギリの温度のため、服を着込んだり使い捨てカイロなどで温めたりしないと寒く感じるでしょう。寝袋は快適使用温度で選ぶのがおすすめです。
カーテン・サンシェード
カーテンやサンシェードもあると便利です。窓に取り付ければ、外からの光や視線を遮ることができます。車中泊をする場所によっては、外灯がまぶしくて寝られないこともありますが、カーテンやサンシェードがあればまぶしさを感じなくなり、安眠できるでしょう。外からの視線を遮ることで防犯性も向上します。
また、カーテンやサンシェードには窓からの熱の出入りを防ぐ役割もあります。断熱性の高い製品を選べば、夏に車内の温度上昇を防ぐだけでなく、冬に車内の室温を維持することもできるでしょう。
車種によって窓のサイズはさまざまであるため、カーテンやサンシェードを選ぶ際は純正品や専用品を選ぶと安心です。特に、カーテンやサンシェードが窓よりも小さいと光が漏れてしまい、付ける意味がありません。ただし、フィットの純正アクセサリーにはサンシェードがないため、社外品を選ぶ必要があります。
網戸
車中泊をする際は基本的にエンジンをかけません。そのため、夏は暑さ対策で窓を開けることになりますが、窓を開けると蚊などの虫が車内に入ってきます。そこでおすすめなのが網戸です。
網戸には車種ごとの専用タイプのほか、ドアの上からかぶせるタイプ、マグネットやクリップで固定するタイプなどがあります。
なかには、バックドアをフルオープンにした状態にできる網戸もありますが、全開にする場合は防犯対策にも気をつけましょう。寝るときは、誰かが網戸を壊して手を入れてもドアロックに届かない程度に窓を開けるなどの工夫が必要です。
ポータブル電源
車中泊ではエンジンをかけられないため、ポータブル電源があると便利です。ポータブル電源に似たアイテムとしてモバイルバッテリーがありますが、モバイルバッテリーではコンセント(AC電源)で動く電化製品に対応するのは難しいでしょう。また、ポータブル電源は、モバイルバッテリーに比べて容量も大きいため、多くの電化製品を使う場合にも便利です。
ポータブル電源の容量は、「Wh(ワットアワー)」と呼ばれる単位で表されます。例えば、500Whであれば、500Wを1時間出力できるという意味です。そのため、ポータブル電源を選ぶ際には、使用したい電化製品の消費電力と時間に合わせたものを選ぶとよいでしょう。
暖房器具
車中泊では、夏の暑さだけでなく冬の寒さからも身を守らなければなりません。車の断熱性能はほとんど期待できないため、暖房器具などで寒さ対策をしっかり行なう必要があります。
暖房器具としては、電気毛布が安価で消費電力も少なく、なかにはUSB電源で動作するものもあるのでおすすめです。また、バッテリー式のカイロも、手軽に使えてモバイルバッテリーでも充電できるため便利です。
車中泊で快適に過ごすポイント

車中泊で快適に過ごすポイントを3つ紹介します。
快適な場所を選ぶ
まず、車中泊を快適に過ごすためには場所選びが重要です。私有地には無断で駐車しないようにしましょう。一般的に車中泊ができる場所としては、道の駅やRVパーク、オートキャンプ場などがあります。
ただし、車中泊が禁止されている道の駅もあるため、あらかじめ車中泊が可能か確認しておくと安心です。オートキャンプ場であれば、ただ車で寝泊まりするだけでなく、車外にテーブルやテントなどを設置して開放感に浸れます。
また、車を止める場所は平らなところにしましょう。傾斜があると過ごしにくいだけでなく、熟睡できなくなる可能性があります。ほかには、トイレにできるだけ近い場所を選ぶことも大切です。
快適な室温を確保する
夏は車内の温度がすぐに上がりますし、冬は外にいるのと変わらないくらい寒くなることもあります。そのため、快適な室温を確保することも重要です。
夏に快適な室温で過ごすためには、涼しい場所で車中泊をするのがおすすめです。標高が高い場所へ行けば、ある程度は涼しくなります。標高が100m上昇するごとに気温は約0.6度下がるため、できるだけ高いところで車中泊をすれば快適に過ごせるでしょう。
冬は防寒対策をしっかり行なうことが大切です。例えば、先ほども紹介した断熱性の高いサンシェードを窓に取り付ければ、車内の熱が外へ逃げにくくなります。また、快適使用温度が低く、寒い場所でも使える寝袋を用意することも大切です。
車中泊のマナーを守る
車中泊にはいくつか守るべきマナーがあります。この記事でも説明をしている「エンジンをかけない」もマナーの一つです。
ほかのマナーとしては次の項目が挙げられます。
ゴミを捨てない
オートキャンプ場など許可された場所以外ではゴミは捨てないようにしましょう。
洗面所で炊事をしない
洗面所で食器を洗ったり残飯を流したりすると洗面所が汚れるため避けましょう。
キャンプ行為はしない
オートキャンプ場など許可された場所を除いて、車外にテントやテーブルなどは出さないようにしましょう。
長時間占拠しない
道の駅など連泊を想定していない場所では、長時間の車中泊は避けましょう。施設の出入口近くに長時間駐車するのもマナー違反です。
以上のマナーはあくまで一例で、他の人に迷惑をかけないようにすることが大切です。マナー違反者が増えると、車中泊を禁止する施設が増える可能性があります。一人ひとりがマナーを守って車中泊を楽しみましょう。
フィットで気軽に車中泊を楽しもう
フィットはコンパクトな車ですが、後席を倒せば車中泊できるだけの広さを確保できます。前席を前にスライドさせればさらに全長が稼げるため、成人男性でも車中泊を楽しめるでしょう。
ただし、快適に車中泊を行なうためには、アイテムを使って段差やすき間を埋めたり、荷物の積み方を工夫したりすることが必要です。自分に合った使い方に応じて、フィットをカスタマイズしてみてはいかがでしょうか。