故障・修理
更新日:2023.07.31 / 掲載日:2023.07.31
ブレーキパッドおすすめ10選!選び方と交換の方法を解説【最新】

ブレーキパッドとは、車を安全に運転するために欠かせないパーツのひとつです。車のタイヤに取り付けられたブレーキローターを、両側からブレーキパッドで挟むことで摩擦を発生させ、車を減速・停止させます。
この記事では、ブレーキパッドの交換を考えている人に向けて、ブレーキパッドの役割や種類、選び方を解説し、おすすめのブレーキパッド10選を紹介しています。
ブレーキパッドの交換方法についても整備工場に依頼する方法と、自分で交換する方法も紹介していますので、ブレーキパッドについて詳しく知りたい人は参考にしてください。
1.ブレーキパッドの役割
ブレーキパッドは、車を安全に停止するために必要なパーツです。車のタイヤに装着されたブレーキローターを、ブレーキパッドで挟むことで徐々に減速させ停止へと促します。
ブレーキパッドの性能は、ブレーキの利き具合や制動距離に大きく影響し、ブレーキローターとの摩擦で消耗していくため、定期的な点検と交換が必要です。
2.ブレーキパッドの種類と特徴
ブレーキパッドにはそれぞれ性能や特徴があり、車の利用目的や運転スタイル、車種に合わせて適切な種類を選択する必要があります。一般的なブレーキパッド5種類の特徴を紹介します。
(1)ノンアスベストタイプ
ノンアスベストタイプは「耐熱性が低い」とされていますが、「ブレーキ鳴き」や「ダストの発生」が少なく、「街乗りなどの一般走行用の車」に多く取り付けられています。また、ブレーキローターへの攻撃性が低く、ローターの消耗が軽減されているため、頻繁に交換しなくてよいのが特徴です。
ブレーキ鳴きとは、ブレーキを踏んだ際に「キーキー」などと鳴る異音です。ダストは、摩擦を生じる際に発生する微細な粉塵のことで、車のホイールや周囲の部品に付着しやすく、外観の汚れやメンテナンスの手間を増やす原因となります。
なお、ノンアスベストタイプは、かつて使われていた有害な物質「アスベスト」を含んでいません。環境保護や健康への懸念から、アスベストフリーのブレーキパッドが開発されました。
(2)メタリックタイプ
メタリックタイプは、高い制動力と耐熱性を持ち、主に「サーキット走行用の車」や「頻繁に高速道路を利用する車」などに適しています。
このタイプのブレーキパッドは、金属を基材としているためローターへの攻撃性が高く、「ブレーキ鳴き」や「ダストの発生」が多いのが特徴です。
(3)セミメタリックタイプ
セミメタリックタイプはスチールを基材としており、耐摩耗性に優れています。そのため、ブレーキ鳴きやダストの発生が少ないのが特徴です。一般走行や高速走行の両方に適しており、幅広い用途の車で利用されています。
ノンアスベストタイプよりは、ブレーキ鳴きやダストが多く発生しますが、ノンアスベストタイプとメタリックタイプの中間的なブレーキ性能が期待できます。
(4)カーボンメタリックタイプ
カーボンメタリックタイプは、カーボンとスチールを基材としています。その特徴は「制動力」と「耐熱性」に優れていることであり、競技用の車やスポーツカーなどに装着されています。
摩擦係数が非常に高く、サーキット走行での利用が想定されていますが、街乗りなどの低速域の一般走行では制動力が低いことが多いため向いていません。
また、ブレーキローターの摩耗が激しい点や、ブレーキ鳴きやダストの発生が多いという特徴もあります。
(5)オーガニックタイプ
ノンアスベスト系の新素材である「オーガニックタイプ」は、NAO材とも呼ばれています。主に有機材料で作られており、環境に優しいのが特徴です。
ローターへの攻撃性が低く、静かで乗り心地が良いことから、市街地での走行に適しており、主に軽自動車やコンパクトカーなどでよく利用されています。耐熱性が低いため、サーキット走行などスポーティーな走りには向いていません。
3.ブレーキパッドの選び方
ブレーキパッドを選ぶポイントは、4つあります。
1. 車に合わせた選び方
2. 性能による選び方
3. 材質による選び方
4. メーカーによる選び方
順に解説します。
(1)車に合わせた選び方
ブレーキパッドを選ぶ際にまず重要なのが、自分の車に適しているものを選ぶことです。車種や年式を確認し、メーカーが推奨しているブレーキパッドを選ぶようにしましょう。
車種によっては、グレードやオプションによってブレーキ系統が異なる場合があります。そのため、適合表を確認する際には、自分の車がどの仕様かを確認する必要があります。
また、ブレーキパッドのサイズも車種によって異なり、間違ったサイズを取り付けた場合、性能の低下や摩耗の激しさにつながるため、正確なサイズを確認してください。
(2)性能による選び方
ブレーキパッドは、種類によって「制動力」「耐久性」「鳴きやすさ」などの性能が異なります。そのため、車の利用用途にあった性能からブレーキパッドを選びましょう。
1つ目の性能として、「制動力」が高いほどブレーキの利きが上がり、短い距離で車のスピードを落とすことができます。ただし、制動力が高いほどブレーキパッドの摩擦面の摩耗が早くなります。
2つ目に、「耐久性」が高いブレーキパッドは十分な強度を持ち、繰り返しの利用に耐えられるため、長期間の利用が可能です。ただし、耐久性が高い製品は、車の利用用途に対して制動力が不足する場合があるため、バランスを考慮することが大切です。また、ローターへの攻撃性が高い場合、ローターの消耗が早くなります。
3つ目の「鳴きやすさ」も性能要素のひとつです。一部のブレーキパッドは、ブレーキを踏むと「キーキー」などと異音を発することがあります。金属を基材としたブレーキパッドで鳴きやすいとされています。
(3)材質による選び方
ブレーキパッドには主に5種類の材質があり、それぞれ性能や特徴、価格が異なります。
1. ノンアスベストタイプ
2. メタリックタイプ
3. セミメタリックタイプ
4. カーボンメタリックタイプ
5. オーガニックタイプ
それぞれの材質によって特徴や利用シーンが異なるため、自分の好みや利用条件に合わせて選びましょう。
(4)メーカーによる選び方
ブレーキパッドの選び方のひとつに、メーカーによる選び方があります。自動車メーカーが純正部品として推奨するブレーキパッドは、車の特性に合わせて開発され、テストされているため、優れた性能と安全性が期待できます。
ただし、車の利用目的や好みによっては、別のメーカーのブレーキパッドを選ぶことも考慮されます。たとえば、より高性能や耐久性を求める場合や、ブレーキダストが少ないブレーキパッドを必要とする場合などです。
メーカーによる選択は参考のひとつであり、個々の目的やニーズに合ったブレーキパッドを選びましょう。
4.ブレーキパッドのおすすめ10選
ブレーキパッドのおすすめ10選をご紹介します。素材や目的によってさまざまなブレーキパッドがあるため、最適な商品を見つけてください。
(1)曙ブレーキ「フロントブレーキパッドAN-795WK」
曙ブレーキは、国内自動車メーカーにも納入実績のある信頼性の高いブレーキパッドです。AN-795WKは、一般的な乗用車やコンパクトカーなど、日常の通勤や街乗りに最適なブレーキパッドです。
素材 | 推奨使用 | 価格帯 |
---|---|---|
ノンアスベスト | ストリート | 5,000円 |
(2)MSI「ブレーキパッドBP15」
国産の多くの軽自動車に適合するブレーキパッドで、摩耗に強くブレーキ鳴きも少ないため、ストリート走行に適しています。また、コストパフォーマンスが高く、ブレーキパッドの交換時期を教えてくれる機能付きです。
素材 | 推奨使用 | 価格帯 |
---|---|---|
オーガニック | ストリート | 3,000円 |
(3)M-Autoparts「ブレーキパッドM0004A083」
丸紅グループのブランドであるM-Autopartsが提供する、高品質で低価格なブレーキパッド。耐摩耗性、低ダスト性能、制動力、コントロール性能、低ノイズ、ローター攻撃性などを兼ね備えています。
素材 | 推奨使用 | 価格帯 |
---|---|---|
オーガニック | ストリート | 5,000円 |
(4)DIXCEL「ブレーキパッドES-351255」
DIXCELは日本のブランドメーカーで、一般車やチューニングカー、レーシングカーのブレーキパーツを提供しています。ES-351255は優れた制動力と耐久性を提供し、一般車だけでなく、スポーツ走行やハイパフォーマンスカーにも対応しています。
素材 | 推奨使用 | 価格帯 |
---|---|---|
ノンアスベスト | ストリート | 8,000円 |
(5)Brembo「ブレーキパッド プレミアムセラミックパッド」
ブレンボはスポーツカーやレーシングカーに装着されるブレーキパッドです。プレミアムセラミックパッドは、時速120キロ以下の走行を想定しており、ブレーキ鳴きやダストの発生が少なく、ホイールの汚れを抑えられます。
素材 | 推奨使用 | 価格帯 |
---|---|---|
オーガニック | ストリート | 15,000円 |
(6)DIXCEL「Premium type」
Premium typeは、日本人向けとして徹底的にリサーチして開発された輸入車用ブレーキパッドであり、制動力とダスト性能に優れています。なお、ストリート専用のため、サーキットでは利用できません。
素材 | 推奨使用 | 価格帯 |
---|---|---|
メタリック | ストリート | 18,000円 |
(7)ACRE「スーパーファイター」
スーパーファイターはブレーキ時にストレスを感じさせない、制動力とコントロール性、低ダスト性を兼ね備えたブレーキパッドです。多くの国産車に対応しているのに加えて、スポーツカーにも装着できます。
素材 | 推奨使用 | 価格帯 |
---|---|---|
ノンアスベスト | ストリート〜ワインディング | 12,000円 |
(8)MONSTER SPORT「ブレーキパッドtype-S2」
MONSTER SPORTは、日本のチューニングカーパーツメーカーであり、高性能なモータースポーツパーツの開発と製造で知られています。「type-S2シリーズ」は、車種別にチューニングされたブレーキパッドです。
素材 | 推奨使用 | 価格帯 |
---|---|---|
ノンアスベスト | ストリート〜ワインディング | 16,000円 |
(9)ENDLESS「ブレーキパッドMX72PLUS」
ENDLESSはモータースポーツ界で有名なブランドで、ストリート走行からサーキット走行の商品を提供しています。MX72PLUSは価格帯は高めですが、性能と品質に見合った価値があり、サーキット走行やスポーティーなドライビングに適しています。また、ミニバンやSUVなどの車にもおすすめのブレーキパッドです。
素材 | 推奨使用 | 価格帯 |
---|---|---|
セミメタリック | ストリート〜サーキット | 30,000円 |
(10)DIXCEL 「ブレーキパッドZ-1315086」
Z-1315086は高い制動力を発揮し、短い制動距離やブレーキング時の安定感を求めるドライバーに適しています。ストリート走行だけでなく、サーキット走行やワインディングにも対応しており、オールラウンドのパフォーマンスを発揮します。
素材 | 推奨使用 | 価格帯 |
---|---|---|
カーボンメタリック | サーキット〜ワインディング | 23,000円 |
5.ブレーキパッドを交換する方法
ブレーキパッドを交換するときは、「整備工場に依頼する場合」と「自分で交換する場合」の2パターンがあります。
(1)整備工場に依頼する場合
ブレーキパッドの交換は、自分で行うこともできますが、専門的な知識や技術が必要となるため、整備工場などの業者に依頼するのが一般的です。ブレーキパッドの交換を整備工場に依頼する際には、以下の手順を参考にしてください。
①整備工場の選定
ブレーキなど重要なパーツの分解整備は、国の認証・指定工場でのみ整備できます。小さな整備工場では、国の認証を受けずに整備している可能性もあります。そのため、必ず「認証整備工場の標識」が掲示されている整備工場に依頼するようにしてください。
また、ネット上の口コミや評価、専門知識を持つスタッフの有無などを考慮しましょう。整備工場や顧客のSNSの投稿から、交換作業の写真や作業の感想を閲覧できることがあります。
②ブレーキパッドの選定
車に適したブレーキパッドを選びましょう。車種や年式、メーカーの推奨を参考にし、性能や材質、メーカーなどを考慮して最適なパッドを選択します。
③費用の確認
整備工場によって交換にかかる費用は異なりますが、ブレーキパッド本体代とは別に、8,000〜10,000円程度の工賃がかかります。必要に応じて、複数の工場の見積もりを比較することもおすすめです。
④予約の確保
混雑している時期や長期連休中などを避け、余裕を持ったスケジュールを組むために、事前に予約をしておきましょう。インターネット予約を受け付けている整備工場であれば、いつでも好きなタイミングで予約できます。
⑤整備内容の確認
整備工場にブレーキパッドの交換を依頼する際、交換だけでなく関連する作業(ブレーキディスクの研磨など)が必要かどうかも確認しておきましょう。
⑥車の受け渡し
整備工場に車を預け、作業の終了予定時間を確認しましょう。必要に応じて代車の手配や送迎サービスの利用も相談しておくと便利です。
(2)自分で交換する場合
ブレーキパッドを自分で交換する際に必要な工具と手順をご紹介します。
①交換作業に必要な主な工具
交換に必要な主な道具は、以下の9つです。
1. ジャッキとジャッキスタンド
車を持ち上げるためのジャッキと、安全に固定するためのジャッキスタンドが必要です。
2. レンチやスパナ
ホイールやブレーキキャリパーのボルトを緩めたり締めたりするために使用します。
3. ブレーキキャリパーツール
ブレーキパッドを押し戻すための専用のツールです。ピストンを押し戻す際に使用することがあります。
4. S字フックやタイラップ
取り外したキャリパーが脱落しないように、100円均一の店舗で販売されているような長く大きめのS字フックか、長めで取り外しできるタイラップ(結束バンド)も用意しましょう。
5. ブレーキパッドのクリーニング用具
ブレーキパッドを交換する際に、ブレーキディスクやキャリパーをクリーニングするための布やブラシなどが必要です。
6. ブレーキパーツクリーナー
古いブレーキグリスやキャリパーのブレーキダストを清掃する際に利用します。
7. グリス、パッドグリス
ブレーキパッドをキャリパーに取り付ける際に必要です。
8. 作業手袋
安全性の確保と油汚れなどを防止するため、作業する際に着用します。
9. 新しいブレーキパッド
適切なサイズと仕様のブレーキパッドを用意してください。
②ブレーキパッドを交換する手順
ブレーキパッドの交換は、以下の6ステップで進めていきます。
1. 安全確保
安全な場所で駐車ブレーキをかけ、車をジャッキアップし、ジャッキスタンドで車体を支えて安全に作業できる状態にします。
2. ホイールの取り外し
ホイールナットをレンチで緩め、ホイールを取り外します(クロスレンチなどの手作業でホイールを外す場合は、ジャッキアップ前に少しだけホイールナットを緩めておきます)。
3. キャリパーの取り外し
キャリパーの下側のボルトをレンチやスパナで外し、上側のボルトを支点にしてキャリパーを下から上に取り外します。ブレーキキャリパーツールを使用して、減った分だけピストンをゆっくりと元の位置まで押し込みます。
ピストンを動かす際、ブレーキフルードが押し戻されるため、液面を事前に確認しておきましょう。
なお、下側のキャリパーボルトだけ外して上に持ち上げ、外した方のキャリパーボルトの穴とサスペンションのスプリングに引っ掛け、落ちてこないようにすることで、ピストンの調整やパッド交換に集中できます。
4. ブレーキパッドの交換
キャリパーのブラケットから古いブレーキパッドを取り外し、新しいブレーキパッドと交換します。パッドの取り付け位置によっては、スプリングクリップやピンを外す場合もあります。
5. キャリパーの取り付けと組み立て
新しいブレーキパッドを取り付けたら、キャリパーを元の位置に取り付けます。
ブレーキパッドをキャリパーに組み込むときに、パッドとキャリパーの摺動(しゅうどう)部分にブレーキグリスを使用します。キャリパーとピストンの間に、鳴き止めのためのシムが入っている場合は、パッドとシムの間、シムとピストンが当たる部分にはパッドグリスを使用します。
なお、ブレーキパッドとローターの接触面にはグリス(油分)をつけてはいけません。間違ってつけてしまった場合は、必ずブレーキクリーナーなどで除去してください。
最後に、ホイールを取り付け、ボルトをしっかりと締め付けます。
6. ジャッキダウンとブレーキ復帰
安全を確保したうえでジャッキダウンを行い、ブレーキフルードの量を確認します。エンジンを掛けずに30回ほどブレーキペダルを踏むと、ピストンが新しいブレーキパッドを確実に押せる状態になります。いきなり走り出さずに、低速走行で問題なくブレーキが利くか確認してください。
6.ブレーキパッドの交換はグーネットピットにお問い合わせください
ブレーキパッドは、車のタイヤに取り付けられたブレーキローターを、両側からブレーキパッドで挟むことで摩擦を発生させ、車を減速・停止させます。そのため、ブレーキパッドは、ブレーキローターとの摩擦で消耗していくため、定期的な点検と交換が必要です。
しかし、ブレーキパッドには多くの種類があり、それぞれ特徴が異なります。
どのブレーキパッドにしたら良いかわからない、どの業者に交換を依頼するか悩んでいる人は、ぜひグーネットピットにお問い合わせください。知識豊富なスタッフがお車にぴったりのブレーキパッドをご提案いたします。