故障・修理
更新日:2024.07.09 / 掲載日:2022.05.13
車のタイヤがパンクする原因とは?対処法や修理費用についても解説

昔と比べると現在では道路整備が進み、タイヤの性能も向上したので、タイヤがパンクする可能性も低くなりました。しかし、それでも車に乗っている限り、パンクのリスクは常について回るので、万が一に備える必要があります。
パンクやバーストが起こった場合、何をどうすればいいのか、詳しく知りたいという方も多いのではないでしょうか。
ここでは、車のタイヤがパンクする原因を踏まえつつ、適切な対処法やNG行動、修理にかかる費用などについて解説します。
車のタイヤがパンクする原因は?

車のタイヤがパンクする原因を下記にまとめてみました。
1.トレッド面(接地面)へ釘など異物が刺さった場合
タイヤに鋭利な釘やガラス片等が刺さった場合に起こるパンクで、前輪タイヤよりも後輪タイヤがパンクしてしまうケースが多いのが特徴です。この場合、前輪で釘を踏んで起こしてしまい、それを後輪で踏む、というプロセスを経て、タイヤに釘が刺さります。
現代のタイヤではすぐに釘が抜けないような仕様となっているため、すぐにパンクすることはありません。しかし、空気圧が少しずつ下がってくるため、やがて確実にパンクしてしまうのです。
2.サイド面を擦ったことによるバースト
タイヤのサイド面を縁石などで擦ると、タイヤがバースト(破裂)してしまうことがあります。擦っただけの小さな傷だと思って放置しておくと、空気圧が下がってバーストを引き起こす危険性があるのです。
走行中にタイヤがバーストした場合、いきなりハンドルが効かなくなってコントロールを失うので、取り返しのつかない大事故が発生しかねません。タイヤのサイド面を擦った場合、空気圧のチェックが必要不可欠です。
ホイールリムの変形
ホイールリムの変形は、縁石への乗り上げや接触、アスファルトの穴にはまったときの衝撃が原因で起こります。エアー漏れを起こしてしまうため、バーストにつながる可能性があるのです。
基本的にタイヤには丈夫なリムガードが付いていますが、稀にほとんど傷がなくてもリムだけ変形してしまうというケースもあります。
4.高速道路でのバースト
高速道路でのバーストは一般道路よりも多く、高速連続走行によるタイヤの負荷が原因とされています。特に空気圧が低下しているとタイヤのたわみが大きくなり、タイヤが発熱してしまうため、最後にはバーストが起こってしまうのです。
多くの車がハイスピードで走行している関係上、高速道路でのバーストは大事故につながる可能性も高いので、特に注意しなければなりません。
高速道路に乗る際は空気圧をチェックして、タイヤに負荷がかかっていないか調べることが大切です。
5.経年劣化
タイヤは消耗品であり、一般的に3~5年程度で劣化するものです。車に乗る機会が多ければ、その分だけタイヤのゴムも擦り減るので、劣化も早まってしまいます。
また、普段あまり車に乗らなくても、風雨や気温によってゴムは劣化してしまうため、いずれにせよ定期的なタイヤ交換が欠かせません。
経年劣化でゴムの弾力や硬度が失われると、本来なら耐えられる衝撃や摩擦熱でもパンクしてしまう可能性があります。
6.イタズラ
タイヤに釘やナイフを突き刺すなど、第三者による悪質なイタズラでパンクするケースもあります。
イタズラから車を守るためには、シャッター付きガレージなど安全な場所に駐車する、セキュリティ機器(防犯カメラやセンサーライトなど)を設置するといった対策が必要です。
また、汚れている車はターゲットにされやすいので、こまめに洗車することも重要といえるでしょう。
タイヤがパンクしたときの対処法

走行中のトラブル、もしくはイタズラによってタイヤがパンクした場合、不安に襲われるのは無理もありません。しかし、適切な対処法を知っておけば、パンクによる被害を抑えられるようになります。
対処法の詳細をまとめたので、こちらも併せてご確認ください。
スペアタイヤに交換する
パンクしたタイヤをスペアタイヤに交換すれば、走行を継続できるようになります。スペアタイヤの搭載場所は車によって異なりますが、トランクやラゲッジルームが一般的です。
ただし、スペアタイヤはあくまで応急処置用であり、空気圧など標準タイヤと異なる点も多いため、長距離・長時間の走行には適していません。窮地を脱するための方法と割り切って、速やかにパンク修理やタイヤ交換を依頼しましょう。
また、スペアタイヤへの交換作業には30~40分程度かかります。整備に慣れていない場合、もっと長引く可能性もあるため、安全な場所で作業することが大切です。
パンク修理キットを使う
スペアタイヤの搭載義務がなくなったことや環境への配慮から、最近はスペアタイヤの代わりにパンク修理キットを搭載している車が増えています。スペアタイヤと同様、トランクやラゲッジルームがおもな搭載場所です。
パンク修理キットを使えば、タイヤを取り外すことなくパンク修理ができます。スペアタイヤへの交換より手軽かつ簡単なので、整備経験が少ない方でもスムーズに対処できるでしょう。
ただし、パンク修理キットもあくまで応急処置に過ぎないため、本修理を受けるまで長距離・長時間の走行はできません。また、タイヤ内部に液剤を注入する関係上、修理の選択肢がタイヤ交換に限られることも難点です。
また、タイヤの破損が激しい場合、パンク修理キットでは対処できない可能性もあります。
業者に修理してもらう
ガソリンスタンドやカー用品店といった業者が近くにあって、ある程度走行できる場合、そこに車を直接持ち込んでパンク修理を依頼するのも一案です。業者によって修理にかかる費用や時間は異なりますが、安心して作業を任せられる点は大きなメリットでしょう。
ただし、店舗が混んでいたり、タイヤの在庫がなかったりする可能性もあるので、あらかじめ問い合わせることを推奨します。
ロードサービスに連絡する
応急処置が難しく、近くに業者も見当たらない場合、JAFや任意保険のロードサービスに連絡しましょう。現場まで駆けつけて、タイヤ交換やレッカー移動などの作業を行なってくれます。
ロードサービスの内容や費用もそれぞれ異なるため、事前に確認しておくことが大切です。
タイヤがパンクしたときのNG行動

車や周囲への被害を最小限に抑えるためには、タイヤがパンクしたときにやってはいけないNG行動を把握しておくことも大切です。不安や焦りから、以下の行動をとらないようにしましょう。
そのまま走行する
タイヤがパンクした状態で走行すると、ハンドルが効かなくなったり、直進できなくなったりする可能性があります。軽度のパンクで空気が十分残っている場合を除き、走行を継続すべきではありません。
タイヤの空気が抜けると、ホイール部分が接地してしまうので、損傷拡大や脱輪につながってしまいます。当然ながら走行にも支障が出て、取り返しのつかない大事故を引き起こしかねないため、すぐ安全な場所に停車しましょう。
停車するときはハザードランプを点けたうえで、三角停止板を設置してください。
路肩で作業する
スペアタイヤへの交換やパンク修理キットの使用といった応急処置を行なう場合、安全な場所で作業することが大切です。まずは平坦で広い場所に停車しましょう。
一般道路・高速道路に限らず、路肩はスペースが狭く、後続車に衝突される危険性もあるので、そこで作業することは絶対に避けることが大切です。
異物を抜く
釘やガラス片などの異物が刺さってパンクした場合、それを抜いてはなりません。異物が栓となってエアー漏れを防いでいるため、うかつに抜くと空気が一気に抜けてしまう可能性があるからです。
また、刺さった異物はパンクした箇所を示す目印にもなるので、そのままのほうが修理もスムーズに進みます。
タイヤのパンク修理にかかる費用はいくらくらい?

タイヤのパンク修理を依頼する場合、以下のような業者に持ち込みます。
・タイヤ専門店
・修理工場
・ディーラー
・ガソリンスタンド
・カー用品店
修理内容は大きく分けると、外面修理と内面修理の2種類があります。外面修理はタイヤの外側からパンクした穴に対し、溶剤を塗ったゴム状の修理材を指し込んで直すという方法が主流です。
一方、内面修理はタイヤをホイールから外し、パンクした穴の内側の表面を削って特殊な溶剤を貼り付けて完成させる方法が多く採用されています。
修理にかかる費用は、タイヤの状況や修理内容によって変動しますが、基本的に外面修理より内面修理のほうが高くつくと覚えておきましょう。外面修理なら1,500~2,000円程度、内面修理なら3,000~5,000円程度が目安です。
業者によっては応急処置的な外面修理しか対応していなかったり、レッカー移動や複数箇所の修理で別途費用がかかったりするケースもあります。事前に電話やメールで問い合わせて、希望する修理を受けられるか確認しましょう。
また、修理を依頼する場合、必ず費用や修理内容など確認してから承諾することも大切です。
車のタイヤがパンクするかどうかの前兆は空気圧でわかるので、遠出をしたり高速道路を利用したりするときは、念のためチェックすることをおすすめします。
タイヤのパンク修理に保険は使える?

先に結論から述べると、タイヤのパンク修理で自動車保険を使うことはできません。タイヤはワイパーゴムやバッテリーと同じ消耗品なので、パンクの修理費用は原則として適用対象外です。
ただし、事故によってバンパーやフェンダーなど車体部分も損害を受けた場合、タイヤも適用対象として補償される可能性があります。
また、タイヤの盗難や火災による損害が起こったときも、補償を受けられるケースがあるため、パンク以外のトラブルも含めて確認しておきたいところです。さらに、補償の条件や金額も保険によって異なるので、その辺りも一緒に確認すべきでしょう。
なお、自動車保険を使った場合、翌年度の等級が下がって割引率も低下するため、修理にかかる費用を踏まえて判断することが大切です。
まとめ
車に乗っていると、パンクのリスクはどうしてもついて回ります。普段からタイヤを点検したり、安全運転を心がけたりしていても、パンクする可能性をゼロにはできないため、いざというときに備えて対処法やNG行動を把握しておくことが大切です。
また、スペアタイヤやパンク修理キットはあくまで応急処置であり、修理完了とはならない点にも注意しなければなりません。業者やロードサービスの利用も念頭に置きつつ、適切に対処しましょう。