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更新日:2024.07.06 / 掲載日:2022.09.16
車のエアコンが臭い原因はカビや汚れ!今すぐできる対策や予防方法を解説

車のエアコンをかけると、独特の嫌な臭いが車内に充満して「エアコンを付けられない」と困られた経験は、多くのドライバーがあるでしょう。
消臭剤や芳香剤ではなかなか解決できない臭いですが、原因はエアコン内に発生したカビや汚れであることが多いです。
つまり臭いの元であるエアコン内部をキレイにしなければ、車内に悪臭が充満するだけではなく、カビ菌が混じった風を吸い込むことになってしまいます。
不快なのはもちろんですが、体に悪影響をおよぼす可能性もあるので、早めの対策が必要です。
とはいえ「エアコン内部をキレイにできるの?」と思われる方が多いはず。そこで今回は、車のエアコンの臭いの原因を紹介するとともに、今すぐできる対策や予防方法を解説します。
カーエアコンの臭いに悩まされている方は、ぜひ参考にしてみてください。
車のエアコンが臭い原因は内部に生じたカビや汚れ

車のエアコンが臭い原因は、内部に生じたカビや汚れです。
おもに「エバポレーター」と呼ばれる冷たい風を作る部分に発生したカビが、悪臭の原因である可能性が高いです。
またカビ以外にも、ホコリ汚れやダニの死骸などにより、臭いが発生している場合もあります。
カビはエバポレーター周辺に発生しやすくなっていますが、ホコリやダニはエアコンガスフィルター周辺で増えやすい傾向にあり、どちらも臭いの原因です。
エバポレーター・エアコンフィルターともに空気の通り道になっているため、エアコンを稼働させると臭いが充満してしまうのは避けられません。
嫌な臭いが不快なのはもちろんですが、カビが含まれた空気が車内に充満すれば、健康に悪影響をおよぼす可能性があります。
快適なドライブを楽しむためには、エアコン内部を洗浄して、カビや汚れをキレイに落とすことが大切です。
エアコンにカビが発生する原因は?

エアコンの嫌な臭いの原因は、エアコン内部に発生するカビがおもな原因です。
なぜ、エアコン内部にカビが発生するのでしょうか。原因として「結露した水が排出されず滞留する」「車内のゴミやホコリ、食べ残し」の2つが挙げられます。
いずれも普段の習慣によってもたらされるもので、少しの注意で軽減できるものです。それぞれ詳しく解説します。
結露した水が排出されず滞留する
エアコン内部に結露した水が、排出されず内部に滞留することで、カビの発生につながります。
そもそも車のエアコンは、液体が気化する際に周囲の熱を奪う「気化熱」という現象を利用して、車内に冷風を送っています。
夏場によく行われる打ち水や、屋外のミストシャワーなどと同じ仕組みです。
高温高圧で圧縮して液体化させた冷媒ガスを冷やして、エバポレーターに吹き出すと、瞬時に気化した冷媒ガスが気化熱により熱を奪い温度を下げます。
これにより車内を冷やしているのですが、エバポレーターは結露により濡れた状態が続きやすくなっています。
結露によって生まれる水滴は、基本的に車外へ排出されるものの、これはエンジンがかかっている間しか稼働しません。
そのため長く運転していなかったり、エアコンを使用していなかったりすると、汚れた空気やホコリ、ゴミなどの影響もあり、カビが繁殖しやすくなってしまいます。
エバポレーター内部の水分は乾かず残りやすくなっているため、カビが繁殖しないようメンテナンスすることが大切です。
車内のゴミやホコリ、食べ残し
車内のゴミやホコリ、食べ残しが、嫌な臭いを助長することがあります。
車内の汚れがフィルターを通り抜けてエバポレーターにまで付着してしまうと、残留水と汚れが結合してしまうかもしれません。
内部に汚水が溜まった状態になってしまうので、エアコン内部の環境をより悪化させることになります。
放っておくと、しつこい悪臭へ発展しやすくなるため要注意です。
エアコンの臭いを悪化させないためにも、車内にゴミやホコリ、食べ残しが残らないよう、こまめに車内を清掃することが大切です。
掃除は、車用のコンパクトな掃除機を活用するか、あるいは、ガソリンスタンドの車内清掃サービスなどを利用するのがおすすめです。ガソリンスタンドの車内清掃は値段は多くの場合有料ですが、自分では落としきれない細かい汚れまで綺麗にしてもらえます。
エアコンの臭い対策!自分でできる2つの方法

カビや汚れにより発生する嫌な臭いですが、今すぐ自分でできる対策としておもに2つの方法があります。
どちらも簡易的な方法ではありますが、効果がある可能性もあるので、まず試してみてください。
カーエアコン用の消臭スプレーを使用する
市販されている、カーエアコン用の消臭スプレーを使用してみましょう。
エアコンの吹き出し口にノズルを差し込み、数秒スプレーして、エアコンを付けたまま換気すれば完了です。
手軽に行える対策で、カビ防止剤が含まれている商品などもあるので、予防にも役立ちます。
ただし、あくまで消臭スプレーなので、すでに増殖したカビを除去する効果はありません。一時的な対処だというのは念頭に置いておきましょう。
ちなみに芳香剤を使うと嫌な臭いと香りが混じって、より不快になりやすいため注意が必要です。
臭いをごまかすのではなく、臭いの原因を絶つように対策するのがおすすめです。
外気の取り入れ口付近を掃除する
外気の取り入れ口付近を掃除するのも、自分でできる対策の一つです。
もし嫌な臭いが送風モードの際だけなのであれば、原因は内部のカビなどではなく、外気を取り込む入口付近の汚れによるものかもしれません。
外気の取り入れ口付近に、鳥のフンや落ち葉などの汚れがあるようなら、キレイに清掃しましょう。
一般的にフロントガラスのワイパー取り付け部分あたりに、導入口があるのでチェックしてみてください。
本格的な臭い対策はプロに任せるのがおすすめ

カーエアコンは家庭用のエアコンのように、簡単に取り外して洗浄できるわけではないので、自分で行える臭い対策には限りがあり、根本的な解決は難しくなっています。
本格的に臭い対策を行うのであれば、プロに任せるのがおすすめです。
具体的には「年に一度エアコンフィルターを交換する」「エバポレーターを洗浄してもらう」の2つの方法が挙げられます。
それぞれ詳しく解説するので、エアコンの臭いに悩まれている方は、ぜひ参考にしてみてください。
年に一度エアコンフィルターを交換する
年に一度は、エアコンフィルターを交換するようにしましょう。
エアコンフィルターは、エアコン内部の空気の通り道に設置されており、ホコリやゴミ、カビなどをキャッチする役割があります。
しかしキャッチしたゴミなどで、フィルターが詰まってくると効果は減少してしまいます。
洗浄するのは難しいので、交換してもらうようにしましょう。
目安としては1年もしくは走行距離10,000kmほど。常にフィルターを清潔に保つことで、フィルター汚れによる悪臭を防げます。
ディーラーや自動車整備工場などで対応してもらえるので、気になる方は依頼を検討してみてください。
エバポレーターを洗浄してもらう
カビや汚れが溜まり悪臭を放っている原因であるエバポレーターを洗浄してもらいましょう。
冷却時の結露によってカビの温床になりやすいエバポレーターですが、内部にあるため自分では取り外して清掃することが困難なパーツです。
専用クリーナーも販売されていますが、ダッシュボードを外すなど大かかりになるため、素人には不可能に近いでしょう。
プロに任せてしまえば、カビや汚れで真っ黒だったエバポレーターも、新品同様のキレイな状態になります。
費用としては施工内容にもよりますが、数千円程度~3万円程度。専門性の高い機械・薬剤を使用する本格的な業者ほど、費用がかかる傾向にあります。
「ディーラー」「カー用品店」「専門業者」などへ依頼できるので、費用や効果などを踏まえて、依頼先を検討してみてください。
エアコンの臭いを放置するのは危険!カビが人体に悪影響をおよぼす

「臭いぐらいでプロに任せるのは大袈裟」「消臭スプレーで十分」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、エアコンの臭いを放置するのは危険です。
カビは臭いだけではなく、カビの胞子も発生させます。そのままエアコンを稼働させ続けると、エアコン内部で発生したカビやホコリなどが、風に乗って車内に充満します。
カビが含まれた空気を吸い込むと、気管支ぜんそくやアレルギーなどの症状が出るかもしれません。特に、小さな子供や高齢者がいる場合は要注意です。
快適にドライブするためにも、単に臭いを防ぐだけではなく、根本的な原因であるカビを除去することが大切です。
エアコンの嫌な臭いは不快なだけではなく健康にも悪いため「ちょっとくらい大丈夫だろう」と放置せず、迅速に対応しましょう。
エアコンの臭いを予防する方法

エアコンの臭いの元を絶つのはもちろんですが、そもそも臭いを発生させないことも大切です。
臭いの元を絶った際や、新車に乗り換えた際など、臭いのない状態を長く保つためには、日頃から対策をしておきましょう。
臭いを予防する4つの方法を紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
シーズンを問わず定期的にエアコンを使用する
シーズンを問わず、定期的にエアコンを使用するようにしましょう。
月に一回はエアコンを稼働させておくと、エアコン内部や車内の湿度を下げられるため、カビや雑菌の繁殖を防げます。
特に夏や冬以外のエアコンを使用しないシーズンは、内部の水が排出されずに残ったままになりやすいため、カビや雑菌が繁殖しがちな時期です。
定期的にエアコンを稼働させることで、水を排出してカビの繁殖を防ぎましょう。
車内をこまめに掃除する
車内をこまめに掃除するのも、臭いの予防に有効です。
エアコンは車内の空気を取り込むため、ホコリや食べ残しなどが、フィルター汚れや臭いの原因につながります。
車内を清潔に保っていれば、汚れが蓄積せずに済みます。
またフィルター汚れは、冷却効果の低下や風量低下の原因にもなるので、定期的なケアは冷暖房効率のアップにもつながる大切なメンテナンスです。
車内をキレイに保って、フィルター汚れによる臭いを予防しましょう。
エンジンを切る前に送風・暖房を使用する
エンジンを切る前に、送風や暖房でエアコン内部を除湿しましょう。
エンジンを止める前に、最大風量の送風モードで15分もしくは、最高温度・最高風速の暖房で10分稼働させると、内部に溜まった余分な水分を排除できます。
いずれにせよエアコン内部に水を残さないことが大切。夏は送風で、冬は暖房で除湿するよう習慣付けましょう。
車内にタバコの臭いをこもらせない
タバコの臭いを車内に残さないのも、臭い対策につながります。
タバコの臭いは染み付くと、なかなか取れないため、臭いが付いてしまわないよう意識することが大切です。
車内でタバコを吸う際は窓を開けて車内に臭いがこもらないようにしたりと、日頃から注意しましょう。
カーエアコンの洗浄は専門業者への依頼がおすすめ

カーエアコンの洗浄は素人には難しいため、洗浄のプロへ依頼するのがおすすめです。
特に、高い技術を持つ専門業者であれば、薬剤で浮かした汚れを高圧洗浄機でキレイに洗い流せるため、高い洗浄力を誇ります。専門業者に任せれば、エバポレーターの汚れを確実に落としてくれるでしょう。
カーエアコンの洗浄を任せる業者を調べる際は「グーネットピット」がおすすめです。作業実績やユーザーレビューを閲覧できるため、近くの評判が良い業者を簡単に探せます。
エアコンの臭いが気になる方は、ぜひ専門業者への依頼を検討してみてください。
車のエアコンの臭いが気になったらプロに洗浄を依頼しよう
車のエアコンの臭いのおもな原因は、内部に繁殖したカビです。そのまま稼働させ続けると、カビを含んだ空気を吸い込むことになるため、体に悪影響をもたらしかねません。
しっかりと洗浄して、キレイな状態で気持ちよくドライブしましょう。
とはいえ内部を洗浄するのは、素人には難しいため、プロに任せましょう。専門業者ならではの技術で、キレイに洗浄してくれます。エアコンの臭いが気になる方は、カビが増殖して悪化する前に、洗浄を依頼しましょう。