故障・修理
更新日:2022.12.20 / 掲載日:2022.12.20
アクセルとブレーキの踏み間違いが多発 踏み間違い時加速抑制機能・装置は必需品
ドライバーの約3割が「アクセルとブレーキの踏み間違い」を経験しており、操作ミスをした際に急加速抑制機能に助けられたケースが1割近くあることが、ホンダの「クルマと移動に関する調査」で分かった。
同調査は、新型コロナウイルスの流行以降のライフスタイルの変化について、全国のドライバー1200人を対象に、8月18日~22日までインターネットで調査したもの。
8割がヒヤリハットを経験
クルマを運転中のヒヤリハット経験を聞くと、80.4%が経験しており、ペーパードライバー(87.8%)もデイリードライバー(87.8%)も同数が経験していることから、運転に慣れていなくても慣れていてもヒヤリハット経験は約9割と非常に高く、ドライバーなら誰にでも起こり得ることが明らかになった。
新人やコロナで運転頻度が増えた人で踏み間違いが多発
経験したヒヤリハットの内容は、「追突しそうになった」(55.5%)、「前のクルマが進んだことに気が付かず後ろに迷惑をかけた」(31.3%)、「駐車時の後方確認が不足」(29.1%)が多い。
運転キャリア別に見ると、3層とも「追突しそうになった」が最も多くなっているが、1年以内に免許を取得した新人ドライバーは発進時や駐車時などの「アクセルとブレーキの踏み間違い(計)」が39.2%で2番目に多くなっている。
また、コロナ禍以降運転頻度が増えたと答えた人も3人に1人(34.9%)が発進時や駐車時などに「アクセルとブレーキの踏み間違い(計) 」を経験している。
なお、「アクセルとブレーキの踏み間違い(計)」は、発進時や駐車時、交差点やカーブでの踏み間違いを合算した数値である。
ドライバーの約3割が踏み間違いを経験

シーンやシチュエーションを限定せず、アクセルとブレーキの踏み間違いの経験を聞くと、約3割(28.5%)が踏み間違いを経験している。踏み間違いは高齢者に多いと思われがちだが、年代別に見ると、18〜29歳が36.1%、30~39歳が34.6%と若い世代が多くなっている。
運転キャリア別に見ると、コロナ禍前から運転機会が多いデイリードライバーは約2割(17.5%)と少ないが、ペーパードライバーは31.5%、新人ドライバーは36.5%と踏み間違いをしてしまう割合が3割を超えて高くなっている。
また、運転に「自信がある」と答えた人でも4人に1人(25.9%)、「ほぼ毎日」運転する人でも28.5%、「週4~5回」運転する人では32.6%と、運転への自信や頻度に関係なく、ドライバー全体の約3割が踏み間違いを経験している。
踏み間違えたシチュエーションは、「駐車場で細かく出し入れをしていた時」(31.9%)、「渋滞時にアクセルとブレーキの位置の思い込みをしていた時」(21.3%)、「単調な道での運転でぼーっとしていた時」(20.8%)が多くなっている。
運転キャリア別に見ると、新人ドライバーは「駐車場での出し入れ時」(28.1%)だけでなく、「渋滞時にアクセルとブレーキの位置の思い込みをしていた時」(29.5%)に踏み間違いをすることが多くなっている。
ペーパードライバーと運転機会が多いデイリードライバーを比べると、「単調な道」「睡眠不足」「長距離運転」のシーンではデイリードライバーの方が踏み間違いをする割合が高くなっており、運転に慣れているがゆえの気の緩みが感じられる。
ドライバーの4割が安全運転支援システムに助けられる

ヒヤリハットを経験したドライバーに、ヒヤリハットの時にクルマの安全運転支援システムに助けられたかと聞くと、約4割(40.3%)が助けられた経験が「ある」と答えた。
具体的な安全運転支援システムは、「衝突を予測してブレーキをかける機能」(23.1%)、「先行車の発進をお知らせする機能」(13.1%)、「障害物の有無にかかわらず、踏み間違えによるアクセルペダルの操作ミスを検知し、意図しない急な加速をしないようにする機能」(9.7%)、「車線からはみ出しそうなとき、車線内に戻す支援をする機能」(9.4%)などに助けられている。
価格よりも重視するポイントは安全運転支援システム

クルマの購入時に重視するポイントを聞くと、「運転のしやすさ」(62.8%)、「安全運転支援システム」(61.2%)、「価格」(60.8%)、「燃費」(60.3%)の順で、価格よりも安全運転支援システムが重視されている。
どんな安全運転支援システムがあれば安心して運転できるかと聞くと、実際の利用率が高い「衝突を予測してブレーキをかける機能」(65.3%)がトップ、次いで「障害物の有無にかかわらず踏み間違えによるアクセルペダルの操作ミスを検知し、意図しない急な加速をしないようにする機能」(45.7%)を選ぶドライバーが多くなっている。
ドライバーの約3割が経験するアクセルとブレーキの踏み間違い。アクセルペダルの操作ミスが未然に防げるようになれば、ヒヤリハットもそれ以上の事故もさらに少なくなることは必至だ。今や踏み間違い時加速抑制機能・装置は必需品である。
出典:アフターマーケット 2022 年 11月号