故障・修理
更新日:2021.03.09 / 掲載日:2021.03.09
車のエアフィルターとは?交換時期の目安や交換するメリット・デメリットについて解説!

カー用品店やガソリンスタンドなどで、勧められることもあるエアフィルター交換。
「何のために交換するの?」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。また、同じく交換を勧められる“エアコン”フィルターと、混同している方もいるかもしれません。
そこで今回は、エアフィルターとは何か、エアコンフィルターとの違い、交換するメリット・デメリットや交換時期の目安、交換方法などを解説していきます。
そもそもエアフィルター(エアクリーナー)とは?エアコンフィルターとの違いは?

エアフィルターは簡単に説明すると、エンジンに取り込む空気をろ過するフィルターのことです。よって、エンジンルーム内に設置されています。
空気はガソリンと混合されて、エンジン内部のシリンダーに送られます。シリンダーで圧縮した空気に点火して燃焼させることで、エンジンが回転を続ける仕組みです。
取り込まれる空気に砂塵・異物などが混じってしまうと、エンジン内部を傷つけたり、エンジン不調につながったり、最悪の場合にはエンジン破損につながってしまうケースもあります。
エアフィルターはそういった不具を発生させず、きれいな空気をエンジンに送るための必要不可欠なパーツなのです。
エアフィルターには、空気をろ過した汚れが徐々に付着するため、定期的な交換をおすすめします。
エアフィルターとエアコンフィルターは別物?
エアフィルターがエンジンルーム内に設置されているのに対し、エアコンフィルターの多くは、助手席のグローブボックスの奥に設置されています。
エアコンフィルターの役割は、車内に送る空気をきれいにすることです。外から取り込んだ空気は、エアコンを使用して車内を暖めたり冷やしたりするのに使われます。
このとき、汚い空気を車内に循環させないように設置されているのが、エアコンフィルターです。
つまり、エアフィルターは「エンジンにきれいな空気を送るフィルター」、エアコンフィルターは「人にきれいな空気を送るフィルター」です。
名称は似ていますが、役割は異なります。
エアフィルターを交換するメリットとは?

エアフィルターは空気をろ過するため、異物が混じった空気が通るたびに少しずつ目詰まりを起こします。
その状態のまま走行し、ひどくなると空気を通す際の抵抗が大きくなり、適正量の空気を勢いよくエンジンに送り込むことができません。これにより、エンジンの吹け上がりが悪くなるといった不調の原因になります。
こういった症状を改善するには、エアフィルターの交換が必要になりますが、交換することには具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか?
エアフィルター交換によるメリット
エアフィルター交換によるメリットは、おもに以下の3つです。
燃費が向上(回復)する
エンジンは、適正な空気・燃料を点火にして燃焼させることで、回転エネルギーに換えて稼働しています。きれいで適切な量の空気をエンジンに送り込めなければ、不完全燃焼になり燃費は悪化します。
エアフィルターは、走行距離や使用期間に応じて目詰まりを起こすパーツです。ドライバーは知らず知らずのうちに、パワーダウンに対応しようとして、アクセルを踏み込んでしまいます。
こういった現象は、エアフィルター交換によって解消します。「エアフィルターを交換することで燃費が良くなる」というよりは、「知らぬ間に悪化していた燃費が回復する」というのが正確でしょう。
エンジンのパワーアップ(回復)
エアフィルターが目詰まりを起こすことは、必要量の空気が送られないことを意味します。アクセルを踏んでも予想したような加速や発進ができず、パワーダウンを感じることもあるでしょう。
このような場合はエアフィルターを点検しましょう。エアフィルターが汚れている場合は交換をすることで、適正な量の空気が送られ、パワーダウンした車が回復する可能性が高くなります。
エンジンが長持ちする
エアフィルターが詰まった状態では空気の量が足りず、燃料との混合比率が狂ってしまいます。これは、エンジンにとっても良い状態ではありません。
不適切な空燃比での燃焼はススやカーボンが多量に発生する原因になり、長期的に見るとエンジンの寿命を縮めることになります。
エンジンを長持ちさせるためにも、エアフィルターを定期的に交換することが望ましいといえるでしょう。
エアフィルターを交換するデメリットとは?

エアフィルターの交換にはメリットが多くありますが、デメリットはあるのでしょうか?
結論からいうと、純正品に交換した場合にはデメリットがありません。新車同様のエアフィルターの状態に戻ると考えてよいでしょう。
しかし、社外品に交換した場合はその限りではありません。純正品と違う性能のものを組み込むことで、バランスが崩れる恐れがあります。
エアフィルターを社外品に換えた場合のデメリットを、下記で具体的に説明します。
エアフィルターを社外の商品に換えた際のデメリット
パワーアップを目的とした社外エアフィルターに交換した場合、以下のようなデメリットが考えられます。
交換時期が早くなる場合がある
社外品の多くは、空気の流入効率を高めたものになっています。空気の流入効率を高める素材や形状によって、純正品よりも砂塵や異物による目詰まりが早くなり、交換サイクルが早くなる場合があります。
エンジンのパワーがダウンする
昨今の車は、エンジンの空燃比を電子制御しています。エンジンの制御を自動で行なうので、多少の空燃比の違いはカバーすることが可能です。
しかし、キノコ型と呼ばれるような社外品に交換した場合は、電子制御が追い付かず(空燃比の調整の範囲を超える)、逆にパワーダウンしてしまうことがあります。
費用がかかる
純正品の交換であれば、部品代は2,000円~3,000円程度、工賃は2,000円程度が目安です。
それに対し、キノコ型に交換する場合は20,000円以上の高価なものが多く、費用が高くなる傾向があります。さらに、キノコ型のエアフィルターへの交換が初めてであれば、固定部品を取り付けたり、ダクトを切断したりするなど追加作業分の工賃も必要です。
エアフィルターの交換時期の目安は?

空気中の不純物の量にも関係があるので一概にはいえませんが、自動車メーカーではおおむね20,000キロメートルから30,000キロメートルを目安としているところが多いようです。
エアフィルターが、どれだけ汚れた空気を吸い込んだかによって汚れ具合も変わります。年数も関係しますが、走行距離を重視して交換目安を考えるとよいでしょう。一般的には、車検に合わせて交換がするくらいが目安といわれています。
年間走行距離が多い方や都内の渋滞道をよく走行する方は、定期的にディーラーや修理工場などで点検してもらい、必要であれば早めに交換してもらうことをおすすめします。
エアフィルターの交換方法について

エアフィルター交換は比較的簡単にできるため、DIYで交換する方も多くいます。ここでは、一般的なエアフィルターの交換方法を解説します。
ボンネットを開けてエアフィルターボックスを探す
まずはボンネットを開けて、エアフィルターボックスの位置を確認します。エアフィルターボックスは、長方形タイプ・円柱タイプなどがありますが、エンジンに太いパイプでつながっているのでそれを目印に探しましょう。
エアフィルターボックスは、クリップもしくはネジで留まっています。これらを取り外し、フタを外すとエアフィルターが見えてきます。
新品のエアフィルターを取り付けて逆の手順で戻す
エアフィルターに付着した砂塵や異物などが、誤ってエアフィルターボックス内に入らないよう、古いエアフィルターを慎重に取り外してください。
古いエアフィルターを取り外せたら、新しいフィルターと交換しましょう。このとき、装着した新しいエアフィルターが隙間なく、キッチリと収まっていることを確認してください。もし隙間があれば、上下左右の方向が間違っているか、適合していないフィルターの可能性があります。
エアフィルターをきちんと装着できたら、最初とは逆の手順でもとに戻しましょう。
ボンネットを閉じてエンジンを始動し、何らかのエラー(チェックランプ)がメーターに表示されていないことをチェックします。
特に表示されなければ、エアフィルターの交換は終了です。
もし、ご自身で交換するのが不安であれば、グーネットピットで業者を探すことをおすすめします。
全国の業者が見つかるのはもちろん、作業実績も確認できますので、安心してご依頼いただけると思います。
https://www.goo-net.com/pit/
まとめ
今回は、エアフィルターの役割、エアフィルターとエアコンフィルターの違い、交換することによるメリット・デメリット、交換時期、交換方法などを紹介しました。
エアフィルターは、エンジンにとって非常に重要な役割を担っているパーツです。空気から砂塵や異物を取り除くことで目詰まりを起こすので、定期的に交換する必要があります。
最近エンジンの不調を感じている方や、普段エンジンルームをあまり見ない方などは、これを機に一度点検してみてはいかがでしょうか。