>バッテリー&オルタネーター完全リフレッシュ 【2】
故障・修理
更新日:2020.03.10 / 掲載日:2020.03.10
バッテリー&オルタネーター完全リフレッシュ 【2】
もしもターミナルが腐食していたら、酸化物をキッチリ磨き落としておく!
緑青は熱湯をかければ容易に除去できる
充・放電時、バッテリーターミナル周辺にはイオンが発生するため腐食しやすく、手入れを怠ると白い粉状の酸化物に覆われる。これを放っておくとケーブルの芯線まで侵されるので注意!
熱湯をかければきれいに取り除ける.
発見したらただちに洗浄を。 ターミナルポールの酸化皮膜を磨き落とす
ただし、ターミナルポールとターミナル内面に付着した酸化物まで除去することはできないため、洗浄後に一旦外して磨く必要がある。
金ブラシで擦る、もしくはサンドペーパーを巻き付けて回すことで研磨。
鉛材の艶々した地肌をムラなく露出させる。 ターミナルの内面もキッチリ磨く
ターミナルの内面は。
サンドペーパーを棒状に巻いたものをはめ込み。
回しながら上下させて磨き上げる。
磨ききれない面に残った酸化物に対処するため、仕上げにコンタクトスプレー(接点復活剤)を塗布。
ウエスで磨き上げてターミナルの処置は完了。
酸化物を削り落とした面は、無防備ゆえ、再腐食防止策としてポール表面にグリスを塗布してからターミナルを組み付ける。 上面が湿っていたら要注意!
ケース上面には充電時に排出されたガスと共に電解液(希硫酸)が漏れ出ることがある。このため、湿っていたら要注意!
端子間がショートして放電しやすくなるため、キッチリ拭き取っておく。
ただし、使用したウエスには希硫酸が染み込んでいるので注意。ただちに水洗いすることが肝心だ。コンディション判定には専用チェッカーが必須!!
カイセ/バッテリーチェッカー
SK-8550
価格:86,000円(税別)
端子間電圧(発生電圧)やインジケーターによるコンディション確認はあくまで目安。これらだけでは正確な判定を下すことはできない。使用後数年経つなどし、劣化している場合がある。劣化して実質容量が低下したバッテリーでも充電直後なら十分な電圧を発生し、インジケーターも正常と表示されるからだ。
このため、年数が経過したバッテリーで正確な判定を下すには専用チェッカーが不可欠。そのバッテリーチェッカーの最新モデル。カイセの「SK-8550」を利用してモデル車のバッテリーの健康状態をチェックしてみた。
無用な負担をかけることなくチェック!
+ターミナルに赤色、-ターミナルに黒色のバッテリークリップを接続する。
すると本体電源が自動でONになり、テスト選択画面が表示される。
バッテリーテストを選択して決定キーを押す。
バッテリー規格選択でJISを選択。
テスト方式は充電制御を選択。
診断モードは劣化診断モードを選択。
バッテリーに合致するJIS形式を選択し決定キーを押すとバッテリーテストが実行される。
完了するとテスト結果が表示され.
プリントスイッチを押せばテスト結果の詳細がプリントされる。
その詳細プリントがこれ。モデル車のバッテリーは半年前に交換したばかりゆえ問題なし。では、ヘタったバッテリーだとどうなるか。それも試してみた。 インジケーター、電圧は正常でもダメなものはダメ
試したのは3年間使用後、ガレージに保管してあったこのバッテリー。
インジケーターは「良好」を示唆。
端子間電圧も12.38Vと、若干低めながらとりあえず使えるレベルにはある。
ところが、劣化診断してプリントアウトしてみると……。
健全性12%で、使い物にならないレベル。
「もしや……」と疑問を感じたなら、整備工場でバッテリーチェッカーによる劣化診断を依頼することをおすすめする。
>バッテリー&オルタネーター完全リフレッシュ 【2】