故障・修理
更新日:2020.08.31 / 掲載日:2020.08.31
南千葉サーキットをドリフト走行!?前編 AA63セリカ ラリー車製作プロジェクト

南千葉サーキットを
セリカがドリフト走行!
今回の取材に伺った時、突如RSロゴスの久保さんから重大(?)発表が。
「2週間後にウチのチームで南千葉サーキットでドライビングレッスン的な走行会をやるんで、その時セリカをテスト走行します」
失礼ながらその時は「えっ???」というリアクションしかその時はできなかった。というのもまだフロントのカウルトップ部が錆びて欠損したまま。どうにかカタチになったリヤ側はともかく、前から見たらまだまだ錆びて朽ち果てそうな解体車にしか見えない状態だったからだ。
しかもただ普通に走るわけではなく、小さいコースとはいえ、レーシングコースを走るというのである。ボディの強度を保つ上で非常に重要なAピラーの根元に錆による大穴が開いた状態でサーキット走行などできるワケがない。
しかしなんと2週間しか時間が無い中、海老名メカがクルマを仕上げてくれました! そして本当に南千葉サーキットのコーナーをラリー車両らしくドリフトで駆け抜けてくれたのです。
そしてそのドリフトしているセリカの勇姿を、ドーンとお見せする予定だったのですが、なんと撮影データがクラッシュ。セリカはクラッシュせず、機械的にもトラブル無く走ってくれたのだが、撮影データがトラブってクラッシュしてしまったのだ。「いつになったら走るんだ? 本当にラリーに出場するの?」と思っていらっしゃる読者のみなさんを「アッ!」と言わせようと思っていたのに、本当に残念でなりません。でも走ったのは事実。セリカは錆との戦いをほぼ終えました。その最後(?)の錆との戦いを今回と次回でレポートします。

「作業のペースを上げるために、1度思い切って走らせてみることにしたんですよ」と久保代表が突然発表。もちろん海老名メカに相談してのことだが、走行予定日まで2週間しかないのに、ボディはご覧の状態だった。

正統派のレストアとなれば、カウルトップのパネルは一体となるが、作り易さを優先して部分ごとに分割して製作することにしたそう。撮影に伺った時点ですでに中央部のパネルのベースは切り出されていた。

ここでは残り部分となった助手席側の切り貼りパネルを作る模様をお見せしよう。以前は型紙を作って作業することが多かったが、テスト走行までの時間がない現状、鉄板にいきなりマーキングしてカタチを決める。

マーキングに合わせて、鈑金ハサミで余分な部分をカット。いくら鈑金ハサミと言っても鉄板をきるのだから、結構大変なはずだが、海老名さんはまるで厚紙を切るように鉄板を切り刻んでいく。

カウルトップの最も助手席側に開いた錆穴を埋める鉄板切り出しが完了。形状は型紙無しのフリーハンドマーキングにも関わらず問題なし。まだ平面のままなので、完全にはフィットしていない。

海老名メカが愛用する鈑金ハサミを紹介しよう。といっても特に特別なハサミというわけではない。海老名メカによると、近所のホームセンターで手に入れたというものだそう。ベーシックな1支点ではなく、より硬いものでも切ることができる2か所支点タイプ、倍力金切りハサミというところがちょっとだけ特別感のある部分となる。海老名メカによると倍力タイプなので誰でも鉄板を厚紙のように切れるというが、いくら倍力タイプとはいえ、海老名メカの握力の強さ無くしてはああは切れないはず。