故障・修理
更新日:2020.09.18 / 掲載日:2020.09.18

ドアトリムの脱着 音質アップDIY PART1-1

ドアトリムの固定ポイント
数か所、ネジ留めされているが巧妙に隠されている!?
 ドアトリム固定のメインは「樹脂クリップ」による勘合固定だが、力のかかる部分が数か所、ネジ留めされている。
 どんな車種でも必ず設置されているのがインナーハンドル部とアームレスト周辺で、車種によってはトリム前端や後ろ端にも固定ポイントがある。ただし、ネジ頭部がむき出しで組み付けられているケースは少なく、たいてい隠し蓋やカバーで巧妙に隠されている。このため、初めて取り外す時は隅々までよく観察してネジ位置やアクセス手順、本数を確実に見極める。これがなによりも大切だ。

ドアトリム上端は一般にドアフレームに引っかけられており、左右端と下端が樹脂クリップによってドアフレームに勘合固定されている。この他にドアハンドル/アームレストといった力のかかる部分が数か所、ネジ留めされている。また、車種によってはトリム外周部がネジ留めされていることもある。これが樹脂クリップ。根元の膨らみがドアパネルの固定穴に引っかかることで浮き上がりを抑えている。このため、外す時はまっすぐに引き抜く必要があるので注意が必要だ。

インナーハンドルのレバー裏にはめ込まれたカバーの隙間にパネル剥がしを押し込み、抉り上げてカバーを取り外す。ホルダー面中央の+スクリューを取り外す。アームレストの指掛け面の底に敷かれたマットを引き剥がし、底部に組み付けられた+スクリューを取り外す。いよいよ樹脂クリップを抜き始める。まず、アクセスしやすい角位置から外し始める。抜けたら反対側の角を引き抜き、横の樹脂クリップに移動しつつ順次抜いてパネル下端をフリーにする。残りの樹脂クリップを左右交互に順次、すべて引き抜く。ドアトリムを真上に引き上げ、上端部への引っかかりを外す。

樹脂クリップは1本ずつ 引き抜いていく

樹脂クリップはむやみに引き抜くとドアトリムへの組み付け面が破損。最悪、再利用できなくなるので注意! 外し始めはトリム下部の角に内装剥がしを押し込んで隙間を空け、樹脂クリップの位置を確認。その樹脂クリップの根元にリップクランプツールの先端部をはめ込み、こじり上げて引き抜く。樹脂クリップが外れたらトリム端を軽く引き上げ、リップクランプツールを横に移動させて隣の樹脂クリップを探りつつ1本ずつ順に、確実に外していく。車種によっては奥まった位置にあるケースも。このため、ロングタイプのクリップクランプツールも用意しておくことをオススメする。

ドアトリムを落下させないよう支えつつトリム裏に手を入れ、配線カプラを切り離して取り外す。インナーハンドル裏に接続されているケーブルのアウターケーブル末端のホールド部をまっすぐ引く。ハンドルのケーブル接続面の切り溝にインナーケーブルを合致させ、ケーブル先端のタイコを引き抜いてハンドルから切り離す。ハンドルとハンドルロックの2本のケーブルが接続されれている場合、色分けされているので上下どちらに接続されているのか、忘れずに確認(心配ならスマホで撮影しておくとよい)を!残っている配線カプラを切り離す。ドアカーテシーランプのコネクターを切り離し、ドアトリムを取り外す。

ドアトリムをドアパネルに勘合固定している樹脂クリップは、トリム裏の周囲に等間隔で複数本(一般に8~10本)、組み付けられている。脱着時はトリム裏の固定面にはまった状態で抜けてくるが、斜めに引き上げるなどしてはめ込み部が破損してしまうとドアパネル側に残ってしまうので注意。脱着時は数が揃っているか必ず確認を!

ドアパネルにはドアロックやガラス昇降装置を組み付けるためのサービスホールが設けられており、ビニールの防水シートで塞がれている。近年、樹脂パネルがはめられているケースも増えているが、いずれにしろブチルラバーで貼り付けられている。スピーカーは一般にネジ留めされているが、プリウスαはリベット留め。脱着時はドリルでこじり外す必要がある。

防水シートの端をしっかり持ち、ゆっくり引き剥がしていく。粘着面の近くを持って引っ張るようにするとカスが残りにくい。が、粘つきが激しい状況なら、引き剥がされた面をカッターで切りながら剥がすとよい。防水シートの上に固定されているブラケットは、固定ボルトを緩めて取り外す。こうすればスムーズに防水シートを剥がせるが、外したパーツはただちに元通り組み付けておく。

どんなに丁寧に作業しても接着跡には粘着材が点々と残る。このようなカスは、制振シート貼り付けの障害となるため、キッチリ取り除く必要がある。傷付けにくい樹脂ヘラで、可能な限りかき取る。残ったカスはブチルクリーナーを染み込ませたウエスで拭き取る。それでも残った塊はブチルクリーナーを直接、塗り付け、溶け出したところで拭き取るとよい。手間と時間はかかるが、残さず処理したい。

スピーカーコードの接続コネクターを引き抜く。スピーカーを固定しているブラインドリベット(4本)の中心をφ5mmのドリルでもんでいく。傘面を削り落とせばスピーカーが外れる。ただし、純正リベットは樹脂コーティングされた特殊なリベットで、アルミの傘面が外れても樹脂傘が残る。スピーカー脱着時は、この樹脂傘をニッパーで切り落とす必要がある。また、ドアパネル側に残ったリベットカスは、そのままでは空回りして外れない。このため、パネル裏に飛び出した面をニッパーでガッチリ挟んで保持した状態で、ドリルでもんで取り外す。

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グーネットピット編集部

ライタープロフィール

グーネットピット編集部

車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

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