故障・修理
更新日:2020.11.17 / 掲載日:2020.11.17
The 溶接 DIYで楽しむ「鉄」工作2 DIY向け機種紹介!被覆アーク溶接機
近年の100V仕様は
プロ用途でも十分実用になる!?
製品の開発目的や想定しているユーザー層を把握できれば、目的に応じた的確な機種選びを行うことができる。
というわけで、スター電器製造株式会社 企画室の鈴木太一氏にお話を伺うと共に、オススメ機種の選定をお願いした。
編集部:100V仕様の溶接機というと、パワー不足でまともに溶接できない。そんなイメージを持っていたのですが、御社の「アーキュリールナII」を使って考えが一新。とにかくスムーズに溶接できるためびっくりしました。これなら業務用途でも実用になります。事実、知り合いのプロが出張用に利用しています。
鈴木氏:お褒めいただき、ありがとうございます。弊社は小型・軽量・100V(=家庭用)・ノンガスetc.と、どれを取っても溶接にとって不利で困難な課題・条件に挑戦し続けてきました。その技術の積み重ねと、AC100Vという国内環境への最適化が功を成した結果と思われます。
編集部:AC100Vという国内環境への最適化ですか……実は海外製のノンガス半自動溶接機を購入して使ってみたんです。で、最初は問題なく使えたものの半年も経つと、まともに溶接できなくなってしまいました。日本のAC100Vという電圧は世界的にみると少数派ですよね。主流は220Vで、それ以外は110/115/125のいずれか。100V仕様と謳っているものの、実は110V仕様だったのでは?
鈴木氏:その可能性は十分あり得ますね。
編集部:保守や修理も問題です。そう考えると多少高くても、やはり国産が安心です。そんなわけで、御社のオススメの一品を挙げていただけますでしょうか?
鈴木氏:被覆アーク溶接であれば最新の「STK-80」。ノンガス半自動なら「SBD-80」ですね。共にネット専売モデルで店頭では手に入りませんが、リーズナブルな価格でオススメです。
ホームアークナビプラス(SKH-42NP)
操作系は電源スイッチのみ。電源コードをコンセントに、アースクリップを母材に接続したら、スイッチONするだけで使える。
低電圧用の1.4mmと1.6mmの溶接棒が使用可能。1.4mmで板厚1.2mm、1.6mmが板厚1.2~3.0mmまで溶接することができる。
溶接棒をホールドするホルダーは、一般の被覆アーク溶接機用と比べて一回り小さい、超軽量のコンパクトな専用品が付属する。
ホームセンターで一般に売られている信頼の国内メーカー品としては最安クラスの家庭用100V専用の低電圧溶接機。低電圧溶接機とは出力電圧が通常の溶接機より低く、入力容量が小さく設計されている経済的な溶接機のことで、専用の低電圧溶接棒が必要となる。プラスチックケーシングを採用した重さ6kgと片手で楽々持てる小型軽量。かつ電源スイッチのみというDIY向けのシンプルな機種で、使用率オーバー防止機能により内部焼損を心配することなく安心して使用できる。
スティッキー(STK-80)
最大2.6mmφの溶接棒に対応する「ホルダー」はホームアークナビプラスよりガッチリした造り。また、コードは脱着式となっている。
出力電流の調整が可能で、時計方向に回すと出力電流が高くなり、反時計方向に回すと小さくなる。
また、電源スイッチは背面に設けられている。
ホームアークナビプラスでは非対応だった2.0mmφの溶接棒も使うことができる。しかも、一般用溶接棒を使用することができるのだ。
2019年発売
ネット限定モデル
最新技術を投入した100V直流インバーターアーク溶接機で、本体重量およそ3.8kgと超軽量化を実現しつつ最大2.6mmφの溶接棒が使用可能(100V15Aの家庭用コンセントでは1.6mmまで)と業務用機に迫る性能を発揮する。
さらに、これから溶接を始める人にも最適な3つのサポート機能を搭載!
★ホットスタート機能
溶接スタート時に瞬間的に電流値を上げ、アークスタートがスムーズに行える。
★アークフォース機能
溶接棒が溶けていく中で、対象物との距離が離れても一定まで溶接が継続する。
★アークスティッキング機能
アーク切れ(溶接棒が対象物にくっつく現象)を低減する。
電気用品安全法(PSE)および放射ノイズを低減するEMIに対応しているため、安心・安全に使用することができる。