故障・修理
更新日:2019.09.27 / 掲載日:2019.09.27
20世紀の常識 vs 21世紀の新常識04「バルブタイミングの固定 vs 可変」
4ストロークの内燃機関は吸入、圧縮、燃焼、排気という4つの行程で一つのサイクルを終える。吸入行程では排気バルブが閉じ、吸入バルブが開いている。燃焼行程では排気バルブも吸気バルブも閉じている。排気行程では吸気バルブが閉じ、排気バルブが開く。しかし、バルブの開閉は単純なものではなく、エンジンの性格、排気量に合わせて、各行程で設定される。たとえばファミリーカーに搭載されるエンジンでは、吸排気バルブが共に開いているバルブオーバーラップを小さめにして、低・中回転域のトルクを高め、高性能エンジンでは、低・中回転域のトルクを犠牲にして、バルブオーバーラップを大きめにし、高回転時の性能を追求する。
1980年代までは、バルブオーバーラップを司るカムの位置は固定で、エンジンの性格を変えることはできなかった。しかし1983年アルファロメオによって可変バルブタイミングが開発された。初期のものは2段式だったが、実用域と高速域でバルブタイミングを変えることができ、運転全域で平均したトルクを発生できるようになった。
可変バルブタイミングはその後、連続可変式へと進化し、現在は電動モーターで駆動するものもある。また、吸気側のみでスタートしたこの機構も、排気側にも組み込まれるようになった。
可変バルブタイミングは燃費の向上にも大きく貢献している。軽自動車ではリッター当たり35kmという驚異的な燃費のクルマがあるが、これも可変バルブタイミングあってのものだ。
低速でも中速でも高速でも、どんな運転領域でも最適なバルブタイミングに可変制御





