故障・修理
更新日:2019.12.17 / 掲載日:2019.12.17
車のエンジンオイルはそもそもなぜ減るのか
エンジンオイルは密閉されたエンジン内部を循環しているため、基本的にエンジンオイルは減っていかないイメージがありますが、実際にはエンジンオイルが減ってしまうこともある。 ここでは、車のエンジンオイルがなぜ減ってしまうのかについて解説する。
エンジンオイルはオイルパンに溜められ、ポンプによってエンジン各部に圧送され、潤滑を終わると自然落下して、エンジンの一番下に設けられているオイルパンに戻るというサイクルを繰り返している。各部が密閉され、さらに温度の影響を受けないとすればオイルが減るということはないが、高温、高速で稼働するエンジンには、それは当てはまらない。
エンジンオイルが減る理由はいくつもあるが、構造的なものと、機械的なトラブルによるものの2種に大別できる。構造的なものは自然蒸発による微少な減少と、ピストンのオイルリングによる掻き落とし能力が100%でないこと。これによりシリンダーウォールにわずかに残ったオイル皮膜が燃焼する。


ブローバイガス還元システムも構造的なものの一つだ。シリンダーからの吹き抜けガスを大気放散させないように、いったんシリンダーヘッドへ上げ、そこからホースによってインテークマニホールドの上部に入れ、吸入空気と混合し、再度燃焼させる。このブローバイガスにエンジンオイルがミストとして混入しているので、混合比率は低いが、オイルを燃やしていることになる。
機械的なトラブルによるものは、ピストンリングやシリンダーの摩耗によって、エンジンオイルの掻き落としが完全に行われないようになり、シリンダー内に残って燃焼する、通称オイル上がりがある。バルブステムシールの劣化やバルブステムの摩耗によって、エンジンヘッドからシリンダー内にオイルが入るのはオイル下がりという。いずれも摩耗が激しくなるとシリンダー内でオイルが燃え、テールパイプから白煙を吹き出すようになる。この他オイルパンとシリンダーブロックの接合部、シリンダーブロックとヘッドカバーの接合部のシール不良によるオイル漏れもある。



