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故障・修理
更新日:2019.12.17 / 掲載日:2019.12.17

車のプラグコードの規格と種類について

 プラグコードの役目は点火コイルで発生した高電圧を点火プラグへ伝達することだ。最近では、軽自動車のエンジンもコイルを各シリンダーに装備したダイレクト点火になっているため、採用数は徐々に減ってはいる。しかし、街中を走行しているクルマでは装着しているエンジンが多いし、ダイレクト点火でもコイルを共用して、2気筒分の片側だけプラグコードを使っている例もある。
ここでは、車のプラグコードの規格の解説をはじめ、導線の種類と記号、JISの表示やプラグコードに必要な特性などについて解説する。

プラグコードは高電圧(数千~1万5千V程度)をエンジンの上という高温かつ振動にさらされた状態で確実に伝達する性能が求められる。この他、エンジンルームは水分や油分、外気などにさらされるため、過酷な環境下を想定した評価が行われる。

 プラグコードには数千から数万Vの電圧が加わるため、まず必要なのが耐電圧の特性だ。さらに、エンジンの上という温度変化の激しい部分で振動にさらされたり、場合によってはオイルが付着することもあるので、耐油性や温度に対する特性の変化も試験項目に盛り込まれている。また、繰り返しの温度変化や油の付着などに耐えるかどうかライフサイクル試験という複合的なテストも行われる。

プラグコードの規格

規格というと用語が堅苦しくなりがちなのだが、プラグコードはJIS規格の自動車の分類で、高圧電線という名前になる。また、端子のJISのD5202の自動車部品・ディストリビュータ及び点火コイル-高圧端子及び低圧端子の形状寸法に規定がある。

 JISの規定では、製造メーカーや製造年のほか、プラグコードの抵抗値やコードの材質をアルファベットや数字で表示するようになっている。しかし、一般にはJIS通りの表示のものは少なく、自動車メーカーと部品メーカー間で取り決めた表記になっていることが多い(表示の意味も未公開となっていることがある)。プラグコードの場合、他の電線と違って車種(エンジン)専用になることもあるので、他機種と使い回したりすることはないので、共通表示にこだわる必要性が少ないと考えられる。

プラグコードの配置例

点火コイルがディストリビューター外にある従来タイプ。写真は軽自動車用3気筒エンジンのもの。コイルからのコード(センターコード)がディスビの中心に接続される。

点火コイルがディストリビューターの中に入ったもの。写真はプラグコードを外した状態だが、右よりの膨らんだ部分にセンターコードに該当する導通部が内蔵されている。

各プラグ用に点火コイルをもち、ディスビを廃止したタイプ。点火コイルとプラグの間をプラグコードが直につなぐ。空中放電がないのでロスやノイズ低減に効果あり。

プラグコートの構成

導線の種類と記号

JISの表示

プラグコードに必要な特性

プラグコードの性能試験には表のようなものが定められている。このうち、●耐油性は長さ約500mmのコードを120℃の潤滑油に24時間浸して著しく膨潤が無いかを調べる。●耐低温性は長さ約500mmのコードを-20℃(クロロプレンシース)、-15℃(ビニルシース)の低温槽内に1時間保持して取り出し、45mm径の丸棒に3回巻き付けてシースに亀裂が入らないかを調べる。●耐ライフサイクル試験は、適切な長さのコードを13mm径の丸棒に巻き付け、他の端に重りを加え丸棒を回転してコイル状に接触したものを巻きほぐして巻く操作を行ってから、加熱、電圧印可、加熱、油漬けなどの試験を繰り返し、劣化の状態を調べる。●耐高温性は120℃(クロロプレン)、100℃(ビニル)の流通空気中に48時間保持した後に室温で冷却し、13mm径の丸棒に一周させた時に亀裂の状況を調べる。

試験方法の例

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グーネットピット編集部

ライタープロフィール

グーネットピット編集部

車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

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