故障・修理
更新日:2018.10.16 / 掲載日:2018.10.16
絶対やっちゃダメ!禁断のクルマ実験室13 ハイブリッドから普通車のバッテリーあがりを救援

バッテリーあがりの助け合いは可能なのか?














乾電池だと容量が足りないので、それだけでREADYにすることはできなかった。最近は高性能で安価なモバイルバッテリーがあるので、それを使うのがいいだろう。
プリウスにはハイブリッドの駆動用バッテリーと12Vの補機バッテリーが搭載されている。補機バッテリーは、ECUやライトなどの電装系を動かしているが、メインスイッチをオンにした時にハイブリッドバッテリーにあるメインリレーを作動させて、インバーターやDC-DCコンバーターなどへの回路を通じさせる役目をする。そのため、補機バッテリーがあがると、駆動用バッテリーの残量が十分でも起動できなくなる。
プリウスは3代目まではリヤに補機バッテリーがあるが、そのようなバッテリーあがりに備えて、エンジンルームのヒューズボックス内に救援端子(+)が設けてある。他車から救援してもらうときは、ブースターケーブルを互いのプラスとマイナス(ボディアース)につないで、5分ほどチャージしてからメインスイッチを押す。
しかし、プリウスのほうからバッテリーあがり車を助けることはできない。これは、恐らくリヤバッテリーと救援端子をつなぐケーブルが細く、普通車のスターターを回すときに必要な大電流(100~200A)に耐えられないからだと思われる。その他にも、他車へ大きな12V系の電流を渡すことで、駆動用バッテリーの高電圧から14Vを作り出すDC-DCコンバーターにも悪影響があるかも知れない。
そこで、プリウスからバッテリーあがりを起こしたガソリン車に対して救援をやってみた。ガソリン車側は完全に死んだバッテリーを使ったが、なんとかエンジンは始動できた。
プリウスにも特に変わったところは見られないが、リヤバッテリーからエンジンルームまでのケーブルのチェックはしておらず、何らかのダメージがあったかも知れない。
2代目プリウスの取説には他車への救援可否の記述はなかったが、30プリウスには救援端子からの他車のバッテリーあがりを救援できないと記載されている。今回のような救援に使うと、HV側のバッテリーハーネスを傷める恐れがあるが(最悪火災?)、セルを回すのではなく充電してあげる程度なら使えると考えられる。