故障・修理
更新日:2018.08.29 / 掲載日:2018.08.29
車の板金と鈑金はどちらが正しくて何が違うのか
車のボディのプロフェッショナルでもある町の鈑金屋さん。ホームページや口コミ情報を見ると「板金」と表示されている事があります。「板金」と「鈑金」はどちらが正しくて何が違うのでしょうか?

そもそも「板」と「鈑」ではそれぞれの漢字が表す意味が全く違います。といっても難しい話ではなく「木へん」と「金へん」通りの意味となります。
「板」→「薄くて平たい木材」
「鈑」→「薄くて平たい金属」
そして「ばんきん」という言葉の意味は『金属を板のように薄く打ち延ばしたもの』『金属板を常温のまま加工する事』とあるので、厳密に言うと「鈑金」の方が正しくなります。
消えつつある「鈑金」の文字
ところがこの「鈑」の字は当用漢字表にも常用漢字表にも記載がないために、現在では公文書などで使用できない漢字とされています。その理由として、戦後教育の中で専門的な意味を示す漢字(例:「日蝕(にっしょく)」など)は教えない風潮となった事が挙げられます。学校で教わってない上に、教科書での表記などでも「板金」となっている為、50代以下の人では「鈑金」の字が読めない人が多くなっており「鈑」の字は消えつつある漢字のひとつとされています。
車屋さんは「鈑金」を使いたい?
しかし本来の意味では「鈑金」が正しいので、昔からコツコツと車の鈑金業で叩き上げてきた人は「鈑金」の文字にこだわりたいところです。そこで良くあるパターンが「社名のみ○○鈑金」とする手法です。公文書では使えませんが、固有名詞としてなら「鈑」の文字を使っても問題ないので、社名を「○○鈑金」とし、会社の説明文などでは「板金」の文字を使うという「板」と「鈑」の使い方を棲み分ける事でこだわりを通すという企業が多いようです。「板金」「鈑金」どちらの字を掲げている車屋さんでも仕上がりは同じですが「鈑金」の文字を使っている方がちょっとこだわりがある、という事なのでしょうね。