故障・修理
更新日:2018.08.29 / 掲載日:2018.08.29
車の車両保険は必要?車の修理時に損しない車両保険の使い方を解説
車の保険と言えば、自賠責保険は強制加入で任意保険は自由加入ということは、皆さん知っているかと思います。ですが、「車両保険」がどんな保険かを詳しく説明できる方はあまりいないかもしれません。
今回は、車の保険でよく聞く車両保険について、補償される部分や範囲、車両保険の損得など、車両保険に関する様々な疑問について解説します。
車の保険でよく聞く車両保険とは

車両保険とは、自分の車に対してのみ車の修理費用などが補償される保険のことです。
自賠責保険は、相手や自分を最低限保証するために必ず加入しなければいけない「強制保険」であるのに対し、足りない部分を補う形で加入する民間の損害保険や共済などが「任意保険」といわれます。
車両保険は、加入するかしないかを自由に選ぶことができるため「任意保険」の一種に分類されます。
任意保険に加入する場合、まずは相手への賠償を確実にできるように、補償内容を万全にします。その際、自分の車に対する補償をつけるかどうかを選びます。相手への保証は必要ですが、自分の車の補償はどうするかということですよね。これが車両保険をつけるかどうかを選ぶということです。
車両保険で補償される部分
契約内容によっても異なりますが、車両保険で補償されるのは以下のようなケースがあります。
・いたずらや当て逃げされた際の修理費用
・自損事故で契約車両を修理する費用
・車両が盗難の被害にあった場合
・車同士の事故にあい、自分の車を修理する費用
・台風や洪水などの自然災害で、自分の車が被害にあった場合
車両保険の補償範囲
- 一般車両保険:車対車の事故・盗難や落書き・自然災害(水害など)・自損事故・当て逃げ
- 車対車+限定A:車対車の事故・盗難や落書き・自然災害(水害など)
- 車対車:車対車の事故
- 限定A:盗難や落書き・自然災害(水害など)
補償される範囲は4つのタイプに分かれます。一般は補償範囲の広さが特徴ですが、それだけ保険料も高くなります。一方で、車対車の補償範囲は狭いですが、その分保険料も安くなるエコノミー(節約)タイプといえます。
車両保険には入るべき?
車両保険は、補償される金額に対して保険料金が高い傾向にあります。そのため、“任意保険は入っているけど車両保険には入っていない”という方が多くいます。
たとえば、廃車寸前の車を数万円で手に入れたのなら、車両保険はつけずに多少の凹みや傷も気にしない方が多いと思います。対して、やっと手に入れたあこがれの車をローンで購入した場合、車両保険をつけて大切に乗っていきたいでしょう。
つまり、車両保険の損得ですが、答えは「人それぞれ」といえます。“修理するなら新しく買い替える”と思う車であれば車両保険をつけるのは損ですし、“ローンも残っているし少しの傷も許せない“と思うのであれば、車両保険をつけたほうが得といえるかもしれません。
車両保険を使うのは損か?得か?
また、保険を使えば保険料金は当然上がりますし、等級も下がってしまいます。その上、もとの等級に戻るまで数年かかってしまいます。
翌年から上がる保険料金と元に戻るまでの保険料金を比較して、自腹で支払った方が安い場合は、車の修理代金に保険を使わない手もあります。一方で、保険料金が上がることと等級が下がることを加味しても得だと思えば、車両保険から修理代金を支払った方がよいでしょう。
翌年から等級が上がり、保険料金も安くなるというタイミングで車両保険を使う場合は、保険料金が据え置かれることもありますが、その場合も、本来なら安くなるはずのところが高くつくといえますので、よく考えて車両保険を使いましょう。
車両保険の疑問
Q.事故にあっても相手の保険から修理代金が支払われるので、自分の車両保険は必要ないのでは?
A.事故には「過失割合」というものがあります。
自身の過失が3割で相手の過失が7割の3:7の過失割合で、例えば車の修理代金が100万円かかった場合、7割の70万円は相手の対物賠償保険から支払われますが、残りの30万円は自分の車両保険を使うか自腹で支払わなければいけません。
過失割合が5:5だと50万円ですし、10:0だと相手の保険からは1円も支払われることはなく、全て自分で支払うしかないのです。そんなとき、車両保険に入っていれば自分の車にかかった修理代金を補償してもらえるのです。
事故相手への補償は心配いらないけれど、自分の車の補償がどうなるかは、車両保険へ加入しているかどうかで決まります。
Q.新車や高級車、廃車寸前の車では掛け金は違うの?
A.車両保険はどれも補償される金額が同じではなく、「9つの車両料率クラス」に分けられます。
車両料率クラスは1年毎に見直されて、事故を起こしやすいスポーツカーや修理に高い費用が必要な高級車などは、掛け金も高い保険料となっており、事故を起こしにくいファミリーカーや修理費用が安く済む軽自動車などは、掛け金も安い保険料となっています。
自分の車両保険はどのクラスになっているのかを確認して、加入の有無を決めたいですね。
まとめ
今回は、車両保険について、補償される部分や範囲、車両保険の損得など、車両保険に関する様々な疑問について解説しました。
車両保険は、自身の車に対して補償される保険のことです。補償範囲によって保険料は異なります。
車両保険に入るかどうかは、廃車寸前の車とローンも残っている新車では必要度が変わるでしょう。また、車両保険を使えば保険料金は上がり等級も下がってしまいますので、よく考えて車両保険を使いましょう。