故障・修理
更新日:2024.02.14 / 掲載日:2024.02.14
【国産・海外産別】バッテリー製造年月日の見方 イラストつき

バッテリーの製造年月日は、バッテリー本体に記載されているのが一般的です。
この記事では、基本的な見方を具体例を交えながらご紹介します。
製造年月日からある程度経っていた場合の対応方法も解説していますので、バッテリーに関する基本知識を身につけたいときの一助としていただけたら幸いです。
1.国産バッテリー製造年月日の確認方法
(1)国産バッテリーの製造年月日の基本的な見方
国産のバッテリーの製造年月日は、基本的にバッテリー上面に記された8桁程度の数字(ないしは6桁+アルファベット)からわかります。
この数字のうち、左から6つの数字が製造された日・月・年(の下二桁)を示しています。
・「10062002」なら「100620」の部分が製造年月日→「2020年6月10日」
・「091021C」なら「091021」の部分が製造年月日→「2021年10月9日」
6つの数字のあとに記載されている数字やアルファベットは、メーカーの管理記号なので無視して問題ありません。
【国産バッテリーの製造年月日の記載例】

上記バッテリーには、「160523J」と刻印されています(赤枠で囲んだところ)。したがって、こちらのバッテリーは、「2023年5月16日製造」ということになります。
なお、国産バッテリーの場合、製造年月日の表示方法は、JIS(日本工業規格)で規定されています。
5 表示 蓄電池には見やすい箇所に,次の事項を表示しなければならない。 c) 製造年月,製造年月日又はその略号 製造年月日を略号で表すときは,次による。 例 30 06 17(2017年06月30日) (日) (月) (年) |
日本のバッテリーメーカーには、GSユアサやPanasonic、AQUA DREAM、古河電池、レゾナック(旧昭和電工マテリアルズ)などがありますが、国内のメーカーであれば製造年月日の見方は基本的には同じです。
2.海外産バッテリー製造年月日の確認方法
海外産バッテリーの製造年月日は、バッテリーの上部に記載されている製造コードから確認できます。
製造コードは通常、英字と数字の組み合わせとなっており、その中の「最初の数字」「最初のアルファベット」「最後の2桁の数字」がそれぞれ製造年月日を示しています。
最初の数字 | 西暦の最後の数字を指す。例えば「1」と刻印されていた場合、2020年代であれば2021年 |
---|---|
最初のアルファベット | 製造月を指す。アルファベットと月の関係性は以下のとおり。 ・1月ーA ・2月ーB ・3月ーC ・4月ーD ・5月ーE ・6月ーF ・7月ーG ・8月ーH ・9月ーJ ・10月ーK ・11月ーL ・12月ーM ※Iに対応する月はなし |
最後の2桁の数字 | 製造日を指す。「06」なら6日、「25」なら25日 |
そのため、例えば「1JR02」という製造コードが記載されていたら、バッテリーの製造日は「2021年9月2日」となります。
海外産バッテリーのメーカーにはBOSCHやVARTAなどがありますが、基本的に上記の見方で確認できます。日本で流通している海外産のバッテリーのほとんどが韓国の工場で作られており、同じルールで製造コードが刻印されているためです(製造コードの途中にある「R」は韓国の工場で作られていることを意味しています)。
3.製造年月日がわからない場合は?主なメーカーの問い合わせ先
バッテリーの製造年月日がどうしてもわからない場合は、製造元のウェブサイトや製品の取扱説明書を見て、メーカーに問い合わせましょう。メーカーに聞くときは、製品名や型番、製品に記載されているシリアル番号などを控えておくとスムーズです。
以下は、主なバッテリーメーカーの問い合わせ先です。
4.もし製造年月日がある程度前だったら……速やかにバッテリー交換を
車のバッテリーは、その仕組み上、時間の経過によって劣化していきます。バッテリーの劣化が進むと、エンジンがかかりにくくなるなどのトラブルが発生しやすくなります。
製造年月日を確認して、製造されてからある程度の時間が経過していることがわかったら、新しいバッテリーへの交換を検討しましょう。
具体的な交換の目安と交換するときのポイントをご紹介します。
(1)バッテリー交換の目安は製造年月日から3年 ただし場合による
バッテリーの交換タイミングは一般的に約3年とされています。
これは製造年月日から3年ということであり、実際にバッテリーを使用してからではありません。極端な例ですが、2023年11月15日から使い始めたバッテリーでも、製造年月日が2022年11月15日であれば、交換時期は2026年11月頃ではなく、その1年前の2025年11月頃となります。
また、この3年という数字は、あくまで平均的なものです。実際は、車種や運転の仕方・運転環境によって変動します。
例えば、一般的なガソリン車であれば5年程度持つ場合もあります。一方で、アイドリングストップ機能を搭載している車は、アイドリングストップを運転中に頻繁に行うことでバッテリーに大きな負担をかけるため、2年程度で交換が必要になるケースもしばしばです。
また、バッテリーは温度環境が過酷なほど早く劣化するため、夏の暑さや冬の寒さが続くと早く交換が必要になる場合もあります。
目安はあくまで参考程度とし、定期的(難しければ少なくとも季節の変わり目ごと)にバッテリーを点検をし、寿命が近づいていないか確認することが大切です。バッテリーの電解液が規定量よりも少なくなっている、バッテリー端子の周りに白い粉が多く付着している、などの場合は劣化している可能性があるため、製造年月日から3年経っていなくても交換をするようにしましょう。
バッテリーの劣化や交換時期については、下記記事でも詳しく解説していますので参考にしてください。
(2)バッテリーを自分で交換する方法と注意点
バッテリーの交換は、自分で行うことも可能です。その場合、まず新しいバッテリーを自分で購入する必要があります。
バッテリーを購入するとき、特に注意したいのがサイズです。バッテリーにはさまざまなサイズがあり、車種によって適合するものが異なります。
具体的なサイズの見方・調べ方については、下記をご覧ください。購入の際に他に知っておきたいポイントもまとめています。
また、安全に交換するためにはいくつかの注意点があります。
1.バッテリーを交換する前に、ECU(電子機器の制御装置)のメモリーやカーナビの登録データなどのバックアップを取ります。バッテリーを交換したときにリセットされてしまうことがあるためです
2.エンジンを停止し、キーを抜き取ります。これによりバッテリーからの電力供給を停止します
※準備が可能であればバックアップ電源用のバッテリーをつなぎましょう。最近の車は電子制御部分が多いため、警告灯などが点灯する可能性があります
3.次に、バッテリーのマイナス端子から外します。プラス端子から先に外すとショートする可能性があるためです
4.新しいバッテリーを取り付ける際は、逆の手順で行います。先にプラス端子を接続し、最後にマイナス端子を接続します
5.最後にエンジンをかけて、きちんと接続されているか確認します
以上の手順を踏むことで、自身でバッテリーの交換が可能です。ただし、誤った取り扱いによる事故防止のため、不安な場合は専門業者に依頼することをおすすめします。
(3)バッテリー交換を業者に依頼するときのポイント
バッテリーの交換を業者に依頼する際は、次の点に留意することをおすすめします。
1.費用
交換にかかる費用は、10,000~20,000円程度です。これには新しいバッテリーの購入代金も含まれます。車種や業者、新しいバッテリーの種類によって料金が変わりますが、こちらの相場を基準に確認するとよいでしょう
2.実績
実績が豊富な業者であれば、安心して依頼できます。業者のサイトを見て、交換実績がどのくらいあるのか確認してみましょう
3.対応の丁寧さ
説明の仕方が丁寧か、こちらの話をきちんと聞いてくれるか、なども見ておきたいポイントです。コミュニケーションが上手に取れないと、何かトラブルがあったときに不安が大きくなります。ネット上の口コミやレビューを見て、悪い内容がないかチェックすることも大切です
これらの点を考慮しながら複数の業者を選び、それぞれから見積もりを取って比較した上で依頼することが重要です。
5.バッテリーに関してお困りでしたらグーネットピットにご相談ください
バッテリーの製造年月日は、バッテリーの交換タイミングを知る有用な情報の一つです。
ただし、この記事で紹介したように、バッテリーは車種や運転の仕方・運転環境によって、劣化のスピードが大きく変わってきます。そのため、製造年月日だけを見て安心をせず、バッテリーそのものを点検するなどが大切です。
バッテリーの状態を見ても劣化しているのかわからない、そもそも点検を定期的にする余裕がないときは、近くの専門業者に任せてしまうのもよいでしょう。
グーネットピットでも、バッテリーの点検や適切な交換タイミング、バッテリーの寿命を伸ばすためのアドバイスなどをしています。もしお近くに弊社の整備工場がありましたら一度ご相談ください。