故障・修理
更新日:2024.02.14 / 掲載日:2024.02.14
プラグの寿命はどのくらい?目安や交換しなかった場合の影響

スパークプラグは、火花を飛ばして混合気(ガソリンと空気が混ぜ合わさったもの)に火をつけるパーツですが、使うたびに中心電極や接地電極(外側電極)が丸くなり、やがて火花が出にくくなって着火が安定しなくなります。
スパークプラグの寿命は、定義はさまざまですが、基本的には火花を安定して飛ばせている期間を指します。
この記事では、スパークプラグの寿命は具体的にどのくらいなのか、もし寿命が尽きたプラグを使い続けた場合はどんな影響があるのか、などを解説しています。
スパークプラグの交換方法や、寿命を必要以上に縮めない方法についてもご紹介していますので、ぜひご一読ください。
1. スパークプラグの寿命はどのくらい?基本は走行距離15,000~20,000km
スパークプラグの寿命は、「走行距離15,000~20,000km」とされています。
この走行距離を超えると、「スパークプラグの火花が飛ばない」ことが頻繁に起き、エンジンのトラブルなどに出遭いやすくなります。
ただし、この走行距離はあくまで平均数字であり、実際はスパークプラグの種類や車種によって異なります。
スパークプラグの種類 | 普通自動車 | 軽自動車 | 二輪車 |
---|---|---|---|
レジスタープラグ | 20,000km | 10,000km | 5,000km |
グリーンプラグ | 20,000km | 10,000km | 5,000km |
多極プラグ | 20,000km | 10,000km | 5,000km |
白金・イリジウムプラグ | 100,000km | 70,000km | 20,000km |
レース用プラグ | 10,000km | 5,000km | 2,000km |
また、スパークプラグは過度な負担がかかると、より早く劣化します。運転時にエンジンを必要以上にかけ直したり、急発進・急停車を繰り返したりしていると、上表の数字よりも早く寿命を終えてしまう可能性があります。
2. 寿命が尽きたスパークプラグ 交換しないと何が起きる?
寿命が尽きたスパークプラグ(火花が安定して飛びにくくなったスパークプラグ)を交換せず、無理に使い続けると、「エンジンや排気系統の劣化が早まり、故障のリスクが上がる」「燃費が悪化してガソリン代がかさむようになる」「イグニッションコイルの寿命が短くなる」などが起きやすくなります。
また、エンジンの劣化が進んだ結果、走行中に突然エンジンが止まってしまい、重大な事故につながる可能性もあります。
3. スパークプラグの寿命が終わりに近づくと現れる症状
寿命が尽きたスパークプラグからの悪影響を避けるためには、新しいスパークプラグへの定期的な交換が必要です。
ただし、あまり早いペースで交換すると、スパークプラグの購入費用がかさみます。寿命が尽きる直前のタイミングで交換することが大切です。これは走行距離から判断しましょう。
一方、スパークプラグの寿命が終わりに近づくと、火花を飛ばす力が少しずつ弱まり、
1.エンジンがかかりにくくなる
2.アクセルを踏んでから加速するまでのタイムラグを感じやすくなる
3.アイドリング中に異音が聞こえたり振動を感じたりする
4.坂道や追い越しなど、負荷がかかるときに力が出にくくなる
などの症状が増えてきます。
走行距離に余裕があっても、これらの症状が頻繁に出てくる場合は交換を検討することをおすすめします。
ただし、これらの症状は、必ずしもスパークプラグの問題だけが原因とは限りません。自信がないときは、整備工場やカーディーラーなどの専門業者に相談しましょう。
4. スパークプラグを自分で交換するときに必要な道具と手順
スパークプラグは、自分で交換することができます。手間はかかりますが、その分、交換費用を浮かせられます。必要な道具と手順は以下のとおりです。
(1)必要な道具
スパークプラグの交換には、以下の道具が必要です。
ツール | 説明 |
---|---|
新しいスパークプラグ | メーカー・車種・型式に合ったプラグを選定する |
プラグレンチ | スパークプラグの取り外しに必要な専用の工具。スパークプラグの種類によって適合するサイズが異なるので、交換前に確認 |
ブラシ | スパークプラグ交換の際に、プラグホール周りなどについた汚れを落とすためのもの |
作業用手袋 | 作業時に手を保護するためのもの |
新しいスパークプラグの選び方は、下記記事でご説明しています。
またプラグレンチの選び方については、下記で詳しくご紹介していますので、あわせてご参考ください。
(2)自分で交換するときの手順
自分でスパークプラグを交換する場合、まずエンジンが冷えた状態で作業を始めることが重要です。エンジンが温かいと、プラグが熱で膨張していて抜きにくくなるだけでなく、自身が火傷する危険もあります。
1.エンジンカバーを外す
2.イグニッションコイル、またはスパークプラグコードを取り外す
3.プラグレンチを使って古いスパークプラグを回して抜く
4.新しいスパークプラグを手でゆっくりと回して取り付ける。途中で抵抗を感じたらプラグレンチを使い、適切なトルクで締める
5.イグニッションコイル(またはスパークプラグコード)、エンジンカバーを取り付ける
スパークプラグの交換が終わったら、必ずエンジンをかけ、正常に動作するか確認しましょう。
5. スパークプラグの交換を業者に依頼するときのポイント
自分でスパークプラグを交換する自信がない人は、整備工場やカーディーラーなどの専門業者へ依頼しましょう。
(1)業者に交換を依頼するときにかかる費用
スパークプラグの交換を業者に依頼する場合、その費用は約1万円程度(プラグ代含む)です。
ただし、スパークプラグの種類、車種により大きく変動します。例えば、高品質な白金・イリジウムプラグを選択した場合や、特殊な工具を使わなければいけない車種の場合は費用が高くなる傾向にあります。一方、複数のプラグを同時に交換する場合、一つあたりの交換費用が安くなるケースもあります。
このように、費用はさまざまな要素に影響されるため、事前に業者に見積もりを依頼することをおすすめします。また、業者によっても異なるため、複数の業者から見積もりを取り、見比べるのも大切です。
(2)業者を選ぶときのポイントと注意点
スパークプラグの交換業者を選ぶときは、まずその業者が対応可能なのか確認します。対応しているプラグの種類やメーカーをWebサイトを見たり、問い合わせたりしてチェックしましょう。
Webサイトにアクセスしたら、実績があるかも確かめておくとベストです。実績がしっかりしている業者であれば、適切な交換作業と手厚いアフターフォローが期待できます。
次に口コミや評判をチェックしましょう。特に悪い噂が多くないか確認することをおすすめします。もちろん、口コミや評判は当人の感想のため、例えば「対応が冷たかった」という口コミがあっても、自分にとっては気にならないくらいの場合もあります。あくまで参考程度にとどめ、場合によっては直接足を運んで確かめてみるのもよいでしょう。
6. スパークプラグの寿命を必要以上に縮めないようにするための方法
最後に、スパークプラグの寿命を必要以上に縮めないようにする(交換時期を早めないようにする)をご紹介します。
(1)スパークプラグを定期的に清掃する
スパークプラグの寿命を縮めないようにするには、定期的な清掃が重要です。
清掃するときは洗浄液にスパークプラグを浸してから、ナイロン製のブラシなどを使って丁寧に洗います。終わったら、ドライヤーを使って十分に乾燥させましょう。
(2)スパークプラグに負担をかけない運転を心がける
前述したように、長時間のアイドリングや、急な発進・急ブレーキはスパークプラグに過度な負担をかけます。これらをできるだけしないことも、スパークプラグの寿命を縮めないようにするポイントです。
(3)使用環境に適したスパークプラグの熱価を選択する
スパークプラグの熱価とは、「混合気を燃やして発生する熱」を受けたスパークプラグが、その熱をどれだけ逃がせるかを示したものです。熱価が高くなるほど、熱の放出の度合いが大きいことを意味しています。
スパークプラグは熱くなりすぎても冷えすぎても負荷がかかるため、暑い環境では高熱価、寒い環境では低熱価のスパークプラグを選ぶのが理想とされています。
ただ、夏や冬など季節ごとにスパークプラグを交換するのは現実的ではないため、例えば冬に比較的暖かい地方から北海道や東北といった冷え込みが厳しい場所に引っ越しする場合など、普段走行するときの気温が大きく変わりそうなときに、他の方法と合わせて意識するとよいでしょう。
プラグの熱価については、下記でも詳しく説明しています。
(4)定期的にエンジンオイルの交換をする
エンジンオイルの交換は、スパークプラグの寿命を伸ばすために重要なメンテナンスです。
エンジンオイルはエンジン内部の摩擦を抑えるだけでなく、汚れをフィルターに運び去る役割も担っています。エンジンオイルが古くなるとその性能が低下し、エンジン内部の摩擦が増えたり、汚れが蓄積したりします。これがスパークプラグにも影響を及ぼし、寿命を縮める要因となります。
そのため、定期的なエンジンオイルの交換も、スパークプラグの交換時期を早めない有効な方法となります。
エンジンオイルを交換するときに用いる道具や交換方法については、下記で詳しく解説していますので、参考にしてください。
7. スパークプラグに関してお困りでしたらグーネットピットにご相談ください
スパークプラグの寿命は一般的に走行距離15,000~20,000kmとされていますが、スパークプラグの種類、車種、走行環境によって変わります。
ただ、実際に愛車のスパークプラグの交換時期を判断するのは、車の整備に慣れていないと難しいものです。明確に知りたい人は、専門業者に聞いてみましょう。
また、スパークプラグの交換は、上記でご紹介したように手間がかかります。「多分そろそろ交換すべきなんだろうけれど、自分で交換する自信がない」「時間がない」ときも、専門業者に相談することをおすすめします。
グーネットピットでも、スパークプラグに関するアドバイスや交換作業を実施しています。車の整備に精通したスタッフが手厚くサポートしていますので、ぜひお気軽にご相談ください。