故障・修理
更新日:2024.02.14 / 掲載日:2024.02.14
ブレーキキャリパーのオーバーホールの費用は?業者の選び方も解説

ブレーキキャリパーのオーバーホールを業者に依頼したとき、その費用はどのくらいになるのでしょうか。この記事で、おおよその費用相場をご紹介します。
また業者を選ぶときのチェックポイントもご説明していますので、「思ったよりも費用がかさんだらどうしよう」「業者とトラブルになるのは避けたい……」と考えている人は、ぜひこの記事を参考にしていただけたら幸いです。
1.ブレーキキャリパーのオーバーホール費用は約5,000円~
ブレーキキャリパーのオーバーホールの一般的な相場は、以下のとおりです。
種類 | 費用相場(いずれも一つの料金) |
---|---|
片側1ポットピストン | 5,000〜6,000円 |
片側2ポットピストン | 6,000〜7,000円 |
対向2ポットピストン | 8,000円 |
対向4ポットピストン | 10,000円 |
対向6ポットピストン | 15,000円 |
この金額は作業工賃のみです。部品交換が必要になったときの部品代や交換作業の工賃は含まれていません。
オーバーホールによって、交換がしばしば必要となる部品と費用相場は、以下のとおりです。
・ピストン……部品代:2,000~3,000円/個
・ディスクローター(ブレーキローター)……部品代:10,000円/個 追加工賃代:2,000円/個
・ブレーキパッド……部品代:軽自動車7,000円~、普通車8,000円~(いずれも左右1セット)
オーバーホールの作業工賃 × 作業個数 + トータルの部品交換代(+交換工賃代)が、最終的な費用となります。
なお、上記で示した費用相場は、いずれも依頼する業者、車やパーツの種類、実際の作業内容によって異なります。事前に業者に見積もりを取り、何にいくらかかるのか詳細を出してもらいましょう。
また、見積もりを取るときは一つの業者だけでなく、複数の業者に対して依頼することをおすすめします。
2.ブレーキキャリパーのオーバーホールを依頼するときのチェックポイント
ブレーキキャリパーのオーバーホールを業者に依頼するときは、見積もりを複数の業者から取ることが重要です。
業者をピックアップするときは、以下のポイントを見てみましょう。
1.地方運輸局長からの認証を受けている
2.実績が十分である
3.コミュニケーションが丁寧である
4.アフターフォローが用意されている
5.悪い評判がほとんどない
詳しくご説明します。
(1)地方運輸局長からの認証を受けている
ブレーキキャリパーのオーバーホールを依頼する際、まず見ておきたいのが、作業を行う業者が地方運輸局長からの認証を受けているかどうかです。
ブレーキキャリパーのオーバーホールは、道路運送車両法が定める特定整備(旧:分解整備)にあたり、これを行えるのは自動車の保有者か、地方運輸局長の認証を受けた業者のみとなっています(参照:道路運送車両法 第四十七条、第七十八条丨e-Gov法令検索)。
違法な整備工場はほとんどないと考えられますが、業者の店舗やウェブサイトなどに「地方運輸局長認証工場」の表記があるか、念のため確認しましょう。
(2)実績が十分である
ブレーキキャリパーのオーバーホール依頼時には、業者の実績を十分にチェックすることが重要です。これは、ブレーキキャリパーの性能が直接運転の安全に関わるからです。
また、ブレーキキャリパーのオーバーホールは、見た目に影響を及ぼすリスクもあります。例えば、ブレーキのオーバーホールでは、ブレーキオイルを必ず交換しなければいけませんが、その際ボディなどにブレーキオイルが付着すると塗装を痛めてしまいます。こうしたトラブルに対しても、実績豊富な業者ならフェンダーカバーを付けるなどして、きちんと対策しています。
実績が十分にある業者なのか見極めるときは、業者がこれまでにどれくらいの台数を手掛けてきたか、その中でトラブルが出た割合はどれくらいか、などを確認するとよいでしょう。オーバーホール後の安全性や耐久性を保証するための検査体制や設備が整っているかも確認ポイントです。
実績が豊富な業者を選ぶことで、安心してブレーキキャリパーのオーバーホールを依頼できます。
(3)コミュニケーションが丁寧である
ブレーキキャリパーのオーバーホールを依頼する際は、業者とのコミュニケーションが丁寧かも確認しましょう。
確認する際は、業者の説明がわかりやすく、専門的な内容も一般の人が理解できるように配慮しているかチェックしてみてください。また、自身の疑問や要望を業者がきちんと受け止め、それに対する回答や提案が適切かどうかも確認しておくと安心です。
(4)アフターフォローが用意されている
ブレーキキャリパーのオーバーホールを依頼する際には、アフターフォローが用意されている業者を選ぶとよいでしょう。業者によっては、オーバーホール後、一定期間中の点検・修理が無料のところもあります。
アフターフォローの内容は業者ごとにまちまちですが、万が一のときへの対応がしっかりしている業者は、作業が丁寧なところがほとんどです。業者のWebサイトを見てチェックして確認してみましょう。
(5)悪い評判がほとんどない
ブレーキキャリパーのオーバーホールは専門的な知識と技術を必要とする作業です。業者選びにおいては、評判や口コミをチェックすることも重要となります。
特に、過去の顧客からの悪い評判がどれくらいあるか、ネットの口コミやレビューサイトを見てみるとよいでしょう。良い口コミが多くとも、悪い口コミも同じくらい多ければ一考をおすすめします。
ただし、口コミやレビューは、その人の主観によって書かれていることがほとんどです。見すぎると業者を決められなくなってしまうため、ある程度のところでやめて、最後は自分の目で確かめるようにしましょう。
3.ブレーキキャリパーのオーバーホールに関するQ&A
Q:そもそもブレーキキャリパーのオーバーホールとは?
A:ブレーキキャリパーのオーバーホールとは、ブレーキキャリパーを分解し、洗浄したり部品交換したりして、新品同様の状態に戻す作業を指します。

ブレーキキャリパーのオーバーホールをすることで、ブレーキキャリパーの固着(ブレーキパッドがディスクローターから離れず、ブレーキがかかったままの状態になること)やブレーキパッドの異常な減り、燃費の悪化などを防げます。
Q:ブレーキキャリパーのオーバーホールはいつすればいい?
A:ブレーキキャリパーのオーバーホールは、最低でも走行距離10万kmに1回は実施しましょう(理想は車検2回に1回程度〈4〜5年に一度くらいのペース〉)。
ただし、ブレーキキャリパー自体の耐久力や、運転の仕方、走行環境などによって変わるため、心配であれば自動車整備士に聞くのがベターです。
Q:ブレーキキャリパーのオーバーホールの具体的な作業工程は?
A:ブレーキキャリパーのオーバーホールは、専用のツールを使いながら以下の手順で行われます。知っておくと業者とのコミュニケーションもスムーズです。
1.車をジャッキアップしてホイールを取り外す
2.ブレーキフルード(ブレーキオイル)を抜く
3.ブレーキキャリパーのボルトを引き抜いて、ブレーキディスクから取り外す
4.ピストンを取り外し、ブラシやクリーナーなどを使って清掃する
5.ブレーキキャリパー全体を、ブラシやクリーナーなどを使って清掃する
6.ブレーキキャリパーや各種部品を水洗いし、乾燥するまで待つ
7.ブレーキキャリパーを組み立てる
8.ブレーキキャリパーのボルトを締めて取り付ける
9.ブレーキオイルを入れて、ブレーキライン内のエア抜きを実施する
10.正常に動くか最終チェック
各部品の状態によっては、清掃ではなく新品に交換を行います。
Q:ブレーキキャリパーのオーバーホールは自分でできる?
A:ブレーキキャリパーのオーバーホールは、自分が保有している車であれば作業可能です。道路交通法の第四十七条には、次のように記載されています。
「自動車の使用者は、自動車の点検をし、及び必要に応じ整備をすることにより、当該自動車を保安基準に適合するように維持しなければならない」(引用:道路運送車両法 第四十七条)。
この維持のために、車の保有者であればオーバーホールの実施が許可されています。なお、作業を行ったら特定整備記録簿の記載が必要です。
ただ、ブレーキシステムは車両の安全装置の一部であり、間違った手順や知識不足で作業を行うと、ブレーキの性能が低下し重大な事故につながる可能性があります。そのため、自身が十分な知識と技術を持っていると確信できる場合や、信頼できる専門家から指導を受ける場合以外は、業者に依頼することをおすすめします。
Q:オーバーホールではなく交換が勧められることはある?その場合の費用相場は?
A:業者にオーバーホールを依頼した際、交換を勧められるケースはあります。
特に使用してからの年数が経っている場合や、雪道・海沿いで車をよく使用する場合は十分考えられます。錆などが多くなり、中のゴムの部品との密着性が下がっている可能性があるからです。
費用は車種やブレーキキャリパーによって大きな差がありますが、部品代・交換工賃代あわせて1つ35,000円〜が相場です。

4.ブレーキ周りのことでお悩みでしたらグーネットピットにご相談ください
ブレーキキャリパーは、車のブレーキが正常に作動するために定期的なメンテナンスが欠かせないパーツです。
オーバーホールを業者に依頼するときは、費用はもちろん、それ以外のポイントも見て「本当に安心できる業者なのか」を確認してからするようにしましょう。
業者をなかなか決められない、選ぶ時間が取れない場合は、ぜひグーネットピットにご相談ください。ブレーキ周りの整備に精通したスタッフが、丁寧にメンテナンスを行います。