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故障・修理
更新日:2024.12.16 / 掲載日:2024.12.16

イグニッションコイルが壊れる理由|故障した際の症状や交換費用なども紹介

「エンジンがかかりにくい」「アイドリングが安定しない」「加速しづらい」などの症状がある場合、イグニッションコイルが故障している可能性があります。

イグニッションコイルは、ガソリン車のエンジンを動かすうえで重要な部品です。故障すると、エンジンが正常に動作しなくなり、最悪エンジンが停止してしまうリスクがあります。

そこで、この記事では、イグニッションコイルが壊れる理由や、故障した際の症状を紹介しています。寿命を延ばす方法も紹介しているため、最後までご覧いただき、快適で安全なドライブを楽しみましょう。

1. イグニッションコイルとは

イグニッションコイル(イメージ)

イグニッションコイルは、車のエンジンを動かすうえで重要な役割のある部品のひとつです。

そのため、イグニッションコイルの不調は、エンジン始動や走行に支障をきたすだけでなく、燃費悪化や排気ガス異常など、さまざまなトラブルの原因となります。

ここでは、イグニッションコイルの役割と、その仕組みについて解説していきます。

イグニッションコイルの役割

イグニッションコイルの役割は、エンジンのスパークプラグが火花を飛ばすために必要な高電圧を作り出すことです。

ガソリン車のエンジンは、ガソリンと空気の混合気にスパークプラグが火花を飛ばすことで爆発を起こし、車を動かすエネルギーを生み出します。

ただし、スパークプラグが火花を飛ばすには、20,000〜35,000Vの高電圧が必要になるため、車のバッテリーから供給される12V程度の電圧では足りません。

そこで、バッテリーから供給された電圧を、高電圧に変換しているのがイグニッションコイルです。

イグニッションコイルはバッテリーから供給された低い電圧を、スパークプラグが必要な高い電圧に変換する重要な役割を担っています。

イグニッションコイルの仕組み

イグニッションコイルの内部は、コア(鉄心)に2つのコイル(1次コイルと2次コイル)を巻き付けた構造になっています。そしてイグナイタと呼ばれる部品がコイルへの電流を供給したり、遮断したりすることで、2次コイルに高電圧が発生する仕組みになっています。

コイル特徴
1次コイル・バッテリーから電力を供給される側のコイル
・比較的太い銅線が数百回巻かれている
2次コイル・スパークプラグに電力を供給する側のコイル
・一次コイルより細い銅線が数万回巻かれている

エンジンをかける際、まずエンジンコンピューターの信号でイグナイタがONになり、バッテリーから1次コイルへ電流が流れます。

その後、さらに送られてくる信号によりイグナイタがOFFになると、1次コイルに逆起電力が発生し、300V程度の高電圧が発生します。

このとき、1次コイルに比べて巻数の多い2次コイルにも、20,000〜35,000V程度の高電圧が発生するのです。この高電圧がスパークプラグに送られ、火花を飛ばすことでエンジンが始動します。

2. イグニッションコイルが壊れる主な理由

イグニッションコイルは、エンジンの点火システムにおいて重要な役割を果たす部品です。

しかし、さまざまな要因によってその機能が損なわれ、故障する場合があります。そこで、イグニッションコイルが壊れる主な理由を7つ解説していきます。

(1)経年劣化

イグニッションコイルの内部には、高電圧を発生させるためのコイルが巻かれています。

コイルは細い銅線でできているため、長年の使用による影響を受けて劣化し、断線することがあります。

また、コイルを保護している絶縁体も、経年劣化によってひび割れや破損が起こりやすくなり、イグニッションコイルが壊れる原因につながるのです。

(2)使用環境による劣化

イグニッションコイルはエンジンルーム内に設置されているため、高温や湿気の影響を受けやすい部品です。

高温多湿な環境に置かれることで、コイル内部の部品が劣化しやすくなり、絶縁体のひび割れや断線の原因になります。

(3)電圧の不安定化による過剰な負荷

イグニッションコイルは、安定した電圧が供給されないと、イグニッションコイルに過剰な負荷がかかります。

電圧の不安定化には、主に以下の2つのパターンがあります。

電圧不安定化のパターン内容
電圧不足バッテリーの電圧低下やオルタネーターの故障などにより、必要な電圧が供給されない状態
過電流コンピュターの故障などにより、過剰な電流が流れてしまう状態

電圧不足の場合、本来よりも高い電圧を作り出そうと、より多くの電流を流そうとするため、イグニッションコイルに負担がかかります。

一方、過電流の場合では、過剰な電流がコイルに流れ込み、コイル内部の温度が上昇し、絶縁体の劣化やコイルの断線を招きます。

(4)錆や腐食による絶縁不良

イグニッションコイルの金属部に錆や腐食が発生すると、絶縁不良を引き起こす恐れがあります。

錆や腐食が発生する原因には、水没や雨天時の走行などによる水の侵入、冬季の融雪剤などが挙げられます。

とくに、エンジンルームを洗うためにスチーム洗浄する場合は、イグニッションコイルに直接水がかからないよう注意が必要です。

(5)エンジンオイル漏れ

エンジンオイルがプラグホールに溜まると、イグニッションコイルにオイルが付着し、壊れる可能性があります。

その結果、スパークプラグが火花を正常に飛ばせなくなり、エンジンの出力低下を引き起こします。

くわしくは、下記の記事で解説しています。

(6)走行中の振動や衝撃

走行中の振動や衝撃が、イグニッションコイルに悪影響を及ぼすことがあります。

とくに、悪路などを走行した際の激しい振動や衝撃は、コイル内部の配線が断線したり、絶縁体が破損したりする原因となりえます。また、イグニッションコイルの経年劣化が進んでいる場合は、振動や衝撃の影響を受けやすくなります。

オフロード走行や悪路走行が多い場合は、イグニッションコイルへの負荷が大きくなるため、定期的な点検や交換が必要です。

(7)関連部品の故障

イグニッションコイルは単独で機能しているわけではなく、ほかの部品と連携しながら稼働しています。そのため、関連部品が故障するとイグニッションコイルに負担がかかり、故障につながります。

たとえば、スパークプラグの劣化は、火花が飛びにくくなり、イグニッションコイルに余計な負荷がかかります。

3. イグニッションコイルが故障した際の症状

車のエンジンルーム内(イメージ)

イグニッションコイルの一般的な交換目安は走行距離10万km、または走行時間10年になります。ただし、目安はあくまでも一般的なものであり、車の使用頻度や走行状況、メンテナンス状況によっても異なります。

以下のような症状がある場合は、イグニッションコイルが故障している恐れがあるため、早めに専門業者の点検を受けましょう。

1.エンジンがかかりにくい
2.アイドリングが安定しない
3.加速しづらい
4.エンジンの警告灯が点灯している

これらの症状の詳細は、下記の記事で解説していますので、こちらをご覧ください。

4. イグニッションコイルの故障は交換が必要

新旧のイグニッションコイル(イメージ)

イグニッションコイルが故障した場合、基本的には交換が必要です。

一部のみの故障であれば、走行は可能かもしれません。しかし、故障したまま走行を続けると、エンジンの性能低下や燃費悪化を引き起こし、最悪の場合はエンジンが停止してしまうリスクもあります。

なお、交換する際は故障したイグニッションコイルだけでなく、すべてのイグニッションコイルを交換することが推奨されています。

これは、ひとつのイグニッションコイルが故障した場合、ほかのイグニッションコイルも寿命が近いと判断し、予防整備として交換するためです。

また、スパークプラグが原因でイグニッションコイルが故障していることもあるため、イグニッションコイル交換時には、スパークプラグも同時に交換します。

5. イグニッションコイルを交換する場合

イグニッションコイルの交換が必要と判断した場合、自分で交換する方法と業者に依頼する方法があります。

ただし、イグニッションコイルはエンジンルーム内に取り付けられており、交換作業には電気系統の知識も必要となる難易度の高い作業です。

誤った作業は車に悪影響を与えるため、自動車整備士並みの知識と経験がない限りは、専門業者に依頼することを強くおすすめします。

イグニッションコイルを交換する方法

イグニッションコイルの交換には、新しいイグニッションコイルと「ラチェットハンドル」または「メガネレンチ」が必要になります。交換方法は以下のとおりです。

1.エンジンが冷えていることを確認する
2.バッテリーのマイナス端子を外す
3.イグニッションコイルが見えるように、エンジンカバーなどを取り外す
4.イグニッションコイルに接続されている電源コネクターを外す
5.ラチェットハンドルやメガネレンチを使い、固定ボルトを取り外す
6.古いコイルを取り外し、新しいコイルを装着する
7.新しいコイルを固定ボルトで固定し、電源コネクターを接続する
8.バッテリーのマイナス端子を再度取り付けたらエンジンを始動する
9.異常がないかを確認する

スパークプラグの交換方法は、こちらの記事でくわしく解説していますのでご覧ください。

業者に交換を依頼する場合の費用相場

イグニッションコイルの交換を業者に依頼する場合、交換費用は本体代と工賃を合わせて1本当り、6,000~25,000円程度が相場です。

・本体代:5,000~15,000円
・工賃:1,000~10,000円

ただし、交換費用は車種やイグニッションコイルの本数、依頼する業者によって異なってきます。

たとえば、搭載されている気筒数が多いほど、イグニッションコイルの本数も増えて費用は高くなります。スパークプラグの交換も依頼する場合には、費用がさらに加算されます。

そのため、業者に交換を依頼する際は、事前に複数の業者から見積もりを取り、費用と内容を比較したうえで、最適な業者を選ぶようにしましょう。

依頼する業者を選ぶ際のポイント

イグニッションコイルの交換を依頼する業者を選ぶ際は、以下3つのポイントが重要です。

・Webサイト上の口コミや評判がよいか
・質問に対して丁寧に対応してくれるか
・アフターサービスが充実しているか

業者に交換を依頼する際は、これらのポイントを踏まえて、事前に複数の業者から見積もりを取ることをおすすめします。費用と内容を比較したうえで、最適な業者を選びましょう。

6. イグニッションコイルの寿命を延ばす方法

イグニッションコイルは消耗品であるため、いずれは交換が必要になります。しかし、適切にメンテナンスすることで、その寿命を延ばすことは可能です。

ここでは、イグニッションコイルの寿命を延ばすための方法を3つご紹介します。

方法内容
定期的に点検するイグニッションコイルの状態を定期的に点検し、亀裂や損傷がないか確認しましょう。
エンジンオイル漏れがないかチェックするプラグホール部を中心に、エンジンオイル漏れがないか定期的にチェックしましょう。
スパークプラグを適切な時期に交換するスパークプラグの劣化は、イグニッションコイルへの負担を増大させます。スパークプラグは適切な時期に交換しましょう。

イグニッションコイルは、エンジンにとって非常に重要な部品であり、その状態は車の走行性能に大きく影響します。

思わぬトラブルにつながる可能性もあるため、日頃からエンジンルーム内にも気を配り、適切な管理を心がけましょう。

7. イグニッションコイルのことはグーネットピットにご相談ください

イグニッションコイルは、ガソリン車のエンジンを始動させ、スムーズに走行するために必要不可欠な部品です。

イグニッションコイルが故障すると、エンジンがかかりにくくなったり、加速しづらくなったりするなど、さまざまなトラブルを引き起こす恐れがあります。

そのため、快適で安全なドライブを楽しむためには、イグニッションコイルの状態を定期的に確認し、適切にメンテナンスすることが重要です。ただし、エンジンには多くの部品が使われているため、専門知識がない場合は自分で判断せず、専門業者にご相談ください。

グーネットピットでは、イグニッションコイルの交換や点検など、車に関するさまざまな相談を受け付けております。

愛車のトラブルでお困りでしたら、下記のページからお近くの整備工場にお気軽にご相談いただけると幸いです。

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グーネットピット編集部

ライタープロフィール

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