故障・修理
更新日:2025.04.01 / 掲載日:2025.04.01
「特定整備」に新ルール 2025年6月末に施行 何が変わる?
国土交通省は3月31日、「特定整備」に関わる制度として「訪問特定整備」制度を新設し、令和7(2025)年6月30日より施行する事を発表した。
一定のルール下で認証工場がユーザーの自宅などで作業可能に
「特定整備」とは、エンジンやブレーキ等の取り外しなど、安全上重要な整備のこと。現状では、設備・機器・要員を有し、国の認証を受けた整備工場である「認証工場」が、その事業場内で行う事が定められている。これに対し、新設される「訪問特定整備」制度では、安全を担保する一定のルールの下、認証工場がユーザーの自宅や運送会社の作業場など事業場外の場所を訪問して特定整備を行うことを可能になる。

訪問特定整備のポイントとは
訪問特定整備制度は、認証を受けた自動車整備工場(認証工場)のみが実施可能。また、ユーザー等から委託された特定整備を、他の訪問特定整備事業者に行わせることはできない。加えて、訪問特定整備の責任は、訪問する整備士ではなく認証工場が負うものと定めるなど、一定のルールが設けられる。
■料金の内訳(整備費、旅費等)を示すこと
■訪問する整備士のリストをメールで運輸支局へ届出
■訪問可能な範囲は、同一の都道府県内又は自動車によりおおむね1時間以内
「訪問特定整備」と「限定訪問特定整備」

同制度には、整備を行う場所により、「訪問特定整備」と「限定訪問特定整備」の2種類がある。
「訪問特定整備」は、運送会社の整備作業場など、認証工場の設備要件を満たす場所で可能。すべての特定整備を行うことができる。
「限定訪問特定整備」は、ユーザーの自宅駐車場など、認証工場の設備要件を満たさないが、安全・品質を確保できる場所で可能。ただし、特定整備は①ブレーキパッドの交換、②発電機交換、③スターターモーターの交換、④大特車のステアリングホースの交換、の4つに限られる。
生産性の向上へ期待
国交省では、この新制度を使う事により、自宅で車のエンジンがかからないときに整備士に来てもらい修理を受けたり、人手不足のために自社の整備工場を維持できなくなった運送事業者等に、 認証工場から整備士を派遣して整備を行うことが可能となり、業種の垣根を越えて生産性が向上することが期待できるとしている。
国土交通省 訪問特定整備制度について:
https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_fr9_000033.html
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