キズ・へこみ直し
更新日:2024.04.03 / 掲載日:2022.02.28
車の傷消しは初心者でも可能?プロとの違いや7種の補修方法を比較解説
飛び石や子どものイタズラなどで、車に傷がついてしまうことがあります。車の傷を放置すると、さまざまな弊害が発生するため、早めに補修しなければなりません。
市販の傷消し剤を使えば、自分で補修することも可能です。しかし、初心者でも実践できるのか、専門的なスキルが必要なのかなど、気になる方も多いのではないでしょうか。
ここではセルフ補修とプロによる補修の違いや7種の補修方法、傷消しで車両保険を使うときのポイントなどについて解説します。

車の傷消しにはどのような方法がある?

車の傷消しを行なう場合、自分で傷消し剤を使って補修する「セルフ補修」か、もしくは専門業者に依頼する「プロによる補修」という2種類の方法から選ぶことになります。どちらの方法も一長一短なので、傷の状態をチェックしつつ検討することが大切です。
各方法の概要やメリット・デメリットをまとめたので、こちらも併せてご確認ください。
市販の傷消し剤を使ってセルフ補修する方法
飛び石による小さな擦り傷であれば、業者に依頼せずとも市販の傷消し剤で補修できるケースがあります。傷消し剤はカー用品店やホームセンター、通販サイトなどさまざまな場所で販売されているため、入手自体は難しくありません。
価格は製品ごとに異なりますが、傷消し剤は低価格のものなら500円程度、ちょっと高級なものでも2,000円程度で購入可能です。プロに補修してもらう方法より費用を安く抑えられるため、コスト面でのメリットが大きい方法といえるでしょう。
しかも、製品によっては撥水コーティングや鏡面仕上げ、水垢除去といった効果も得られるため、まさに一石二鳥です。
一方、セルフ補修で使う傷消し剤はとにかく種類が多いうえ、傷の状態やボディカラーに合わせて選ぶ必要があるので、特に初心者は迷ってしまうかもしれません。自分の車に適合していない製品を選んだ場合、逆効果になってしまう可能性もあります。
また、傷の状態によってはセルフ補修だと対処できない、あるいは難易度が高くなることもデメリットです。
業者に依頼してプロに補修してもらう方法
業者に依頼する場合、プロの整備士が補修してくれるため、傷の大小を問わず補修できることがメリットです。目を背けたくなる大きな傷も消せるので、自分ではどうしようもできないと感じたら、こちらの方法を選びましょう。
価格は業者によって変動しますが、軽微な傷なら数千円~数万円、パーツ交換となるくらい重度の傷なら10万円以上かかることもあります。いずれにせよセルフ補修より費用がかさむため、そのデメリットも踏まえて検討することが大切です。
依頼先の業者を探しているなら、ぜひグーネットピットで検索してみましょう。
車の傷消し剤の種類は?全7種類を比較

セルフ補修を行なう場合、まずは傷消し剤を購入する必要があります。傷消し剤と一口にいっても種類はさまざまですが、大きく分けると以下の7種類です。
・コンパウンド
・ワックス
・タッチペン
・スプレー
・パテ
・傷消しクロス
・シール
セルフ補修を成功させるためには、傷消し剤ごとの特徴や性能を押さえたうえで、正しい方法で使うことが大切です。それぞれの使い方や相性の良い傷、組み合わせなど踏まえながら、さらに詳しく解説します。
コンパウンド
コンパウンドは車のボディ表面を薄く削ることで、傷による凹凸を目立たなくさせるという傷消し剤です。ボディを直接削るという性質上、基本的に浅いひっかき傷や擦り傷の補修で使います。
傷に直接アプローチするわけではないので、傷消し剤というより「研磨剤」といったほうがイメージしやすいかもしれません。
また、コンパウンドはペーストタイプや液体タイプ、シートタイプなどさらに細かく種類が分かれています。タイプによって粒子の大きさが変わるため、傷の状態を見ながら適切なタイプを選びましょう。
ワックス
ワックスは傷に対して成分を入れ込みながら、車のボディ表面をコーティングして目立たなくさせるという傷消し剤です。ボンネットについた磨き傷など、広範囲の細かい傷に対して高い効果を発揮します。
ワックスも半練りタイプと固形タイプという2種類に分かれていますが、前者はコンパウンドのように研磨剤を含んでいます。傷消し効果に加えて艶出し効果も発生する優れものですが、磨きすぎると逆効果なので注意しましょう。
一方、後者は研磨剤を含んでいないため、ボディ表面を削ることはありません。しかし、時間経過で傷消し効果が薄れるので、塗り直しの手間がかかるというデメリットもあります。
タッチペン
タッチペンはその名のとおり、傷をペン(ハケ)でなぞるように塗って埋めるという傷消し剤です。ピンポイントに補修できるので、飛び石による小さな傷やへこみ、一部塗装の剥がれなどに高い効果を発揮します。
タッチペンの使い方自体はとても簡単ですが、きちんと傷を消すためには、錆落としやシリコンオフといった下処理が欠かせません。また、当然ながらボディカラーと同じ色で塗らなければならないため、購入するときはよく確認しましょう。
なお、タッチペンの塗装後にコンパウンドで磨くと、よりきれいに仕上がります。
スプレー
スプレーも文字どおり、ボディカラーと同じ色の塗料を吹きかけて傷を隠すという傷消し剤です。壁に接触したときの擦り傷など、広範囲についてしまった傷を補修するときに使います。
ムラなく仕上げるためには、1回だけではなく重ね塗りするように何回か吹きかけることが大切です。また、色の選定・錆落とし・クリア塗装なども必要なので、初心者からすれば敷居が高いかもしれません。
パテ
パテは傷やへこみを直接埋め込んで、ボディ表面を平らにするという傷消し剤です。凹凸の感触がはっきりわかるほどの深い傷、バンパーの大きなへこみなど、ほかの傷消し剤では対処できない重度の傷も補修できます。
パテはペーストタイプのほか、工作のように形を作れる粘土タイプ、マフラー部分に対応した耐熱タイプなど種類が豊富です。傷の状態はもちろん、どこを補修するかによって選ぶべきタイプが変わるので、その辺りも踏まえて使い分けましょう。
また、パテの埋め込みが終わったら、タッチペンやスプレーで塗装したり、コンパウンドできれいに仕上げたりする必要があることも覚えておきましょう。
傷消しクロス
傷消しクロスは最初から薬剤を染み込ませているため、そのまま拭くだけで効果を発揮する傷消し剤です。砂ぼこりによる線傷やドアノブ周辺の爪傷など、微細な傷の補修に使います。
なお、傷消しクロスを使うときは、あらかじめ傷の周辺の汚れを取り除いておきましょう。
シール
シールはボディ表面に直接貼りつけて、傷を物理的に隠すシンプルな傷消し剤です。シールの大きさが必要十分であれば、どのような傷でも対処できます。
初心者でも簡単に使えますが、洗車などでやすいことには注意しましょう。
傷消しの補修で車両保険を使う目安は?

あまりにも大きな傷がついてしまった場合、車両保険を使って補修してもらうこともできます。しかし、使いどころを間違うと逆に損をしてしまう可能性もあるため、あらかじめ注意しなければなりません。
そこで、車の傷消しを行なうにあたって、どのようなときに車両保険を使うことがベストなのか解説します。
車両保険を使うと保険料が上がる
業者に依頼して補修してもらう場合、加入している車両保険によっては修理費用が補償されるケースもあります。しかし、ここですぐ車両保険を使うのは早計かもしれません。
車両保険には等級制度が設けられており、原則として等級が低いほど支払うべき保険料は高くなります。車両保険を使うと等級が下がって、翌年からの保険料が上がってしまうため、長期的に見ると費用負担が大きくなる可能性もあるのです。
この点を踏まえると、修理費用の見積もり金額があまり高くなかった場合、自費で負担したほうが得なケースも考えられるでしょう。
車両保険を使うべきタイミングとは?
車両保険を使うべきかどうかは迷ったときは、以下の2つのポイントを確認しましょう。
・傷消し依頼の修理費用
・等級がもとに戻るまでプラスで支払う保険料
「傷消し依頼の修理費用」が「等級がもとに戻るまでプラスで支払う保険料」を上回る場合、車両保険を使っても損はしないので、適切なタイミングといえるでしょう。
車の傷は放置せずに早めの補修を

人によっては「この程度の傷なら気にならない」「修理費用がもったいない」などと考えて、すぐ補修しないケースもあります。しかし、大して目立たない軽微な傷でも、そのまま放置するのは危険です。
車に傷がついてしまった場合、ボディの金属部分が露出しますが、空気や雨水に触れると錆が進行してしまいます。錆は外から見えない部分でも広がりますが、事前に傷を補修しておけば被害を抑えられるため、修理費用の節約にもつながるでしょう。
さらに、車の傷は売却査定における減点ポイントなので、資産価値を踏まえても早めに補修することが大切です。
また、深い傷や大きなへこみ、ヘッドライトの光軸を妨げるような傷がある場合、道路交通法の保安基準をクリアできず、車検に通らないことも考えられます。
まとめ
車についた傷は見た目の問題だけではなく、耐久性や保安基準にも関わってくるので、きちんと補修する必要があります。
セルフ補修を実践する場合、傷消し剤ごとの特徴や使い方を把握すること、自分の車に合った製品を選ぶことが大切です。比較的簡単な方法もあるので、軽微な傷ならチャレンジしてみましょう。
一方、業者に依頼するときは車両保険のことも念頭に置きつつ、質の高い業者を選ぶことが重要となります。グーネットピットなら対応エリアやメニューを指定して検索できるため、ぜひご活用ください。