タイヤ交換
更新日:2022.07.01 / 掲載日:2022.07.01
タイヤ交換を自分でする場合のやり方や手順は?自分でやるメリットや必要な工具も解説
雪国の場合、普通タイヤからスタッドレスへ、またその反対も含め最低でも年2回はタイヤ交換を行います。また、雪国でなくとも、居住地に関係なくパンクなどの緊急時に交換する場合もあるでしょう。
タイヤ交換にはディーラーや工場に依頼する人や自分で行う人、両方を使い分ける人などさまざまなケースがありますが、タイヤ交換に慣れない人はいざというときに対応が困難です。そこで今回は、タイヤ交換を自分でやる際の注意点や必要な道具、一連の手順など知っておきたい情報を詳しく解説します。

一言でタイヤ交換といっても、タイヤをホイールから外して新たに組み込む組み替え作業と、ホイールに組み込まれているタイヤを車から外したり、取り付けたりする脱着する作業があります。このうち自分でできるのは、タイヤの脱着の方です。今回は、こちらをタイヤ交換として言及します。
タイヤ交換の作業をタイヤ専門店やガソリンスタンド、カー用品店などに依頼する人もいますが、注意点やコツをつかめば自分で行うことも可能です。
ここでは、タイヤ交換を自分でやるメリットにはどのようなものがあるのかを詳しくご紹介します。
業者:購入したタイヤの交換も依頼する場合:持ち込みタイヤの交換だけを依頼する場合
ディーラー:8000円~3万2000円:1万2000円~5万円
ガソリンスタンド:4000円~2万円:8000円~2万5000円
タイヤ専門店:8000円~1万3000円:1万2000円~3万円
カー用品店 6000円~8000円:8000円~1万5000円
いずれの場合も、違うところでタイヤを購入したときは費用面のメリットが相殺されることになり、購入とセットでタイヤ交換を依頼することを前提としているようです。このことから、雪国などタイヤ交換の頻度が高い場合、大幅に費用を節約できることがわかります。
2020年代の乗用車の多くはスペアタイヤが装着されず、パンク修理キットが装備されるだけになりました。しかし、スペアタイヤがある車も相当の台数が残っています。
これらの車にタイヤトラブルが生じた際のひとつの方法が、自動車保険のロードサービスを利用して対応してもらう方法です。しかし、サービス到着には時間がかかり、真夏や真冬は特に到着待ちの待機がつらくなります。このとき自分で対応できれば、このデメリットは解消できるはずです。
また、保険サービスを利用した場合、次回更新時には保険料がアップすることもあるため、自分でタイヤ交換をすれば保険料が上がるのを防止できます。

自分でタイヤ交換を行うことで、費用面や緊急時の対応などにメリットがあるということがわかりました。
一方、タイヤは自動車の保安部品には入っていないものの、直接路面に接して走行に最も影響を及ぼすパーツのひとつであるため、作業中はさまざまな点に注意しなければなりません。ここでは、どのような注意点があるかを解説します。
特に車載のジャッキは緊急時の使用が想定されているため、通常のタイヤ交換で使用するのは避けましょう。タイヤを外した状態でジャッキが外れると、最悪の場合、作業中に車の下敷きにされることになり、大変危険です。
また、わずかな傾斜でもジャッキは外れやすいので、ジャッキが動かないように他の車輪はしっかりと固定する必要があります。タイヤ交換時はウマとも呼ばれるジャッキスタンドを使い、ジャッキアップしたボディをしっかりと固定するようにしましょう。
4つもしくは5つあるナットがどれか1つ緩んだだけでステアリングがガタつき、まともに走行できなくなってしまうからです。ナットが外れた場合はタイヤが外れることもあり、操作不能になって事故を発生させる可能性もあります。また、それだけでなく外れたタイヤが他車や歩行者などにぶつかることもあるので非常に危険です。
タイヤを締め付ける力が弱いと緩みが生じますが、強すぎてもナットを壊してしまいます。さらに、少しずつナットが緩んでくることもあるので、タイヤ交換するときだけでなく随時緩みがないかというチェックも忘れずに行いましょう。
さらに、ホイール付きのタイヤを保管場所から作業場所まで運ぶのも、意外と重労働です。交換作業だけでなくタイヤの運搬も考えると、タイヤ交換は力仕事と言い換えることもできます。
また、タイヤ交換の作業は腰を低くした状態で行い、交換場所の移動など立ったり、座ったりを繰り返すことが多いです。腰痛持ちの人にとって大きな負担になるという特徴もあるため、自分でタイヤ交換をするかどうかを判断するときは、この点も十分理解することが必要です。

タイヤ交換の作業では、必要な工具を準備しなければなりません。車載工具を使うこともできますが、車種によっては別途購入する必要がある工具もあります。
最低限必要な工具としては、ジャッキ、レンチ、トルクレンチの3つが挙げられるでしょう。ここでが、それぞれどんな機能があるのかを含め、その詳細を解説します。
しかし、クランクを回すのは結構な力が必要で、上げたジャッキも不安定です。自分でタイヤ交換をする場合は、できるだけ作業を楽にできる油圧式のフロアジャッキを購入しましょう。幅広い価格帯のものがありますが、カー用品店には数千円で入手できるものもあります。
また、クロスレンチはサイズ違いのナットサイズに対応するため、レンチが搭載されない車両に使うことも可能。ホイールナットの締め付けには使えない道具ではありますが、不可欠なパーツのひとつです。
トルクレンチは力が入りすぎるとカチカチという音がしてナットが回らなくなるため、適正なトルクで締め付けることができます。

タイヤ交換をする際に欠かすことのできない道具に関しては前項で紹介しましたが、これからご紹介する道具があると、タイヤ交換をより安全に行えるようになります。
便利になるというよりは、むしろやむを得ない事情がない限り備えておきたいものです。ここでは、その道具が果たす機能も含めて、詳しく解説していきます。
あればより便利というよりは、安全にタイヤ交換作業を進めるためには必ず準備しておきましょう。タイヤ交換用の輪止めは、カー用品店などで価格1000円程度のものが販売されています。
また、パーツやその破片など鋭利なものに触れる場合もあり、ケガを予防するという観点からも手袋は欠かせません。
作業用手袋は軍手だったり、ゴム手袋だったりさまざまなものがありますが、手のひらが滑りにくく細かい部分の作業がしやすいものを選ぶことをおすすめします。

タイヤ交換に必要な工具や道具を揃え、タイヤの状態を確認し終わったら、次はいよいよ交換作業に移ります。
ここで正しい手順で交換しないと、余計な手間がかかったり、安全に作業できなかったりするため、自分で交換するメリットがなくなってしまうことがあるからです。これから解説する手順に従い、確実なタイヤ交換作業を行いましょう。
タイヤの溝が1.6mmになるとスリップサインが出る状態となり、車検に通らなくなります。しかし、安全のことを考えた場合、最低でも3mm程度の余裕は確保しておきたいところです。
また、タイヤのゴムが劣化するとサイドウォールにひび割れが生じるため、パンクやバーストの危険性が高まります。タイヤに異変がある状態で走行するのはとても危険なため、その場合は交換でなくタイヤを買い替えなければいけません。
また、輪止めや手袋などの道具があれば、このとき一緒に用意しておきましょう。これから交換する用として使うタイヤは車のそばに置いておくと、その後の作業が楽になるのでおすすめです。
このことから、車が動かずに安定する水平な作業場所をあらかじめ確保してから、タイヤ交換の作業を始めるようにしましょう。車が置ける広さだけではなく、作業中はタイヤを転がして移動することもあるので、一定の広さも必要となります。
また、このとき誤って車が発進してしまわないように、エンジンスイッチも忘れずに切っておかなければなりません。
また、作業前には交換するタイヤの対角線上に輪止めを置いて、安全面としても念には念を入れておくことが大切です。万が一、手元に輪止めがないという場合はちょうどよい大きさの石を探して、輪止めの代わりに置いて固定させるのもよいでしょう。
ただし、ここで注意したいのはあくまで緩めるだけということです。そのため、完全に外さないようにしてください。ナットを手で回せる程度で、緩めるのを止めておくのがおすすめです。
持ち上げる高さは、タイヤが少し浮く程度がちょうどいいでしょう。上げる高さが足りないとタイヤをうまく脱着できず、ジャッキを上げすぎるとタイヤを持ち上げるのに労力を要します。このときジャッキスタンドを持っている人は、ジャッキが外れないように注意しながらスタンドを設置してください。
車のメンテナンスに慣れている人は、ディファレンシャルギアボックスの下にジャッキをあて、二輪同時に持ち上げる場合があります。しかし、作業に慣れない人は誤って別の場所をジャッキアップすることがあるため、4箇所のジャッキアップポイントを使いましょう。
外したホイールナットはタイヤ交換後すぐに再度取り付けますが、油断して紛失しないよう、わかりやすい場所に保管しましょう。
外したホイールナットはタイヤ交換後、すぐに再度取り付けるのに必要です。油断して紛失してしまわないように、わかりやすい場所に保管しておきましょう。
また、ホイールを両足ではさむように固定し、ホイールがずれない状態で仮締めをしないと、ホイールナットがきちんと締まらない場合があります。無理に締め付けるとナットのネジを傷め、交換が必要になることもあるので、ホイールがぐらつかない状態でホイールナットを締めましょう。
締め付けるトルクは車種ごとに指定されていますが、車載レンチやクロスレンチでは正しいトルクで締められないため、必ずトルクレンチを使用してください。
ナットが5本あるホイールの場合は星印を書くような順序で、ナットが4本のホイールは縦横の順番で本締めをするとしっかり固定できます。
タイヤがボディにしっかり固定されていないとスムーズな操作ができないため、手順に誤りがないか、確実な作業ができているかを改めてチェックする必要があります。
ホイールナットは走行するうちに少しずつ緩むことがあるため、100km程度走行したあとに再度締め具合を確認しておけばより安全です。
タイヤ交換にはディーラーや工場に依頼する人や自分で行う人、両方を使い分ける人などさまざまなケースがありますが、タイヤ交換に慣れない人はいざというときに対応が困難です。そこで今回は、タイヤ交換を自分でやる際の注意点や必要な道具、一連の手順など知っておきたい情報を詳しく解説します。
この記事の目次
タイヤ交換は自分でできるの?

タイヤ交換の作業をタイヤ専門店やガソリンスタンド、カー用品店などに依頼する人もいますが、注意点やコツをつかめば自分で行うことも可能です。
タイヤ交換を自分でやるメリット
自分でタイヤ交換ができるようになれば、業者に依頼する場合と上手に使い分けることができたり、状況に応じた対応をしたりすることが可能です。ここでは、タイヤ交換を自分でやるメリットにはどのようなものがあるのかを詳しくご紹介します。
工賃がかからない
自分でタイヤ交換をする最大のメリットは費用面で、工賃を節約できることです。依頼先によって工賃は異なりますが、「依頼先で購入した際、タイヤ交換もしてもらう場合」と「タイヤを自分で持ち込んで、交換だけを依頼する場合」における4本分の目安をご紹介します。業者:購入したタイヤの交換も依頼する場合:持ち込みタイヤの交換だけを依頼する場合
ディーラー:8000円~3万2000円:1万2000円~5万円
ガソリンスタンド:4000円~2万円:8000円~2万5000円
タイヤ専門店:8000円~1万3000円:1万2000円~3万円
カー用品店 6000円~8000円:8000円~1万5000円
いずれの場合も、違うところでタイヤを購入したときは費用面のメリットが相殺されることになり、購入とセットでタイヤ交換を依頼することを前提としているようです。このことから、雪国などタイヤ交換の頻度が高い場合、大幅に費用を節約できることがわかります。
パンクやバーストなどの緊急時にも対応できる
タイヤ交換を自分ですることができれば、タイヤのパンクやバーストなどの緊急時に対応できるというメリットもあります。2020年代の乗用車の多くはスペアタイヤが装着されず、パンク修理キットが装備されるだけになりました。しかし、スペアタイヤがある車も相当の台数が残っています。
これらの車にタイヤトラブルが生じた際のひとつの方法が、自動車保険のロードサービスを利用して対応してもらう方法です。しかし、サービス到着には時間がかかり、真夏や真冬は特に到着待ちの待機がつらくなります。このとき自分で対応できれば、このデメリットは解消できるはずです。
また、保険サービスを利用した場合、次回更新時には保険料がアップすることもあるため、自分でタイヤ交換をすれば保険料が上がるのを防止できます。
タイヤ交換を自分でやる際の注意点とは

一方、タイヤは自動車の保安部品には入っていないものの、直接路面に接して走行に最も影響を及ぼすパーツのひとつであるため、作業中はさまざまな点に注意しなければなりません。ここでは、どのような注意点があるかを解説します。
ジャッキアップ中は十分注意
タイヤ交換時は車のボディをジャッキアップすることになりますが、1か所のジャッキアップポイントで車全体を支えているため、ジャッキが外れないように十分注意しなければなりません。特に車載のジャッキは緊急時の使用が想定されているため、通常のタイヤ交換で使用するのは避けましょう。タイヤを外した状態でジャッキが外れると、最悪の場合、作業中に車の下敷きにされることになり、大変危険です。
また、わずかな傾斜でもジャッキは外れやすいので、ジャッキが動かないように他の車輪はしっかりと固定する必要があります。タイヤ交換時はウマとも呼ばれるジャッキスタンドを使い、ジャッキアップしたボディをしっかりと固定するようにしましょう。
走行中にタイヤが外れてしまわないように注意
タイヤ交換の際はタイヤをしっかり固定しないと、ナットが緩んだり、外れたりする原因になってしまいます。4つもしくは5つあるナットがどれか1つ緩んだだけでステアリングがガタつき、まともに走行できなくなってしまうからです。ナットが外れた場合はタイヤが外れることもあり、操作不能になって事故を発生させる可能性もあります。また、それだけでなく外れたタイヤが他車や歩行者などにぶつかることもあるので非常に危険です。
タイヤを締め付ける力が弱いと緩みが生じますが、強すぎてもナットを壊してしまいます。さらに、少しずつナットが緩んでくることもあるので、タイヤ交換するときだけでなく随時緩みがないかというチェックも忘れずに行いましょう。
重労働になることを理解
重量物であるタイヤの交換は、身体的な負担が大きいということも忘れてはいけません。軽自動車に採用される小径タイヤでも1本5~6kgあり、そこにホイールの重量が加わります。いわゆるクロカンSUVと呼ばれる車種のタイヤになると、成人男性でも持ち上げるのが簡単ではありません。さらに、ホイール付きのタイヤを保管場所から作業場所まで運ぶのも、意外と重労働です。交換作業だけでなくタイヤの運搬も考えると、タイヤ交換は力仕事と言い換えることもできます。
また、タイヤ交換の作業は腰を低くした状態で行い、交換場所の移動など立ったり、座ったりを繰り返すことが多いです。腰痛持ちの人にとって大きな負担になるという特徴もあるため、自分でタイヤ交換をするかどうかを判断するときは、この点も十分理解することが必要です。
タイヤ交換を自分でやるために必要な工具は?

最低限必要な工具としては、ジャッキ、レンチ、トルクレンチの3つが挙げられるでしょう。ここでが、それぞれどんな機能があるのかを含め、その詳細を解説します。
ジャッキ
タイヤ交換はタイヤが浮いた状態でしなければならないため、ボディを持ち上げるジャッキが必要です。車載のジャッキは車種ごと指定されたポイントにジャッキをあて、クランクを使い手動でボディを持ち上げます。しかし、クランクを回すのは結構な力が必要で、上げたジャッキも不安定です。自分でタイヤ交換をする場合は、できるだけ作業を楽にできる油圧式のフロアジャッキを購入しましょう。幅広い価格帯のものがありますが、カー用品店には数千円で入手できるものもあります。
レンチ
タイヤ交換時はホイールナットを外さなければならないため、ナットを回すレンチが必要です。車載レンチのレバーはL字型をしているものが多いですが、タイヤ交換用に販売されているクロスレンチだとナットを回す際力が入れやすくなります。また、クロスレンチはサイズ違いのナットサイズに対応するため、レンチが搭載されない車両に使うことも可能。ホイールナットの締め付けには使えない道具ではありますが、不可欠なパーツのひとつです。
トルクレンチ
意外と知られていませんが、ナットを締め付けるのにトルクレンチは絶対に必要な道具です。ホイールナットを締め付ける力が弱すぎると緩みの原因になりますが、強すぎるとボルトやナットを破損してしまいます。ナットは一定のトルクで締め付ける必要があるため、そのためにトルクレンチを使うことになるのです。トルクレンチは力が入りすぎるとカチカチという音がしてナットが回らなくなるため、適正なトルクで締め付けることができます。
タイヤ交換をする際にあると便利な道具

便利になるというよりは、むしろやむを得ない事情がない限り備えておきたいものです。ここでは、その道具が果たす機能も含めて、詳しく解説していきます。
輪止め
タイヤ交換の作業場所には車が動かないところを選ぶ必要がありますが、勝手に動く危険を少しでも抑えるためには輪止めも併用したいところです。輪止めは交換する部分の対角に位置するタイヤに添え、車が動かないように固定させるものとして使います。あればより便利というよりは、安全にタイヤ交換作業を進めるためには必ず準備しておきましょう。タイヤ交換用の輪止めは、カー用品店などで価格1000円程度のものが販売されています。
作業用の手袋
手の汚れやケガを防ぐためには、作業に使う専用手袋を用意しておくとよいでしょう。自動車のメンテナンスはオイルや泥の汚れが付きやすく、その中には石けんでは落ちにくいものもあります。また、パーツやその破片など鋭利なものに触れる場合もあり、ケガを予防するという観点からも手袋は欠かせません。
作業用手袋は軍手だったり、ゴム手袋だったりさまざまなものがありますが、手のひらが滑りにくく細かい部分の作業がしやすいものを選ぶことをおすすめします。
タイヤ交換を自分でするときのやり方と手順

ここで正しい手順で交換しないと、余計な手間がかかったり、安全に作業できなかったりするため、自分で交換するメリットがなくなってしまうことがあるからです。これから解説する手順に従い、確実なタイヤ交換作業を行いましょう。
1.タイヤ交換前に取り換えるタイヤの状態を確認する
タイヤ交換する際は、溝の深さやひび割れ、空気圧などあらかじめ取り替えるタイヤの状態を確認しておきましょう。タイヤの溝が1.6mmになるとスリップサインが出る状態となり、車検に通らなくなります。しかし、安全のことを考えた場合、最低でも3mm程度の余裕は確保しておきたいところです。
また、タイヤのゴムが劣化するとサイドウォールにひび割れが生じるため、パンクやバーストの危険性が高まります。タイヤに異変がある状態で走行するのはとても危険なため、その場合は交換でなくタイヤを買い替えなければいけません。
2.タイヤ交換に必要な工具や道具、タイヤを準備
タイヤ交換を始める前に、さきほどご紹介したジャッキやレンチ、トルクレンチといったタイヤ交換に必要な工具を準備しておきます。そうすることで、使うタイミングで取りに行く手間も省ける他、スムーズにタイヤ交換が行えるようになるはずです。また、輪止めや手袋などの道具があれば、このとき一緒に用意しておきましょう。これから交換する用として使うタイヤは車のそばに置いておくと、その後の作業が楽になるのでおすすめです。
3.車が安定する平らな場所を確保
タイヤ交換をするときは、車のボディを浮かせて持ち上げることになります。そのため、誤って車両が動かないようにしておかなければなりません。このことから、車が動かずに安定する水平な作業場所をあらかじめ確保してから、タイヤ交換の作業を始めるようにしましょう。車が置ける広さだけではなく、作業中はタイヤを転がして移動することもあるので、一定の広さも必要となります。
また、このとき誤って車が発進してしまわないように、エンジンスイッチも忘れずに切っておかなければなりません。
4.作業中に車が動かないように輪止め
安定する平らな場所に車を停車させることができたら、AT車はPレンジに、MT車の場合は1速に入れ、しっかりと固定します。この際、サイドブレーキも忘れずにかけておきましょう。また、作業前には交換するタイヤの対角線上に輪止めを置いて、安全面としても念には念を入れておくことが大切です。万が一、手元に輪止めがないという場合はちょうどよい大きさの石を探して、輪止めの代わりに置いて固定させるのもよいでしょう。
5.ジャッキアップ前にホイールナットを少し緩める
回転を固定していない車輪では、ホイールを外すときに、ナットに十分な力が伝わらないことがあります。しかし、ジャッキアップする前はまだ力が伝わるので、あらかじめホイールナットをほんの少しだけ緩めておくと、このあとの作業が楽になるでしょう。ただし、ここで注意したいのはあくまで緩めるだけということです。そのため、完全に外さないようにしてください。ナットを手で回せる程度で、緩めるのを止めておくのがおすすめです。
6.ジャッキアップをさせて車を持ち上げる
車種ごとに指定されているジャッキアップポイントを探し、そこにジャッキをあててジャッキアップします。ポイントはフロントタイヤの直後とリヤタイヤの直前に設定されることが多いですが、取扱説明書で再度確認するのがおすすめです。持ち上げる高さは、タイヤが少し浮く程度がちょうどいいでしょう。上げる高さが足りないとタイヤをうまく脱着できず、ジャッキを上げすぎるとタイヤを持ち上げるのに労力を要します。このときジャッキスタンドを持っている人は、ジャッキが外れないように注意しながらスタンドを設置してください。
車のメンテナンスに慣れている人は、ディファレンシャルギアボックスの下にジャッキをあて、二輪同時に持ち上げる場合があります。しかし、作業に慣れない人は誤って別の場所をジャッキアップすることがあるため、4箇所のジャッキアップポイントを使いましょう。
7.緩めておいたホイールナットをすべて外す
ジャッキアップが終わったら、あらかじめ緩めておいたホイールナットを手で回して外します。緩みが不十分な場合はナットが回らないこともありますが、完全に締まってはいないため焦らずにレンチ等を使えば上手に外せます。外したホイールナットはタイヤ交換後すぐに再度取り付けますが、油断して紛失しないよう、わかりやすい場所に保管しましょう。
8.タイヤを取り外すして、新しいタイヤを装着
ジャッキアップが終わったあとは、あらかじめ緩めておいたホイールナットを手で回して外していきましょう。緩みが不十分な場合は、ナットが回らないこともあるかもしれません。しかし、完全に締まってはいないため、焦らずにレンチなどを使えば上手に外すことができます。外したホイールナットはタイヤ交換後、すぐに再度取り付けるのに必要です。油断して紛失してしまわないように、わかりやすい場所に保管しておきましょう。
9.ホイールナットを取り付けて仮締め
ボディにホイールを装着したら、保管しておいたホイールナットを取り付け、仮締めをしましょう。仮締めのため、強く締めすぎないよう気を付ける必要がありますが、緩すぎてもいけません。レンチは使わず、手で回せなくなる程度を目安にすればよいでしょう。また、ホイールを両足ではさむように固定し、ホイールがずれない状態で仮締めをしないと、ホイールナットがきちんと締まらない場合があります。無理に締め付けるとナットのネジを傷め、交換が必要になることもあるので、ホイールがぐらつかない状態でホイールナットを締めましょう。
10.ジャッキから降ろしてホイールナットを本締め
仮締めが済んだらジャッキを下ろして、車重がかかった状態でホイールナットを本締めします。ジャッキスタンドを使用している場合は、ジャッキを下ろす前にスタンドを外しましょう。締め付けるトルクは車種ごとに指定されていますが、車載レンチやクロスレンチでは正しいトルクで締められないため、必ずトルクレンチを使用してください。
ナットが5本あるホイールの場合は星印を書くような順序で、ナットが4本のホイールは縦横の順番で本締めをするとしっかり固定できます。
11.交換し終わったら試し運転をして異常がないか確認
前項までの作業を四輪繰り返せばタイヤ交換の作業はおしまいですが、作業後は必ずゆっくりと試運転をして、異音や違和感など異常がないか確認しましょう。タイヤがボディにしっかり固定されていないとスムーズな操作ができないため、手順に誤りがないか、確実な作業ができているかを改めてチェックする必要があります。
ホイールナットは走行するうちに少しずつ緩むことがあるため、100km程度走行したあとに再度締め具合を確認しておけばより安全です。
まとめ
①タイヤ交換は自分でもできるが、注意点を知っておく必要がある
②タイヤ交換の作業前に、必要な工具や道具をあらかじめ準備する
③交換予定のタイヤの状態を確認し、状態が悪い場合は交換を中止する
④車が動かないよう、平らで安全な場所を確保した上で交換作業を行う
⑤タイヤ交換の作業は正しいやり方や手順を踏む
⑥やり方や手順が不安な場合は無理に自分では行わずタイヤ専門店やガソリンスタンド、カー用品店などに依頼するのがおすすめ
この記事の画像を見る