タイヤ交換
更新日:2022.06.23 / 掲載日:2021.10.11
主要タイヤメーカーのシェア率一覧!国産と外国産の違いは?各特徴を解説

タイヤ選びの目安として、どこのタイヤメーカーが人気なのか、気になる方も多いのではないでしょうか。タイヤメーカーの世界シェア率は、売上高をベースにしたデータをブリヂストンが毎年公表しています。
当記事では、世界シェア率を読み解きながら、国産・外国産メーカーそれぞれの特徴を解説します。タイヤ選びで迷っている方は、ぜひ参考にしてください。
人気タイヤメーカーはどこ?世界シェア率一覧

1 | ミシュラン | 15.0% |
2 | ブリヂストン | 14.6% |
3 | グッドイヤー | 8.2% |
4 | コンチネンタル | 6.8% |
5 | 住友ゴム | 4.2% |
6 | ピレリ | 3.6% |
7 | ハンコック | 3.4% |
8 | 横浜ゴム | 2.9% |
9 | 正新 | 2.3% |
10 | 中策ゴム | 2.1% |
11 | ジーティータイヤ | 1.9% |
12 | トーヨータイヤ | 1.8% |
13 | その他 | 33.2% |
引用:https://www.bridgestone.co.jp/corporate/library/data_book/pdf/BSDATA2021.pdf
2021年にブリヂストンが公表しているデータ(ランキングは2019年のデータ)によると、タイヤメーカーの世界シェア率は「ミシュラン」「ブリヂストン」が上位を占めています。
環境の異なる世界各国から支持されている上位クラスのタイヤは、それだけの技術と実力を兼ね備えたメーカーだと評価できるでしょう。「どのタイヤメーカーを選べば良いのかわからない」という方にとって、世界シェア率の高さは判断材料の一つになるでしょう。
また、「低燃費(エコ)」「静寂性」「耐摩耗性」「乗心地」など、上位クラスのタイヤほどドライバーのこだわりを満たしてくれる性能を有しています。
ただし、メーカーによって特徴が異なるので、世界シェア率だけで選ぶのはおすすめしません。以降では、国産と外国産の主要メーカーについて解説します。
国産の主要タイヤメーカー4選

世界シェア率の上位12社のなかには、国産のタイヤメーカーが4つもランクインしています。どれも、広告や店舗で目にする機会が多いタイヤメーカーです。
世界シェア率や主要ブランドなど、タイヤメーカー別に特徴を確認していきましょう。
1.ブリヂストン
ブリヂストンは、1931年に誕生した日本の上位タイヤメーカーです。自動車のみならず月面探査機のタイヤなど、幅広いジャンルで常に新しい技術開発に力を入れています。品質・安心安全を徹底した開発姿勢が魅力といえるでしょう。
「直進安定性」「ドライ性能・ウェット性能」「低燃費性能」「ライフ性能」「静粛性・乗り心地」と、大きく5つの性能を重視したブランドを展開しています。
世界シェア率 | 14.6%(2019年:ランク2位) |
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主要ブランド | プレイズ、レグノ、ブリザック、ポテンザ、デューラー、アレンザ、エコピア、ネクストリー |
2.住友ゴム(ダンロップ・ファルケン)
住友ゴムは、タイヤ事業から産業品事業まで多くを手がける、創業1909年のメーカーです。2020年末時点で、タイヤの販売本数は1億800万本以上にもおよび、「DUNLOP(ダンロップ)」「FALKEN(ファルケン)」と2つのメインブランドを展開しています。
「安全性」「環境性」「低燃費性」「品質」を重視した、世界に優しいタイヤ開発を行なっているのが特徴です。評価が厳しいと有名なヨーロッパで磨き上げた技術力は、アメリカや中国、インドなど世界各国から支持されています。
世界シェア率 | 4.2%(2019年:ランク5位) |
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主要ブランド | ダンロップ:ルマン、エナセーブ、グランドトレック、ディレッツァ ファルケン:アゼニス、ジークス、エスピア、ユーロウィンター |
3.横浜ゴム(YOKOHAMA)
横浜ゴムは、1917年創業と100年以上の歴史を誇る老舗メーカーです。ラジアルタイヤ(1956年)や低燃費タイヤ(1996年)など、「日本初タイヤ」を提供してきた先駆者でもあります。
タイヤ開発への情熱・挑戦力に優れているのが魅力の一つで、「スポーツ」「エコ」「SUV専用」など、多くのブランドを展開しています。
世界シェア率 | 2.9%(2019年:ランク8位) |
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主要ブランド | アドバン、ブルーアース、エコス、ジオランダー、パラダ、アイスガード |
4.トーヨータイヤ
トーヨータイヤは、1945年創業のタイヤ・自動車部品を扱うメーカーです。AIやナノテクノロジーにとどまらず、独自技術「A.T.O.M」を駆使した次世代型のタイヤ製造法を開発しています。
最新技術の開発スピードが速いトーヨータイヤでは、空気を必要としない「エアレスコンセプトタイヤ」も登場しています。
世界シェア率 | 1.8%(2019年:ランク12位) |
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主要ブランド | オープンカントリー、プロクセス、トランパス、ナノエナジー、エスディー・セブン、セルシアス、オブザーブ |
外国産の主要タイヤメーカー8選

世界シェア率の上位12社には、ヨーロッパやアジアなど計8ヵ国のメーカーがランクインしています。日本では、あまり聞きなれないメーカーも多いのではないでしょうか。
上位クラスに認知度の高いメーカーが並ぶなかで、アジアメーカーは安さと品質のバランスが良いタイヤとして人気を集め始めています。どのような特徴があるのか、詳しく見ていきましょう。
1.ミシュラン:フランス
世界シェア率でブリヂストンを抜いたミシュランは、本拠点がフランスにある創業1880年のタイヤメーカーです。世界69ヵ国に点在する製造地から、170以上もの国にタイヤを供給・販売しています。
メーカーの名前にもなったミシュラン兄弟は、世界で初めて空気入りタイヤを自動車に転用した先駆者です。特定の性能を突出させず、求められる性能をバランス良く分散するトータル性に優れた製造法に力を入れています。
世界シェア率 | 15.0%(2019年:ランク1位) |
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主要ブランド | パイロット、プライマシー、エナジーセイバー、ラティチュード、プレミア、クロスクライメート、エックスアイス、アルペン、クラッシック |
2.グッドイヤー:アメリカ
アメリカに本拠点を置く創業1898年のグッドイヤーは、F-1での368勝や自動車最高記録(960km/h)など、モータースポーツで世界記録を出したメーカーです。
企業成長スピードも速く、創業から18年で世界有数のタイヤメーカーとして注目を集めるようになりました。タイヤ販売総数は世界で約1.5億本にもおよび、25ヵ国の自動車メーカーで純正タイヤとして取り入れられ、実績・信頼を重ねています。
世界シェア率 | 8.2%(2019年:ランク3位) |
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主要ブランド | イーグル、E-グリップ、アシュアランス ウェザーレディ、ベクター、アイスナビ |
3.コンチネンタル:ドイツ
創立150年以上を迎えるコンチネンタルは、本拠点をドイツに置くタイヤメーカーです。世界49ヵ国に300以上もの製造地から、メルセデスやアウディなどの純正タイヤを販売・供給しており、ヨーロッパの新車においては3台に1台がコンチネンタルタイヤを標準装備しています。
2000年には日本国内でも、コンチネンタル・ジャパンが創設されました。
世界シェア率 | 6.8%(2019年:ランク4位) |
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主要ブランド | スポーツコンタクト、コンチスポーツコンタクト、コンチプレミアムコンタクト、プレミアコンタクト、エココンタクト、コンチエココンタクト、マックスコンタクト、エクストリームコンタクト、バイキングコンタクト、ノースコンタクト |
4.ピレリ:イタリア
創業1872年のピレリは、イタリア・ミラノに本拠点を置くタイヤメーカーです。F-1開催当初から参戦しているモータースポーツ界の古参でもあり、2011年以降はF-1のオフィシャルタイヤサプライヤーを務めています。
ランボルギーニやフェラーリなど、ハイグレードな自動車メーカーの純正タイヤとしても有名です。
2015年に中国の大手企業に買収されましたが、現在もイタリアに本社拠点を置いています。
世界シェア率 | 3.6%(2019年:ランク6位) |
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主要ブランド | P ZERO、ドラゴン、スコーピオン、ウィンターソットゼロ、チントゥラート |
5.ハンコック:韓国
創業1941年のハンコックは、韓国・ソウルに拠点を置くタイヤメーカーです。創業当初はブリヂストン系列として誕生し、横浜ゴムと技術を共有していた時期もありました。
日産自動車やトヨタなどの国産自動車、メルセデスベンツ、BMWなどの外国産自動車でも標準装備されています。性能はもちろん安価で買い求めやすいのが魅力の一つです。
世界シェア率 | 3.4%(2019年:ランク7位) |
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主要ブランド | ヴェンタス、ダイナプロ、キナジー eco RV、ウィンター アイセプト |
6.正新(MAXXIS):台湾
創業1967年の正新(MAXXIS)は、台湾に本拠点を置くタイヤメーカーです。2005年までは、自転車タイヤメーカーとして活躍していました。
自動車タイヤ単体で見ると、開発歴は約15年と比較的新しいメーカーですが、低燃費タイヤに力を入れながら、アジアを中心に販売・供給しています。
世界シェア率 | 2.3%(2019年:ランク9位) |
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主要ブランド | MAシリーズ、VRシリーズ、VSシリーズ、SPシリーズ、iーECO |
7.中策ゴム:中国
創業1958年の中策ゴムは、中国・杭州に拠点を置くタイヤメーカーです。60年の月日を超えてゴム靴の製造工場から、中国国内のタイヤメーカーランキングでは1位を獲得、世界シェア率ではランク10位に入るタイヤメーカーに成長しています。
世界シェア率 | 2.1%(2019年:ランク10位) |
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主要ブランド | ウエストレイク、グッドライド、チャオヤン、アリスン、トラザーノ、ヤルトゥ |
8.GT RADIAL:インドネシア
創業1951年のGT RADIALは、インドネシアに本拠点を置くタイヤメーカーです。世界シェア率トップのミシュランから、ライセンス技術を習得しています。独自技術から生み出す、運動性能とコンフォート性能に優れたタイヤを販売・供給しているのが特徴です。
世界シェア率 | 1.9%(2019年:ランク11位) |
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主要ブランド | チャンピロ、スポーツアクティブ、サベロ、マックスミラー |
輸入タイヤが安い?同メーカーでも価格が違う理由

国産のタイヤに比べて、輸入タイヤ(外国産)のほうが安いと感じたことはありませんか?特にアジアメーカーは、国産と比べて新品1本あたりの平均価格に大きな差が出る傾向があります。
輸入タイヤが安いおもな理由として挙げられるのは、人件費や設備、開発コストの違いです。価格はタイヤメーカーの品質・性能を可視化できる要素の一つですが、「安い=悪い」とは言い切れません。
たしかに、性能自体は値段に比例して上がっていきますが、安価な輸入タイヤでも一定水準以上の性能は確保されています。つまり、「多くを求めないのであれば、安価な輸入タイヤでも特に問題はない」といえるでしょう。
タイヤメーカー選びに迷ったら?

タイヤメーカーを1つに絞り込めないときは、プロに相談するのがおすすめです。ドライバーが求めていること、車の状態、乗り方に応じた適切なアドバイスを受けられます。
グーネットピットでは、最寄りのカーショップや整備工場を検索できますので、ぜひご活用ください。
まとめ
世界シェア率の上位には、各国の環境に順応できる技術・製造力に加え、実績と信頼を得たタイヤメーカーがランクインしています。ミシュランやブリヂストンなどの有名メーカーの存在が際立ちますが、世界標準を目指している安価なアジアメーカーにも注目したいところです。
これまで自分が求めていた性能を持つ、素晴らしいタイヤに巡り合える機会があるかもしれませんので、ぜひ各メーカーの特徴を参考にしてみてください。